第4章
第15話
ミクルちゃんが抱えて持って来てくれた自分の服を着てから、ハンカチで犬の右足をテーピングし、このワンコを警察に届けようと移動を開始する事にした。
その間、
正直、
派出所までもう少しというところで……。
「ラッキー‼ ああ……アナタ方がラッキーを保護して下さったんですね! ラッキー……‼ 無事で……無事で
どうやら、このワンコの飼い主さんの様だ。
この寒い時期なのに汗を大量に
「この子の飼い主さんですね。たまたまボクたちがこの子を見付けて警察に届けるところでした。」
言って、ワンコを飼い主さんに差し出す。
飼い主さんは、ワンコを
「本当に、ありがとうございます。」
深く頭を下げてお辞儀をし、ワンコに
「ラッキー‼ 右足を
飼い主さんは、ハッとした様に、コチラに目を向けて来た。
「その子、右足を
「そんな事になっていたんですか⁉ 私、この子を乗せた車を運転していたんですけど、この子を後部座席に乗せて窓を開けていたんです。この子、窓から顔を出すのが好きで、窓を開けないと怒るんです。でも、ふと気付いたらこの子が
なるほど、そういう事だったのか。
しかし、窓から飛び出したら足を
「でも、何はともあれ、大事に
「ええ、お二人のお陰です。」
飼い主さんが
そこで…、
「お兄ちゃんのラトルミレショニーがイクトデシブしたからその子を助けられたんですよ。私は、ただエナジーウェーブを
ミクルちゃんの
どうも
飼い主さんの笑顔が、どんどん曇って行き、
しかし、飼い主さんは、何とか笑顔をもう一度作って…、
「な…何かお礼をしないといけませんわ。」
何とか言葉を
しかし…、
「その子は、チャイファーのウルトアクティを私に送ってくれたから、もうお礼は頂いています。」
必死の抵抗を
飼い主さんの顔が見る見る青くなっていく。
多分、ここで、オレが
「そういう訳で、もう、お礼は
ミクルちゃんの世界を
彼女の世界が、悲しい過去を乗り越える
そりゃ、いつかは『
このままでは通用しない。
でも、今はまだ支えてやる奴が必要なんだ。
それはオレであるべきはずだッ‼
だってオレはッ! ミクルちゃんの、お兄ちゃんなんだからッッ‼
飼い主さんはパクパクと口を動かして止まってしまう。
それを横目に、ミクルちゃんの手を取る。
「さぁ、行こうか、ミクル!」
「うん! お兄ちゃん!」
ニッコリと笑い合って出発する。
もう飼い主さんから声が
今日のこの事で、オレも
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