ビャッコ編
◉いつかまた会えるよね
キュルルとカラカルは、ジャングルの中をさまよっていた。
カラカル「…ねえ、ホントに大丈夫なのキュルル?」
キュルル「おっかしーな、そろそろ着くはずなんだけど…ああっ⁉︎地図が逆さまだった!」
カラカル「ウソでしょーっ⁉︎」
キュルルはカラカルと一緒に、パーク中を回ってフレンズ達に手紙や伝言を届けるメッセンジャーとなった。文字の分からないフレンズに代わって、文章や絵を書いてあげたりもしている。
今日はジャングルにお使いに来たのだが、慣れない場所で迷ってしまったようだ。
キュルルはしばらく地図とにらめっこしていたが、不意に顔を上げた。
キュルル「よし!こっちだ、間違いない!」
こう言ってズンズンと歩き出したキュルルに、カラカルが心配そうに声をかけた。
カラカル「なんなら木に登って、周りを見てきてもいいのよ?」
キュルル「もうちょっと待って!早く一人でみんなを助けられるようになりたいんだ!」
カラカル「…そうね、しっかりやりなさい!」
そう言うとカラカルは、キュルルの後について歩き出した。
キュルルがパーク中を回っているのは、アムールトラを探すためでもある事をカラカルは知っていた。そんな彼を誇らしく思うと同時に、自分だけを見てくれない事に少しヤキモチを妬いていた。
そして樹上の気配に、心の中でこう呟いた。
カラカル『何やってんのよ、もう…さっさと出てきなさいよ!』
そんな2人の様子を、高い木の上からじっと見つめている大きなフレンズがいた。頭には立派なトラの縞模様が刻まれていて、オレンジ色の長い髪が風に揺れている。その子は先程からずーっともじもじしていた。
『パーク中大騒ぎになっちゃってる…。気まずいよ〜!』
とりあえず大きく深呼吸をして、よし、行くぞ!と気合を入れ直した。しかしどうしてもあと一歩が踏み出せない。そして毛皮から、アムールトラの顔が描かれている一片のスケッチブックのかけらをつまみ出すと、また悩み始めた。
『これも謝らないといけないのに…ああでもどうしよう〜!』
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