第2話

 しかし、参ったなぁ…”入隊したばかりの少新兵い子”だと恐がるだろうって事で、今回は”軍曹クラス叩き上げ兵隊女のさん”をターゲットにしたんだが…。



 やれやれ…逆に経験が豊富過ほうふすぎて、こっちの戦力をあっさり把握はあくされた挙句あげく、一撃で急所にズドンとは……。





「さぁて、撤収てっしゅう撤収てっしゅう対戦相手たいせんあいてないのに、こんな”ラブオーラ臭い満載煙るデート戦場スポット”で、いつまでも一人で滑空かっくうしていたら領空りょうくう侵犯しんぱん迎撃げいげきされちゃいますよと。」





 とりあえず気持ちを切り替える努力をしてみる。



 ヤケであらたな対戦相手たいせんあいてを事前の戦力調査もせずにむかえて見ても敗戦はまぬがれない事は幾多いくたの戦場で証明済み。





 ”基地自宅”に帰還きかんする気にもなれず、ブラブラと繁華街はんかがいまで”自前二本エンジン噴かす歩く”。



 さきほどの対戦相手へ照準しょうじゅんしぼって”弾丸告白”をはなために夕方を待ってアクションをしたおかげで、燃料ねんりょうが少ないのだ。



 ”ハイオク高級店”等は求めないが、”レギュラージャンクフード”くらいは”タンク胃袋”にめないとやってられない。





 目当ての『小さな御子おこさまが間近で見たらトラウマになりそうな、笑顔がステキなピエロ』をマスコットにしている、あじかく安価あんかさには定評ていひょうのある店が二〇〇メートルくらい先に見えてきた。



 今日の戦闘に勝利できたあかつきには”フランス”をフルコースで持って来させるつもりでいたので、持つ物は持っている。



 敗戦の痛みをやわらげるためにも、ここでフルコースでも頼んで見るかな。





 普段なら、ここの一番安いメニューを一ダース頼んで明日のエサも確保ってな感じだが。


 いや、本当に、ここで一番安いメニューを一ダースも頼んだら不気味この上ないか。


 ”営業用スマメニューイル”をたずさえた店員さん十二人に囲まれるんだもんな。


 想像しただけで背筋が寒くなりますよと。

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