第2話
再テストの勉強を必死でし始めた。
「だ、駄目だ……」
開始から一時間。ワークは一問も解けなかった。全く分からない。教科書もちゃんと読んだのに、だ。もう意味不明、摩訶不思議。
「これじゃ無理だ。再テスト不合格は確実だ……」
隣の部屋へ行く。
「
「
『鷹にい』こと
「実は――」
佳孝は、再テストなどの事情をかいつまんで説明した。
「だから俺に勉強を教えてくれと?」
「そうなんだよ~」
「無理だ。俺は受験や生徒会で忙しい。少なくとも来週一杯は教えてやれない。ごめんな」
「分かったよ鷹にい。生徒会、がんばれ」
「おう」
自室に戻った佳孝が出した答え。
「……明日センセーに訊くか」
◆◆◆
「センセー」
「どうしたんですか、小高君?また呼び出しくらったんですか?」
「いや、ここが分からなくて……」
「えぇっ!!なっ!!あ、あの小高君が質問に来るなんて!!明日は槍が降るんですよね!?凄い、奇跡だ!!」
「大ゲサだよ……で、どうやったらいいんスか」
「それはだね――」
先生はしっかりと解説してくれた。だが佳孝には、先生の解説がまるでアラビア語で解説されているかのように意味不明だった。
(駄目だ、センセーに訊いてもわからん……アイツらに訊くか?)
その日の昼休み。弁当を食べ終わった佳孝は男友達に質問することにした。
「なあ、これどーやって解くんだ」
「え?何言ってんの?俺らが分かるわけねーだろ!お前より点低いんだぞ?」
「……」
(そういえばそうだった……コイツら俺より頭悪かったんだ……)
「お前、マジメに勉強とかすんの?ウケんだけど!!」
「いっ……いやいや、んな訳ねーよ!」
「だよなぁ~」
放課後。クラスメート達に訊くことにした。
「なあ、これどーやって解くんだ?」
「は?先生に訊けば?」
突き放されたが、別のクラスメートに訊く。
「あの、これ……」
「ごめん、急いでるから」
美嘉をいじめているので、そんな感じでクラスメートからは無視されてしまった。
その日の夜。
(万策尽きた……)
ベッドの上でうつぶせになり、足をバタバタさせる佳孝。
「……あ!」
脳内にふと美嘉の顔が浮かぶ。
「そうだ、あいつなら!」
美嘉はクラスメート達の質問に答えていた事があった。だから自分も教えて貰おうと思ったわけだ。
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