恋愛経験皆無の私に、逆ハーレムはハードルが高すぎる!
@otukimiudon
第1話
『ねぇ、──は僕を選んでくれるよね?』
『おい、こんな腹黒じゃなくて、幼馴染みの俺にしろよ!──に何するかわかったもんじゃねえ』
『え、えーっと……』
『『僕/俺だよね/な?』』
『ごっ、ごめん、私……』
「いい加減に起きなさい、梨菜!」
「はっ、はい!」
お母さんの怒鳴り声が聞こえて、夢心地の状態から一気に目が覚めた。
あぁ、せっかくいい夢を見ていた気がしたのに……。
って、そんなことを言っている場合じゃない!
「ああああっ、寝坊したぁ……!」
ベッドから飛び起き、七時半近くを指す時計を見ては、そう叫んで急いで身支度をする。
私は
昨日は、推しのLIVE配信をリアタイで見るために徹夜したんだけど、そのせいで寝坊しちゃったよ……。
「早くしなさい!」
「い、今行くから!」
お母さんに急かされつつ、急いで部屋を飛び出し、リビングへ向かう階段を駆け下りる。
「ごめん、お母さん!時間ないからご飯食べないで行くね!」
「梨菜、大丈夫?お弁当に何か増やす?」
「大丈夫だよ、ありがとう!」
そう言って、制服についた胸のリボンを直しつつ玄関で慌ただしく靴を履く。
お母さんはまだ少し心配そうな顔をしていたけれど、「大丈夫だから」ともう一度笑って言うと、「わかったわ」と頷いた。
「行ってきます!」
そう言って、私は走って家を出る。
スマホを出して時間を確認すると、もう七時五十分頃になってしまっていた。
うちの学校の
そんな事を考えつつ、更に足を速める。
「あっ、そうだ、近道……」
ふと、学校まで少し早く行ける近道があったのを思い出し、私はそちらの方向へと進む向きを変えた。
コンビニ横の細い道へと曲がり、見通しの悪い路地を次々と走り抜けて行く。
(ここ、暗いし曲がって来る車が見えないから怖いんだよなぁ……)
そう、出会い頭で車とぶつからないかなどと頭の隅で考えては、頭を振ってそれを追い出した。
(早く抜けちゃおう)
そう思い、更に足を速める。
そして、もうしばらく走っている内に路地を抜ける道が見えて来た。
(ここを抜けたら、あとはすぐに着くよね)
そう少しホッとして、最期の十字路に差し掛かった時、
キキーッ
唐突にブレーキ音が鳴り響いた。
左の道から止まりきれずにこっちに来る自動車。
(あ、やば)
そう思った時には、私の体は跳ね飛ばされていた。
恋愛経験皆無の私に、逆ハーレムはハードルが高すぎる! @otukimiudon
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。恋愛経験皆無の私に、逆ハーレムはハードルが高すぎる!の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます