第10話:成宮賢のソニー入社とソニー株を祖父から送られる
それは、すごいと思い、その気になった会社こそアップルだ。1977年、休暇で日本に帰ってきた成宮照子に成宮時達はソニーに入って世界最高の物作りを一緒にしないかと話すとソニー・アメリカなら入ってても良いと言った。そこで、わかったと言い1977年12月、ソニーで試験と面接を受ける機会を与え合格した。そしてアメリカのニューヨークのソニー・コーポレーション・アメリカに入った。
その後ソニー製品の販売担当をしてチームで米国国内を飛行機で回り、交渉に当たった。その後、同じ会社営業部で一緒に米国を営業して回っていた、アイルランド系の米国人、トム・サンダースと仲良くなった。1979年、正月休みに日本に、彼を連れてきて両親と祖父に会わせて結婚の承諾をもらった。1977年かねてから注目していた、孫の成宮賢にソニーに入らないかと誘うと良いよと言った。
でも特別待遇ではなく普通に入社するという条件で入社した。彼は、コンピューターに興味を持っていた。特に1977年に発売されたアップルⅡに興味を持っていた。ソニー入社するにあたって1つだけ条件をつけた。それは発売されたばかりのアップルⅡを買ってもらう事だった。それに対し成宮時達は、どうしても優秀な成宮賢の頭脳が欲しくて、その条件をのんだ。
1977年6月10日に1298ドル・当時・円換算で30万円で4KBのRAM・最大64KBまで増設可能、専用のモニタは別売りで発売され・日本では7万円程、専用モニターとRAMを増設し、総合計100万円で成宮賢に買い与えた。しかし、この話は、家族にも会社にも内緒で成宮賢と成宮時達、2人だけの秘密にして、誰にも言わなかった。
その当時、いずれ入社後1978年4月からアメリカで、でかい仕事をしたいと、入社した1977年4月から、成宮時達に、費用を出してもらって、米国人とマンツーマンで、英語を特訓。1年で、マスターし、トーイックでも高得点を取り、完璧に英語を話せる様になった。
成宮賢は、仕事を見事に、こなして行き、ソニー入社4年目、1980年3月注目株として、社内でも1目、置かれるようになった。そして、成宮賢、入社の年のボーナス20万円と同金額20万円を成宮時達をプレゼントされ合計40万円で1株100円でソニー株・4千株を購入し。その後、新製品開発の情報収集のため、ソニー・アメリカに派遣された。
そして、早速、かねてから、尊敬するアップルのスティーブ・ジョブズに、ソニー・アメリカの成宮賢で、あなたに是非、会いたいと電話を入れると、1980年5月11日、面会の約束を取り付けた。会って、握手した。その後、成宮賢が最近、アップルⅡを、多分、日本で最初に買ったと言い、その性能の良さを褒めちぎった所、喜んでくれ、同年齢と言うこともあり、すっかり親しくなった。
すると、ジョブズが、私は、禅が好きで、その勉強をしたと伝え、ソニーの盛田昭夫社長を尊敬していると言った。ジョブズが饒舌に、これからもソフトウェア、映画など積極的に挑戦して行くから注目してくれと言った。それを聞いて、成宮賢が、それなら、アップルの株でも買おうかなと言うと是非、買って、我が社の株主に、なってくれと言った。
また、アップルや私の講演会、商品発表会の招待状を送るから来てくれと言ってくれた。1980年6月にアップル・ユーザーの会合に出席しスティーブ・ジョブズの講演会を聞いた。その中で、「10人の人間が1台のコンピューターを使う」のではなく、「ひとりの人間と1台のコンピューターが出会う時、とても特別なこと、歴史的に見てもいままでと大きく違うことが起きる」とジョブズは語った。
更に、コンピューターをシリコンヴァレーのもう1つの名物である「自転車」の様に人間の移動能力を増幅させる、直感的で、使い方を簡単にマスターできるツールになるべきだと話した。独創的なアップル製品の創造だけでなく、双方向的なソフトウェアや動画、アニメーション、グラフィックスなど未来のコンピューターを定義づける技術の数々に言及していた。
これには、驚いて、講演後、興奮した成宮賢は、思わず、素晴らしい講演だ、とたたえ、握手を求めた。すると、スティーブ・ジョブズ、そして、成宮賢に「ソニーで、良い仕事をしろよ、期待してるぞ」と言い、最後は、お互いに、ハグして別れた。すっかり興奮した成宮賢が、翌日の夜、姉の成宮照子に、その話をすると、ジョブズって、気むずかしい人って聞いていたけど、良く親しくなったわねと言った。
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