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仕事はの受け方は簡単で依頼掲示板に貼ってある依頼票を受付に渡すこと。

ただ、掲示板に貼ってあるのは必要最低限のことしか書いてなく、

受付に持って行くことで詳細を知ることができる。

この時点ではまだその依頼を止めることができる。条件や場所などを詳しく知って

自分に合わなければ止めてもいい。

詳細を知って、受付で受領印を押すことで初めて依頼を受けることができる。

もし、依頼を失敗しても罰則はない。ただし、ギルドが受領した依頼とは

内容が異なっていたり、死傷者が出てしまった場合に限る。

冒険者側が一方的に依頼を放棄したり、未達成なのに達成したと報告するなどの

偽装などには重い罰が科せられる。

また、どんな依頼でも誰もが受けられるわけではない。

冒険者には鉄・青銅・銅・銀・金・白金・黒銀という等級がある。

これによって依頼の内容が左右されるわけだ。登録し始めの初心者は鉄級からで、依頼をこなしていくことで上に上がっていく。

中堅のベテランとなれば金級あたりだ。

金以上から上がるのは非常に難しく黒銀は世界に数人しかいないらしい。


リザは掲示板に行き適当な依頼を取り受付に向かうが、その前を

さっきの男が立ちふさがった。


「待てよ。度胸だけはあるようだがそれ以外がなっちゃねえ。剣を抜きな、

世界というものを教えてやるよ」


そう言うと腰にあった大きな剣を抜く。


「だめです!ダンさん!」


受付の職員が慌てて立ち上がり止める。


「いいじゃねえか、やらせてやろうぜ。魔物にボロボロにされる前に

自分がどれだけ弱いかというのを知るのはいいと思うぜ」


ダンの仲間らしき男が職員を止める。

結局、職員からそれ以上止める言葉は出なかった。

一方、リザは剣を構えるダンを見つめて言った。


「あなたを倒せばいいのね?ところでどこまでやっていいの?」


「あ?」


「死ぬまで?それとも戦闘不能?だけど、戦闘不能というのは難しいわ。

手足を切り捨てればいいのだけどそれだと死んでしまうわけだし」


「なにいってんだ、てめえ。さすがに殺しはしねえよ。

ちょっと痛めつけるだけだ。まぁ、武器を捨てて降参って言えば止めてやるよ」


「わかったわ、それでいきましょう」


そう言うとリザは腰の剣を抜くと消えた。

開始の合図もなく、唐突に。

唖然とするダンだったが、何かを感じ咄嗟に剣でガードした。

『ガキン!』

ダンの剣にリザの剣が当たる。

『ガキン!』『ガキン!』『キンキン!』

猛攻だった。ダンは守るのに精一杯だったが、

一瞬の隙を見つけそこを突こうとした。だが、

「残念ね」

突きは綺麗に受け流され、そして。

「炎剣!」

言葉によってリザの剣は突如燃え上がった。

剣を振るうたびに炎は周囲に散らばる。

あちこちで悲鳴が聞こえるなか、打ち合う二人。

しかし、長くは続かなかった。ダンの剣がリザの炎に耐え切れなかったのだ。

剣はばっきりと折れた。刀身はところどころ溶けている。

剣が折れた後も、リザの攻撃は続く。

まだ、ダンが何も言ってないからだ。

慌ててダンは叫ぶ。


「こ、降参・・・・だ!」


炎を纏った剣がダンの首元の直前で止まった。炎がダンの皮膚を焦がす。

熱さで悲鳴を上げるのを必死に堪える。少しでも動けば、死ぬかもしれない。

リザは剣を戻すと周囲から色々な焦げた匂いが漂ってきた。

ダンはその場で悲鳴を上げて転げまわり体に付いた火を消す。

そこに、ひきつった顔をした職員が来てリザに話しかけた。


「リザさん・・・修理費用のことなんですが」


「なに?向こうが仕掛けてきたのよ?あいつに払わせなさい」


「いや、しかし・・・」


「そういえば、あなた結局止めなかったわよね。なんか説得されてちゃったし、

あなたにも責任あるんじゃない?」


「・・・・彼に払わせましょう。それとですね・・・その剣なんですけど、

今後万が一仕掛けられたとしてもその剣はギルド内で

振るわないでもらえますか?」


「わかったわ。もし次仕掛けられたらジータにやってもらうわ。だけど、

次からは気を付けなさい。私より残りの二人のほうが大変よ?」


そう言って、後ろにいた二人に目配せをする。


「わかりました。大変実力を持った方たちだと周囲に伝えておきます」


「お願いね。それとこの依頼なんだけど」


「は、はい。えーとこれはですね」


まだ、周囲の騒ぎは収まっていなかったが職員は依頼の説明をし

確認を取った後受領印を押して3人を送り出した。









※補足

依頼例

【等級:鉄以上】

【討伐:ゴブリン】

【討伐数:20】

【報酬:リトビエ王国銅貨90】

【備考:討伐の証として左耳を持ってくること】

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