物言えぬ旗
「……梓真」
「なんだよ」
「こうやって対戦させれば、本物の銃弾を使わずに、壊し合いしなくてもいいんじゃない……」
「あ? 何言ってんだ?」
「何が楽しくてSCなんてやるのよ。あなたも、輝矢も、あの人たちも……」
いつになく静かな、重い口調。
反論はいくらでもできたが、梓真は黙り込んだ。
これはあくまでも練習試合、模擬戦の模擬戦。SCの意義は現実の戦闘にこそある。
射撃の威力。対する装甲の強度。そこに空気抵抗と重力、コリオリ力等も加わる。
しかし本当の意義――観戦者の大多数が期待するものは、彼女が否定した“壊し合い”そのものだ。
遺伝子レベルで行われる病気の治療、オルターにより消滅した数々の苦役。ストレスは大きく減り、人類は史上かつてない平穏を享受していた。
ゆりかごの世界に刺激はない。人は刺激に飢えた。かつてないほどに――
そんな彼らに与えられた餌が、ロボットバトルに始まる機械人形同士の“壊し合い”と、その系譜だ。
「…………」
梓真は口を結び、意識をフィールドへと戻す。
マルスは荒地を抜け、ぼろぼろのアスファルトに足を掛けていた。その先に鉄の門扉が待ち受け、縦じまの間から工場が窺える。
「理緒、東を警戒しててくれ」
返事はない。梓真も期待していなかった。
錆びだらけの引き戸はレールを軋ませながらもあっさりと開いて、マルスを敷地へと誘う。建物のシャッターは三面合わせて大型トラックほどの幅と高さ。その左のひとつが人間大の高さで開いていた。
梓真は後ろ向きで追ってくるメルクリウスを待って、マルスを内部へ侵入させた。暗視装置の作動とともに、暗がりが緑に変わる。
壁際に布で覆われた作業台、そこから右に等間隔で大型機械が並ぶ。
マルスと同化した梓真は、その光景を息を呑んで見つめていた。
「早く行きなさいよ」
「あ、ああ……」
「もしかして、暗いところも怖いんじゃないの?」
「ば、ばか言え!」
理緒の軽口に、ほっと胸をなで下ろす。怖いのはそこに潜む何か――暗がりが、あの雨の夜を思い出させていた。
梓真は探索を再開し、マルスを右手奥へと導く。メルクリウスも続いた。一歩、また一歩。シャッターから漏れ出る外光を踏みつけるたび、硬質ゴムの足音は、二重奏となってこだました。
それが突如、不協和音に変わる。背後のメルクリウスが走り出したためだ。
「どうした!?」
またも理緒は口を
その足音がふいに止まる。
メルクリウスとは違う、小さな人型がそこにあった。微弱ながらも熱を持ち、沈黙している機械類とはあきらかに異なる。
突然――
「うっ!」
閃光に目が眩んだ。
半瞬遅れで暗視装置が停止する。メルクリウスが発したサーチライトだった。
「しっかりして! ねえ!!」
そこにいたのは全裸の少女だ。埃塗れの機械を背に座り込んでいる。
「ここで何かあったの!? 答えてよ!」
「…………」
スピーカーの呼びかけに、震える手と、虚ろな視線で応える少女。その幼い顔立ちが梓真を驚愕させる。
なぜ彼女が……?
「ヴェル……」
つぶやくように梓真が言葉を洩らす。
(ここに、ヴェルがどうして!?)
「立てないの?」
投げ出した膝がわずかに浮き上がる。しかし、それだけだ。
「バッテリー切れか?」
「完全になくなってたら動かないし、残ってるならしゃべれるはずだよ」
「じゃあ……」
故障としか考えられない。
梓真はその体を確かめる。もちろん、こんな彼女を見るのは初めてのことだった。
ぱっと見、水着姿のような外観は中価格帯のオルターとして標準の仕様だ。
頭と手足の付け根までを人の肌に似せ、胴体は白い硬質の素材で覆われていた。ディテールに乏しい胸のふくらみで、卑猥さを感じさせないようにしている。
しかし、プラスティックの胴体部にも細長い手足にも、不具合を起こさせるような損傷は見当たらなかった。
それなら、異常はAIだろうか?
だが――
(なんだってんだ、いったい……)
一糸纏わぬ彼女の姿は、明確に「オルターであること」を主張して、梓真に嫌悪を抱かせなかった。何より哀れだ。こんな薄汚れた廃工場に裸で転がされる理由などないはず。
その隣では輝矢がマップを食い入るように見つめていた。
「梓真、彼女から信号が出てる」
「あ?」
「フラッグの信号だよ」
「なんだそりゃ?」
「……理緒! ちょっとストップ!」
慌てる輝矢。メルクリウスがヴェルの喉元にケーブルを差し込もうとしていた。
「だって、原因を確かめないと……」
「だめだよ! ウィルスだったらメルクリウスまで感染する!」
「……」
「理緒……」
黙りこくる理緒。だがメルクリウスは止まらず、ニ体のオルターは連結される。
数秒後、
「……外部記憶に何かある。これ、なんだと思う?」
その声を受けて、梓真はメルクリウスと繋がったヴェルの補助ストレージを表示する。その最下層に音声ファイルがあった。
「待って。開いちゃだめだ」
「輝矢……」
「輝矢。おまえがウィルスを確認してくれ。それからコピーだ」
「梓真、いいのかい?」
「……」
「……ウィルスはなさそうだけど」
「理緒。コピーが終わったらケーブルを抜け。そのあとで再生だ」
理緒は無言のまま操作を続け、やがて――
「終わったわ」
「輝矢、頼む」
「……わかった」
カーソルが音声ファイルをなぞると、ノイズのあとに聞き覚えのある声が流れてきた。
『……やあ。驚かせてすまなかったね。私だ、宏敷だよ……』
(ふん、そうだろうよ)
半ば予想の範疇だった。
『この状況に、さぞ混乱しているに違いない。なるべく手短に説明しよう。
ああ、その前に。……もしこれを聞いているのが東稜高の諸君なら、この試合が公平に行われていることをわかってほしい。フラッグがオルターであることも、ウィルスに感染していることも、わたし以外は知らないし、今回の指揮は六角に任せてある』
(感染! やっぱり……)
『さて、今回はフラッグとしてオルターを用意した。少女型なのは、単に軽いからだ。他意はない。
見立てはこうだ。君たちは正義の人質救出チーム。だが、ようやく見つけた人質は衰弱し、生命の危機にある。隙を突かれ、人質を奪われた悪の誘拐組織の魔手をかわし、域外の医療スタッフの下へ彼女を届けねばならない。……どうだ、面白いだろう?』
「面白くないわよ」
『SCとは、いわば現実の戦闘行為の模倣だ。するとフラッグに相当するのはなんだろう? 敵の大将首か? ウラン等の重要物資だろうか? それもある。が、もっとも可能性が高いのは、私は人質だと思う。身代金の取れる、要人や民間人などの。
医療スタッフの準備はないが、その代わりとして彼女のウィルスは、練習区域からの脱出に伴い無効化されるよう設計してある』
(なん、だ……?)
ファイルは終わりではない。
梓真は悪い予感がした。
『……それで、だ。現在このオルターは立つことも困難な状態だが、彼女に接続したことでもう一つのウィルスが活性化しているだろう。それはAIの中枢を
「……!!」
『では健闘を祈る。一刻も早い離脱を』
「ば――」
目の前の光景が、梓真の悪態を留めた。
モニターに殴りかかる理緒を、一歩手前で輝矢が引き止めたのだ。
「ちょっと理緒、落ち着いてよ」
「アタマおかしいんじゃないの! なんなのよアイツはっ!!」
理緒に先を越され、行き場をなくした梓真の怒気は、呼気に代わって吐き出される。
するとわずかに落ち着きを取り戻し、端末を手に取った。
「輝矢、学校にヴェルのこと、問い合わせてみてくれ」
「わかった……けど、梓真は何する気?」
「広敷に電話すんだよ」
しかし――
『お掛けになった方は、電波の届かないところにいるか、電源を――』
「くそ!」
「梓真、こっちも繋がらない」
「わかった、もういい……」
「ねえそれより! どうにかしないと!」
「落ち着けよ」
苛立ちを隠さない理緒の声。その熱さの分、梓真に冷静さが戻る。
「あいつの言葉を真に受けんな。俺らが慌てるのを楽しんでんだよ」
「だって! 万一ってことがあるでしょ!」
「なあ輝矢、もっかい接続して状態を調べるってのは……」
「うん、やるべきじゃない」
「そんな!」
「今度こそ汚染の危険がある。教授の言葉が正しいなら、治療の手段はたぶんないよ。今はとにかく脱出したほうがいい」
「そうだな、そう思う」
「……わかった。……待っててね。今助けるから!」
それは、声すら禁じられたオルターへの言葉だった。
「そいつはマルスが運ぶ。メルクリウスは援護してくれ」
「え? でも――」
「そのほうが速い」
「……わかったわよ」
ゴーグルに、あとずさるメルクリウスが映る。白い体をマルスに譲り出口へと向かう。
シャッターの仄明かりを頼りに、マルスもそのあとを追った。
そこへ、乾いた音が鳴り響く。メルクリウスが最奥のシャッターをくぐったところだった。
「待てっ!」
「何?」
「頭引っ込めろ! 撃たれてんだよ!」
メルクリウスが体を戻すと、再び音が鳴った。
それはシミュレーターが合成した架空の着弾音だ。トリガーを引くタイミングに距離を加算して相手のプレイヤーへと送られているが、現実のその場所には何も聞こえてはいない。
『敵二体、4時方向、二百メートル』
「おせえよ!」
『ゴメン』
しょぼん、とポボスが答える。
(どこだ……)
梓真の目がマップをなぞる。新たな光点は、民家を示す四角い箱にあった。
その間も銃撃が止むことはない。
「どうするの?」
「左腕だけ出して狙いを付けるんだ」
メルクリウスは体を閉じたシャッターに隠したまま、開放されたシャッターに右腕を突き出した。
「見えるか?」
「……」
シャッターは南向き。ゆっくりと、メルクリウスの肘が折れ曲がっていく。ポボスの視界に切り替えると、古びた一軒家が映っていた。
そこに光が現れ、一瞬で消える。直後に響く銃撃音。二箇所の閃光が目に残像を焼きつけた。
梓真は再びゴーグルを切り替え、今度はメルクリウスのスコープをのぞく。
「もっと左だ」
ぐずつく空となびく草。その上をレティクルがなぞると、左から先ほどの農家が現れる。
「ディアナからは狙えるか?」
「いや……」
「じゃあ、そっちは橋の上を頼む。……一機ぐらいは倒してくれよ」
「努力はするけど」
「ポボスは適当に攪乱して逃げろ。無理はすんな」
『ラジャア』
「メルクリウスは二階の奴だ」
「え? ええ……」
どうやら彼女も見つけたようだ。敵は垣根と二階の窓にいた。
梓真はふたたびマルスに映像を戻す。
「攻撃と同時に門まで走る。いいな」
「わかった」
理緒が息を呑む。
「いけ!」
銃撃が轟いた。
小気味の良い三連射のあとにメルクリウスが飛び出し、マルスも続く。
途端、景色に色が帰る。紺色の空に工場を囲うコンクリートが溶け込んでいた。そして前に閃光がほとばしる。メルクリウスが射撃を再開したのだ。
目の端には小さな足が揺れていた。華奢な指、くるぶしのふくらみから腰に至る曲線。
肌色に戻ったそれらは生々しく迫り、梓真はこみ上げる何かを懸命に堪えた。
虚空を追う少女の目。その奥にあるのは――
「ちょっと!」
雷が響いて、梓真は我に返る。
「何呆けてんのよ! 状況、わかってる?」
「あ、ああ……」
状況どころか、マルスの位置すら把握していなかった。目の前には、鉄の扉を前に座るメルクリウスの姿がある。
「……えっと、みんな無事か?」
『ブジ』
「平気よ」
「左腕をやられた」
「……くそっ!」
ディアナは左腕にライフルを装着していた。右腕に付け替えてもいいが、両腕が使えなければどちらにしても精密射撃は不可能だ。
「引き替えにオベロンのライフルも壊したけどね。……おっかしいな、当てられるはずないんだけど……。やっぱズルしてんじゃないの?……だいたい二体一なんて……」
輝矢がブツブツと言い訳を続ける。
『敵三機ハ健在』
「……」
今は工場の塀がマルスたちを守っているが、その先に遮蔽物はない。
思案に暮れる梓真に、理緒が焦れる。
「ねえ、いいから急いでよ!」
「……そうだったな」
だったら運を天に任せるしかない。
「いいか? 500メートルの狙撃は走りながらだと不可能だ。だから威嚇でいい。走ることを優先して林に逃げ込め。いいな」
「ええ」
理緒がうなずき、同時にメルクリウスが立ち上がる。
「よし、いけ!」
メルクリウスが門を飛び出す。そこに銃弾が襲い掛かった。
空気を裂く銃声に、衝撃と警告の音が混じる。ゴーグルはメルクリウスのダメージを表示した。警告は左腕。おそらく次の一撃で完全に破壊される。
「……!」
「走れ! いいから!」
戸惑う理緒に梓真は叫んだ。今は逃げるしかない。メルクリウスは疾走を続け、マルスもそのあとを追った。
銃声は止むどころか、山彦のように繰り返される。
騒がしいのは東の民家だ。二階の明滅が三点バーストのリズムを繰り返し刻んでいた。
(あれがチタニア。……もう一機の、ミランダが撃ってこねえ……。ポボスを警戒してる、のか?)
もう一つの音は陸橋から。間隔を開けた射撃に操縦者の慎重さが伺える。
広敷ではない――そんな気がした。
マルスは揺れるヴェルを抱え、轍の残る狭い農道を駆けていた。左に見えるメルクリウスは、忠告を忘れて連射を繰り返しつつ、腰まである草地に分け入って、敵の射線を塞ぐように並走していた。
理緒の荒々しい息遣いが聞こえてくる。
それに輝矢も気付いたようで、
「理緒、落ち着いて」
「でも……」
恐れているのは試合の勝敗ではなく、ヴェルの安否なのだろう。ここでマルスの足が止まれば、その生存は絶望的になる。
「あのね、撃ちっぱなしにすると、銃身が熱くなって、どんどんと命中精度が落ちていくんだ」
「……え?」
「って、設定なんだよ」
「あ、ああ」
「だから落ち着いて。ほら、もうすぐだから」
「……。うん、わかった……」
理緒の声がかすかに和らぎ、機体は林に辿り着いた。濃緑の木々を抜けさらに進む。いつか銃撃は止んでいた。
梓真は深く息を吐き、それから、
「輝矢。そっちはどうだ?」
「アホみたいに撃ってくる。ディアナが撃てないのがバレたみたい。……退却するよ」
「そうか。……理緒。もう少し南に進んで、それからディアナと合流するぞ」
「ええ」
脱出から十分が過ぎ、ただ流れる景色を見守るだけの時間が続いた。
ふと、マイクがノイズが拾って、梓真はイヤホンを外した。
「風が強くなってきたな……」
森がざわざわと耳をくすぐる。風は冷たく、湿り気を孕んでいた。
「これって、私たちに有利なんじゃない? 私たちは逃げ切ればいいんだから」
「……あー……」
「風向きは弾道に影響しないんだよねえ」
「どうして? リアルなシミュレーションなんでしょ?」
「完璧にやろうとしたら、あちこちに風力計を設置しなきゃいけないし……」
「センサーを付けてないオルターも結構いるからな」
「何よ。せっかく……」
理緒の頬がふくらんで、梓真と輝矢の笑いを誘った。
(こいつ、たまに子供っぽいんだよな)
だんだんわかってきた。普段は背伸びをしているだけで、こっちが地の彼女なのだろう。
(いかんいかん)
あわてて意識を試合に戻す。
「ポボス、敵の動きは?」
『地上ニイタ二体ハ東ニ向カッテル』
「……」
まっすぐ追い討ちを掛けると予想していたが、どうやら向こうも集結を優先し、そのあと橋の上と下から南下するつもりのようだ。消極的とも思えるが、こちらが陸橋を通ると見越しての作戦なのだろう。
それなら、とるべき戦術は一つしかない。
「合流してまっすぐ南へ進む。……そうだよね? 梓真」
「……ああ」
「待って!」
理緒が声を張り上げる。
「このまま、山を登るの?」
「そう……だな」
「それで間に合うの? 残りはニ十分を切ったわ」
「……」
「ギリギリ……」
間に合わない。
「何か方法はないの? ポボスの背中にくくりつけるとか……」
「ポボスの力じゃかえって遅くなるよ」
「……地形を考えたら、陸橋から北に行くのが一番の早道だ」
「それなら……」
「……だめだ……」
「どうして!」
がしゃん、とイスが倒れる。立ち上がった理緒は二人を見下ろしていた。
そこへアズマ、とポボスが呼んだ。
「……なんだ?」
『見テ』
カメラは橋脚の一部をとらえ、二つの人影を大写しにしていた。
『橋ノ南端カラ五百メートルノ位置」
「ああ、わかってる」
敵のニ体が橋上の柵にワイヤーを掛け、橋脚を蹴りながらせり上がっていく。今は脚の中程だが、すぐにも昇り終えるだろう。
「ウィンチかあ。考えたね」
「やつら、橋の上で待ち構えるつもりだ」
「それがどうしたっていうのよ?」
「せめて敵が橋の南端で合流するんなら、僕らにも勝ち目があったんだけど……」
橋の手前なら木々に紛れて接近できる。しかし敵は橋の上での撃ち合いを挑むようだ。
長距離ライフルの数は敵3に対しこちらは1。さらにこちらは「人質」を抱えている。
何より問題なのは、撃ち合いとなれば二十分での脱出がより難しくなることだ。
「マルスの最高速度が時速三十キロで、陸橋の南端から北の脱出ポイントまで約五キロ。移動は最速で十分ってとこかな」
「間に合いそうじゃない」
「敵がいなければね。十分足止めを食らわされたら、そこで終わり」
「……だからって」
「……ウィルスうんぬんが、タチの悪い冗談であることを祈るしか……」
「梓真。合流したよ」
「……よし、じゃあ行くか」
「だめよ!」
理緒が叫んだ。
「もし本当だったら、どうするのよ」
「オルターが一体壊れるだけだ」
「梓真!!」
「どうしろってんだ! この試合に俺たちの今後が掛かってんだぞ!」
「……」
彼女が口を閉ざす。そこまで言われては、新参者の出る幕はない。
言い返せるのは輝矢ぐらいだ。
「ふーん。つまり梓真は迷っているんだ」
「なんだよ、おまえが言い出したんだろ。俺はおまえの考えに賛成したんだ!」
「本当に?」
「……なんで……」
「わかるよ。梓真はそれで後悔しない?」
「……」
「本当はどうしたいの? 彼女を助けたいんじゃない?」
「……おまえは…………ああ、そうだよ!」
「SCCがなくなるかもしれなくても?」
「ああ! そうだ!」
「なら、考えよう。彼女を助ける作戦を」
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