第25話 神秘の森

丈の高いアザミの列を通り過ぎたとき、僕は小鬼たちがその奇怪な小さい顔を花の中一杯にひしめかせ、花の後ろから一斉に全員が覗き込み、また同じくらい素早くひょいと頭を引っ込めた。それから僕は小鬼たちがお互いに言い合う声を聞いた。明らかに僕に聞かせようとしているのだが、僕が声の方を向くとき、話し手はいつも茂みの後ろに隠れるのだった。「あいつを見ろ! あいつを見ろ! あいつ、始まりもねぇ話を始めやがったぜ!! そりゃあ、そいつにどんな終わりもねぇだろうよ! へっ! へっ! へっ! あいつを見ろ!!」

しかし僕がさらに森の中へと進むにつれ、小鬼たちの姿や声は次第に聴こえなくなって、違う性質をした別の妖精たちに代わった。野生のヒヤシンスの小さな林の中は非常に美しい生き物に満ち満ちていた。その生き物はほとんど動かずに立ち、首をだらりと垂らし花の茎で互いに支え合うようにしていて、低く吹くそよ風が密集する花の鐘楼を揺らす時はいつでも、優美にそよぐのだった。それと同じ様に、姿形や勿論その目的も違っているのだろうが、イトシャジンが集まって立っており、それらはまるで、小さな天使たちが未だ知られない啓示を届けるために準備し、待っているかのようだった。もっと暗い片隅では、苔むした木々の根元、あるいは草の小さな茂みのそば、各々の住居であるそれ自体緑色に光る球体の中で、草とその影の網の目を縫うようにしながら、土蛍が輝いていた。

それらは僕たちの世界にいる土蛍とまったく同じだった。なぜなら土蛍は、昼間には虫で、夜には土蛍であるけれども、彼らは現れる時には、どこにいても妖精なのだ。そして土蛍は彼ら自身にとってそうであるように、他のものたちにとってもあるがままのものなのだ。しかしここには、彼らの敵がいた。というのも僕は雄々しく強靭な腕を持つ甲虫を見て、彼らは像の子供のような不器用さでもそもそ動きながら、しかしできる限りの速さで急いでおり、明らかに土蛍を探していた。

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