第4話 シイちゃんを好きになった理由

 そう、あれは高校生になったあの日。教室ではいろんな生徒がいた。そのなかでも、ひとりの女の子が誰とも話さずにもじもじとしていた。その女の子を見つめて、あ、ヤバい、一目惚れだ、ってなったワケで。その子に思い切って話しかける私。その子はシイちゃんと言う。いやー、今ではシイちゃんは活発な女の子になったのよ。

「ルノちゃん? 何ひとりでにやけているの?」

「ふえ? えーと、秘密♡」

「さあ、一緒に帰るよ?」

 不思議なものだ。シイちゃんは私と話してから性格が明るくなったワケで。私はそんなシイちゃんのことを好きなワケで。私はシイちゃんと笑顔で帰宅中である。私は嬉しいけれども、なかなかシイちゃんと深い関係になれないのが悲しい。でも、そんなことはもちろん言葉に出来ない。私って片思いなのかな?

「ねえ? ルノちゃん?」

「ん?」

「手、つなご?」

 私はびっくりした。そして、シイちゃんと手をつなぐ。シイちゃんって、よくわからない。けれども、シイちゃんと今手をつないでいる。私もけっこう大胆じゃないかな? うふっ、でも幸せ♡


続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る