4章 家族とは

その日の夕食は、なんだかとても静かだった、

聞こえてくるのはテレビのニュース番組のアナウンサーの声

リンゴは駅で出会った自分と同じ顔の男の子のことを、ずっと考えていた、男の子なのに、中性的な顔、少し華奢な体、思えば、あの人のことばかり考えていた、

少しだけ違うところがあったような気がする、他人の空似だ、きっとそうだ、とずっと考えていた、お母さんが

「リンゴ、ボーっとしてどうしたの、悩みごとでもあるの、相談なさいよ、家族なんだから」

りんごははっとして

「ううん、何でもない、お母さんこそ、何か言いたい顔してるよ」

お母さんは少しギクッとした表情をしたが、すぐに真剣な表情になった。

「お母さん、あなたのお父さん、この写真の人とよりを戻そうと思ってるの、それで、リンゴに聞きたくて」

写真には、二人の赤ちゃんと男の人と、お母さんが映っていた。

リンゴは、この人がお父さんか、と思っていたが

「ねえ、お母さんこの赤ちゃん私かな?」

お母さんは、

「ええ、お母さんが抱いている方がリンゴ、おとこの人…あなたのお父さんが抱いているのは、リンゴの双子の弟、名前は富士太よ」

弟、双子、お父さんと再婚、リンゴの頭の中には、いろいろなものが飛び交った

そして、写真がたくさん飾られている所をみた、七五三も入学式も卒業式もお母さんと二人で写っていた。

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