第21話 つむじまがりのポケット

唄語りの後半部で、妖精たちはひとりでに葬式の行列を組んだ。行列の二人組があわれなさくら草−ポケットがその茎に噛みついてその死を早めたのだが−を花の大きな葉の一枚を遺骸にかぶせて担いでいた。さくら草を担いだ妖精たちは間隔を保ちながら粛々と進み、それから樹のもとに埋葬した。ただ言わせてもらえれば、僕が見た彼女は、長い茎の萎びたさくら草以外のなにものでもなかった。全員一致で集まりから追放されたポケットは、むっつりと彼女のハンモックへ立ち去った。ポケットはカルセオラリアの妖精だったのだ。彼女は一層やさぐれて見えた。ポケットが自分の花の茎に着いたとき、彼女は立ち止まってまわりを見回した。僕は彼女の隣に立っていたので、声をかけずにいられなくて、言った。「ポケット、君はどうしてそんなやんちゃなの?」

「あたしはぜんぜん『やんちゃ』なんかじゃない!!」彼女はぶすっとしつつ反抗的に叫ぶ。「ただ……もしあんたがハンモックの隣まで来るんだったら、噛みついて追い払ってやるから!!」

「どうしてかわいそうなさくら草に噛みついたの?」

「だってさくら草の奴、あたしたちがぜったいスノードロップに会えないなんて言ったのよ! まるであたしたちじゃあ彼女を見るのにふさわしくないって言うみたいに!! だからあいつは……、いばったやな奴!! いい気味だわ‼」

「ちょっと、ポケット……ポケット!」

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