その3 春の陽ざし
春の陽ざしは柔らかく
厳しい冬を越した樹々を包む。
賑やかな鳥々の囀りが
梢から耳元へ降りてくる。
雪に覆われていた青草は
ふりまかれる光の乳液に
今屈託なく身を伸ばす。
透明なぬくもりの中で
徐に動き始める生命
生命に注ぐ
春の陽ざしの柔らかさよ。
つるつるてんの桜の小枝が
陽ざしを照り返して
眩しく光っている。
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