第6話:ジョブズ人生とウォズニアック出会い

「ここでジョブズの権威に弱いタイプでない事が明らかになっていく」

「この頃の事をジョブズは、これ迄とは比べ物にならない程多くの権威に直面」

「嫌だった、好奇心の芽を全部つまれて、危うくつぶされる所だったと話した」

「退屈な学校をジョブズは、いたずらで紛らわせていた」


「学校にペットを持ってこようというポスターを作って、あちこちで犬や猫を走らせて先生を困らせたりもした」

「友達から自転車の鍵の番号を聞き出し、そっと抜け出して鍵の番号を変えて自転車にのれないようにもした」

「3年生になるといたずらはエスカレート」


 女の担任の先生の椅子の下に爆薬を仕掛けてみたりもした。当然ジョブズは何度か家に帰される事があった。学校から何を言われても父親はジョブズを責めなかった。「この子が悪いんじゃないでしょう、授業を面白いと思えないのは先生方の問題ですと父親は言った」


「ジョブズも学校で何かしたからといって怒られた記憶はないと話してる」

 4年生になるとイモジーン・ヒルという活発な女性が担任になった。

「彼女はジョブズの様子をしばらく見た後、この子には、にんじんをぶら下げるのがいいと考えた」


 彼女は算数の宿題をジョブズに出し、それをやってきたら大きなアメをあげると言った。そして、できが良かったら5ドルあげると言った。これはジョブズには効果的であったようで、数ヶ月すればにんじんは、いらなくなったようだ。

「あの先生ほど多くを教えてくれた先生はいない」

「彼女と出会わなければ僕は刑務所行きだったよとジョブズも話す」


 4年生の終わりにジョブズに特別なもの を感じたヒル先生が知能検査を受けさせたところ高校2年レベルの成績が出た。学校から2年の飛び級を進められたが両親が心配したことによって1年だけ飛び級した 。この飛び級はジョブズにとってつらいものになった。年の違う子供たちの間に放り込まれ孤立した。


 しかも6年生からは中学になり学校も変わった。この学校は移民が多く治安が非常に悪かった。ここでジョブズはいじめられることが多くなり7年生の半ば、ついに両親に最終勧告を告げた。

「もっといい学校に行かせてくれ。駄目なら、もう学校には行かない」


 家庭は、かつかつであったが、両親はジョブズの要求をけることはしなかった。そしてジョブズ家は5キロほど離れたサウスロスアルトスに引っ越した。中学を卒業したジョブズはホームステッド・ハイスクールに進学した。学校までは15ブロックほどあったが、歩くのが大好きだったジョブズは歩いて登校した。


 この頃のジョブズのいたずらはエレクトロニクス系が多くなった。家中にスピーカーを設置した事もある。スピーカーはマイクとしても機能するので自室のクローゼットを制御室として別室の音が聞ける様にした。ある晩、ヘッドフォンをつけて両親の寝室の様子を伺っていた所を父親に見つかり大目玉をくらったこともあるそうだ。


 この頃、ジョブズは近くに住むエンジニア、ラリー・ラングのところにもよく通うようになっていた。夢中になったカーボンマイクやヒースキットについてラングに教えてもらった。ラングの紹介でヒューレッド・パッカード社の「探求クラブ」にも参加するようになった。


 「探求クラブ」とは毎週火曜の夜に会社の食堂で学生が15人ほど集まり、毎週どこかの研究所からエンジニアを呼び、どんな仕事をしているのか話を聞く会であった。「天国にいるようだった」とジョブズは言う。「探求クラブ」では自分でものを作ることも推奨されておりジョブズは周波数カウンター作っていた。


 この事がきっかけになり、ジョブズはヒューレッド・パッカード社の周波数カウンター工場でアルバイトをはじめるようになった。この周波数カウンターの知識を武器にジョブズは様々な商売をし15歳の時にはじめて自分の車「ナッシュメトロポリタン」を手に入れた。


「自分で金を稼いで貯めて欲しい物を買うのは素晴らしいと思ったよ」とジョブズは話す。高校2年生~3年生の間にジョブズはマリファナを始めた。ある時はマリファナを愛車に置き忘れて父親に見つけられることもあった。

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