真・女王編
◉荒れ狂う闇! 女王vsビースト
ぱっかーん!
ホテルの屋上では、ビーストがフレンズ型セルリアンを蹴散らしていた。あれから増援も現れたが、彼女の敵ではなかった。あれほど蠢いていた奴らが、あとわずか数体となっている。しかし長い戦いで、流石のビーストも息が上がっていた。
グゴゴゴゴゴッ‼︎
ここで大きな地震が起こり、海から大量の噴煙が噴き出した。とうとう海底火山が本格的に噴火を始めたのだ。
ホテルが激しく揺れ、ビーストもよろめいた。すると下の階から大きな音が迫ってきた。何かが天井を次々とぶち破りながらこちらに迫ってくる。その気配に、彼女はゾクリと体を震わせた。
そして屋上のヘリポートを突き破り、サーバル、カラカル、ビーストを模した3体のフレンズ型セルリアンが現れた。ビースト型の頭上に、女王セルリアンの顔の影が浮かんでいる。
女王「あの絵の中で、特に強い輝きのこもった3人ダ…。打ち破れるかナァッ!」
女王の叫び声と共に、3体が一斉にビーストに向かってきた。その突進に巻き込まれた残っていたセルリアンは、あっという間に体が千切れ跳び、粉々になって消えてしまった。
グワッシャァァン!!!
そのあまりのスピードに反応が追いつかず、ビーストはかわすどころかろくに防御もできないまま、まともに攻撃を喰らってしまった。
何が起こったのかを理解する暇もなかった。気づいた時には体が宙を飛んでいて、そのままビーストは壁に激突し床に倒れ込んだ。全身に凄まじい激痛が走り、息をすることができない。そして体から力が抜けてゆき、感覚がなくなっていった。
ビースト『いけない、立ち上がらないと!ここで負けるわけには、いかないん、だっ…。』
そんなビーストの意思とは裏腹に、彼女の意識はどんどん遠くなってゆき、視界が闇に覆われていった。その中に思い出深い相手の顔が、次々と現れては消えてゆく。
ビースト「ハカセたち……、イエイヌ……、キュル…る…。』
そしてそれまで輝いていた紋章も消えてしまった。ビーストは意識を失い、動かなくなった。
それを見て、女王は高笑いをした。
女王「アーハッハッハ!勝った…勝ったゾォ!所詮獣の力などこの程度、今度こそ邪魔はさせなイ!」
海から集まってきたセルリウムはすでに建物全体を覆い尽くし、屋上まで伸びてきている。そして倒れているビーストを取り込もうと、ジリジリと迫ってきた。
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