29・明かされた過去

 ここはどこだろう。あたしはどうなってしまったんだろう……。


 目を開けると、青い空が見える。そして果てなく続く美しい草原……。

 銀髪の男の子が走って来る。白い翼を背に、ブルーの目を輝かせて。あれは、エドガーだ。まだ、3~4歳くらいのエドガーだ。

 エドガーを追いかけて、同じ年頃の男の子と、まだ歩き方のおぼつかないもっと小さな男の子と女の子もついてくる。

 ああ、今とは全然違う姿でも、すぐに解る……笑って走って追いかけっこをしているのはレガートさま。あとをついてくるのはシャルムさまとカステリアさま。そしてもうひとり、レガートさまと同じ髪と目の色をした女の子は、たぶん、亡くなった妹のリリアンヌさま……。

 空は澄んでどこまでも青く、子どもたちの笑い声が弾ける。世界は眩いばかりの光に満ちて、悪い事があるなんて想像も出来なくて、ただただ明るい未来ばかりが見える……そうだ、これはきっと、幼いエドガーの感情。


「ちちうえ!」


 ちっちゃいエドガーはぽすんと男の人に抱きついた。国王陛下だ。今より少し若いくらいかな? 今は30代後半のお姿で加齢を止めてあると聞いた気がする。

 国王陛下は笑ってエドガーを抱き上げられた。エドガーは笑い声をあげて陛下のお髭のある頬に顔をくっつける。


『屈託のない明るいエドガーさま』


 その言葉を聞いた時には、想像も出来ないと思ったけれど……あたしの知っていた最初のエドガーは、皮肉屋で苛立っててすぐ怒って、誰も信じてなくて……でも、今、この幼いエドガーはそうだったんだなって判る。


「エドガーさま! あー、またおいつけなかった!」


 って後を駆けて来るレガートさまたち。

 エドガーは陛下に抱かれたまま、誇らしげに笑って、


「ぼくはいつかちちうえのあとをついで、ちちうえみたいなりっぱな王さまになるんだからな! だれにもまけられないんだ!」


 って言った。そうだよねー、エドガーさますごーい、なんて子どもたちは笑っていたけど、陛下のお顔は僅かに曇った。


―――


 青空は急にかき消えて、曇り空になった。

 場面は室内に変わり。


「そんなの……そんなの納得できません! なんで、なんで兄上なんですか?!」

「シャルム……」

「立ち聞きなんてはしたない真似を」

「そんなのどうでもいいでしょう? なんで? 兄上はあんなに頑張っているのに! なんでたった20歳で死なないといけないんですか?!」


 シャルムさまと国王陛下夫妻。シャルムさまは7歳くらいだろうか。

 王妃陛下は顔を背けていて表情は見えない。国王陛下は泣いているシャルムさまの肩に手を置いて、その目を覗き込みながら仰る。


「死ぬんじゃないんだ、天界の全ての天使の為に担う大事なお務めなんだよ」

「シャルム。わたくし達天使は人間界を護る為に存在しているのです。誰かが御神の手足となって円環を回さないと、人間は滅びる。だから仕方がないのです」

「でも、兄上じゃなくたっていいじゃないですか! 母上!」


 幼いシャルムさまの感情の爆発が……怒りと悲しみが、あたしの悲しみと重なり合う。


「四百年おきに、贄の王子は交代する。五王国の新王が順番で……次は我が国の番なのだ。定めを変える事は出来ぬ……」

「エドガーは20歳の誕生日に王位を継ぎ、そのまま円環へ旅立ちます。形だけの即位……すぐに王冠は陛下に返されますが、その次の王はあなたなのですよ、シャルム。もう少し年長になってから話すつもりでしたが、知ってしまったからには、そういう意識を持ちなさい。王となる者は、私情に流されてはいけません」

「いやだ! 僕は王さまになんてならない! ずっと兄上のお手伝いをして生きていくと思っていたのに! 兄上がかわいそう。ねえ、父上、僕じゃ駄目なの? 僕が兄上の代わりに!」

「贄の王子となる為に、エドガーは誰より多くの魔力を持って生まれたのだ。おまえでは足りない。それにそんな事をエドガーが喜ぶ筈がなかろう。シャルム……エドガーもそなたも、どちらも可愛い我が子なのだ。私だって……。誰が好き好んで、我が子にそんな運命を負わせようとするだろうか……」

「陛下。何という事を仰るのです。円環の贄は誉れ高きお役目ですよ」

「母上は! 悲しくないんですか? 兄上のこと……愛してないんですか? 元気に楽しく生きて欲しいって……思わないんですか?」

「……思ったって、無駄です。誰も運命には抗えません。それよりシャルム、まだこの事をエドガーに話してはいけませんよ。12歳までは、普通の子としていて貰う予定なのですから」

「そなたも辛いだろうが、エドガーの為に、知らなかった事にしていて欲しい。頼む、シャルム……」


 ああそうか……いつかレガートさまが仰ってた、『子どもの頃は、エドガーさまの方が明るくて気さくで優しくて、シャルムさまの方が、いっつも何かに怒ってるみたいに割と乱暴で』って、このせいだったんだ。

 こんな小さな子に、『運命が大好きなお兄さんを贄にする』なんて納得できる筈がない。でも、誰にも言えなくて、運命に対して怒るしかなかった……。


―――


 また場面が変わって。

 大勢の天使が雨に濡れながら大声で叫んだり飛び回ったりしてる。


「リリアンヌ! リリアンヌ!」


 夜空に男の子の悲痛な叫びが響く。あれはレガートさまの声……。


「急に樹が倒れてきて……リリアンヌさまの真上に!」

「根元が腐っていたんだ」

「早く、早くどけるんだ!」


 樹の下から引き出された小さな少女天使の亡骸は、涙のような雨に打たれて。


「駄目だ、頭を直撃してる……」

「リリアンヌ? 嘘でしょ? 目を開けて!」


 妹に泣き縋るレガートさまに、父親の天使長さまが、


「何故、こんな時間に外に。雨も降っていたのに」

「父上……すみません。リリアンヌは、昼間にシャルムさまに叱られて……さっき、この間から編んでいた編み物が出来上がったので、こっそり渡しに行って謝りたいと……だから、僕が付いて……」

「馬鹿者! 何故止めなかった!」


 殴られるレガートさま。胸が痛いよ。

 そこへ、


「リリアンヌ!」


 駆けつけたのは、エドガーとシャルムさま。


「レガート……僕の、せい?」

「違います、シャルムさま、僕が悪いんです。明日でよかったのに……僕がちゃんと言い聞かせていれば!」

「リリアンヌは何も悪くなかった。僕が八つ当たりして……」


 シャルムさまは項垂れて、幼馴染の少女の手を握る。こんなの、悲しすぎる。親の目を盗んで、夜のちょっとした冒険。あたしみたいな村娘と違って令嬢なんだから、リリアンヌさまはかなりお転婆なお嬢様だったのかも知れない。だけど、同じ王城の中だから、危険なんて誰も想像しない。なのに……。


「昼には笑ってたのに……もう動かない……ごめん、ごめんね、リリアンヌ……」


 シャルムさまの涙は顔に降りかかる雨と共に流れていく。レガートさまも天使長さまもエドガーも、集まった皆が泣いている。


「シャルムさまのせいじゃないです。僕が付いてれば大丈夫、なんて考えで……」


 頬を腫らしたレガートさまがシャルムさまを慰める。

 その時、エドガーが、ぐいっと自分の涙を拭って言った。


「やめろよ……そんな、二人ともが自分のせいにしたって、リリアンヌは喜ばないだろ……。誰のせいでもないよ。運命のせいなんだよ」


 シャルムさまも、周囲の大人たちも、エドガーのその言葉に、はっとしたような表情を浮かべる。レガートさまだけがまだエドガーの運命を知らなかったみたいで、よくわからない、といった風に首を振って泣いてた。


―――


 また、場面が変わる。


「うそ……うそ、そんなの嫌です!!」


 泣いているのはカステリアさま。10歳くらいだろうか? 隣にはレガートさま。


「そなたはエドガーさまの婚約者になるのだから、そろそろ聞かせておこうという判断だ。ふたりとも……最後までエドガーさまのお傍近くにある者として、重要なお務めを控えたエドガーさまに対し、冷静に接してお助けせねばならない」

「エドガーさまは……ご存知なのですか?」


 レガートさまはカステリアさまより一歳年長だからか、取り乱したりはしていない。でも、その声は微かに震えてる。天使長さまと、カステリアさまの父君らしき方は首を横に振って、


「まだだ。エドガーさまは来週12歳の誕生日をお迎えになる。この日に、国王陛下がお話しされる事になっている」

「そんな、酷い。エドガーさまだってわたくしたちと変わらない……おとなではないのに!」

「しかし、贄の王子は12の誕生日までは、運命を知らずに過ごせるというのが古来からの定め。その後は、数年かけて、お務めの大切さを学んでゆくのだ。その日が近くなってから知らされても、混乱するだろう?」

「でも!」

「カステリア。贄の王子の妃となって、円環の儀までに御子を宿せば、そなたは国母。そして、特別に、再婚も許されるのだ。我儘を言ってはならぬ」

「我儘ですか。エドガーさまをそんな犠牲にしたくない、というのは我儘なんですか?」


 カステリアさまはご自分の父上に喰ってかかってる。でも父上が答える前にレガートさまが、涙ぐみながらも、


「カステリア……一番辛いのはエドガーさまなんだ。僕ら……代わって差し上げる事は出来ない。だから、無理にでも笑って普通にしてようよ。僕らが泣いたってエドガーさまは喜ばれない……」


 って諭された。だけどカステリアさまは、


「レガート、あなたまでそんな事を言うの? 信じられない……わたくしは受け入れられない!」


 って泣きながら走って行ってしまった。


 そして、事件は起きる。


「エドガーさま! エドガーさま!」


 雷雨の中、カステリアさまはびしょ濡れのまま飛んで、エドガーの部屋の窓を叩く。


「……! どうしたの、カステリア! 風邪をひくよ!」


 エドガーが窓を開けると、風雨と共にカステリアさまは部屋に飛び込む。


「はしたない真似をしてすみません。でも、わたくし、どうしても……」

「なんで泣いてるの。とにかく身体を拭いて……」

「そんな暇はないのです。エドガーさま、わたくしと来て!」


 そう言ってカステリアさまがエドガーに押し付けたのは、魔力を帯びた宝剣。


「なにこれ……」

「わたくしの父のものですが、勝手に持って来ました。なんでも、これで地面を斬れば、真穴が出来るのだそうです」

「真穴?」

「そうです。それで、人間界へ行きましょう。逃げるんです、一緒に。もし途中で追手がかかったら、わたくしが防ぎます」

「待って、どういうことなのかさっぱりわからないよ。どうして人間界に逃げなくちゃならないの? 何から逃げるの?」


 エドガーはまだ話を聞いてないのだから、カステリアさまのしようとしてる事が理解出来る訳がない。でもカステリアさまも子どもだし、焦ってばかりで、エドガーの反応がもどかしいばかりみたいで。


「いいから、お願いです、来てください! エドガーさまが殺されちゃう……」

「そんな物騒な事がある訳ないよ。どうしたの。心配事があるなら、おとなに相談を……」

「だめ、おとなは誰も信用できません!」


 カステリアさまの剣幕に、エドガーは遂に押し切られて、訳がわかってないまま、宝剣を押し付けられ、外に連れ出される。ふたりの子どもは、雷雨の中を飛んでいく。お城から離れた場所に真穴を作る為に。

 でも、お城の警備は子どもが考える程甘くはない。ふたりの不在はすぐにばれて、あっという間に騎士たちに見つかって連れ戻される。


「カステリア! そなたは何という事を仕出かしたのだ! この大馬鹿者!! 贄の王子が逃げ出すなど、歴史始まって以来、聞いた事もない!」

「だって、だって……」


 父上にぶたれても、カステリアさまの涙は多分、エドガーを逃がせなかった為のもの。


「大事な御身体なのに! こんな日に外へお連れして、病気にでもなられたらどうするのだ!」

「大事な御身体って! それは、エドガーさまを思ってのお言葉ですか。それとも、贄の王子が大事だから?!」


 カステリアさまはつい、言ってしまう。エドガーの前で、言ってはいけない事を!


「……贄の王子、って、なに?」


 ぽかんとしてエドガーは尋ねた。


 そして、カステリアさまは一年間の謹慎処分になって、エドガーは少し早めに、自分の運命を国王陛下から聞かされる事になった。

 でも。

 普通は、『円環の贄はとても誉れあるお務めだから、そなたにしか出来ない事で、世界中が救われるのだから』と言われれば、12歳の王子は、そういうものかと思うらしい。

 けれど、元々天使の子どもは大抵、あまり『死』を実感していない。寿命が長いので、死期の近い古い天使と子どもが関わる機会は少ないし、寿命以外で死ぬ天使というのが殆どいないから。だけど、エドガーは、リリアンヌさまの死を知っていた。突然世界から消えてしまう事。

 そして、カステリアさまのお言葉が、逃げ出して捕まった事が、エドガーの心を裂いた。

 みんなが自分に優しくて、自分もみんなを大好き。立派な王さまになって、みんなを幸せにして、人間界も護っていきたい……そんな明るい気持ちで生きて来たのに、


『贄の王子が大事だから?!』


 みんな、自分を見てた訳じゃなかった。家族も友人も周りの人たちもみんな……自分じゃなくって、『贄の王子』が必要だっただけ。必要だから優しくしてただけ。だから、優しかった騎士たちや大臣たちも、みんな怖い顔で自分を捕まえた……。

 愛していた、護りたかったものは、自分を愛してなんかなかった。

 本当はそうじゃないのに、12歳のエドガーはそんな風に思った。信じてた世界が、壊れた……。

 エドガーは何日も部屋に籠って、出て来た時には、笑わない少年になっていた。

 両親も誰も、世界中を信じられない。こんな世界なんか護りたくないのに、お務めの贄にならなければならない。

 徐々にシャルムさまとレガートさまは近づけたけれど、本当に二人を信じたからじゃなくて、独りが耐えられなくなっただけ。だって、20歳までは普通に生きていかないといけないのだから。

 そして、発端であるカステリアさまに、心の中でこうなった責任を押し付けた。あいつが勝手な真似をしなければ、と。本当はカステリアさまが誰よりも無茶をしてでも、エドガーを助けようと、純粋な気持ちで動いたのに、心の奥では解ってたのに、カステリアさまの顔を見る度、トラウマになったカステリアさまの叫びが心に甦るから、謹慎が解けたカステリアさまを避け続けた……。


―――


 そしてまた場面は変わって、青空……。


 なんだろう。何故、あたしはエドガーの過去を見続けているんだろう。あたし、なんにも知らなかった。愛してるなんて言いながらも、別れを恐れていても、いまが幸せならばいい、なんておこがましい事を言って、夢を見ていただけだった。エドガーはこんなものを背負って、それでもあたしを愛してくれていたのに……。


 丘の上に、あたしの知ってるエドガーがいる。疲れた不機嫌な顔で、大きな樹に寄りかかっている。

 そこへ、上から小さな光が落ちて来る。エドガーは反射的に両手でその光を受け止めた。光は徐々に輝きを失って、小さな娘の姿になる……。エドガーは、首根っこを掴んで、


「なんだ、おまえは? こんなモノ、初めて見るぞ。どっから来た?」


 未知のものへの興味。険しさが緩んで、柔らかな目つきになる。

 ……でも、目を覚ました『あたし』は、覗き込んだエドガーの鼻を思いっきり蹴って……。

 あたしたちの出会い……。


―――


「エアリス!!」


 エドガーの声で、あたしは目を覚ました。うっすらと目を開けたあたしを、エドガーは抱き締める。


「あたし……どうなってたの?」

「そなたはお城の中庭の茂みに倒れていたのですよ。どこも悪くないのに、何日も目を覚まさないから、とても心配しました。よかった……」


 と、傍でカステリアさまの声。


 あれは、夢だったの? いや、違う。あたしはエドガーの過去を辿ってた。あれは本当に起こった事なんだって、何故か確信できる。


「エドガー……ごめんなさい。あたし、なんにも知らなくて……」

「なんにも知らないおまえを俺が望んだんだ。結果、おまえをこんなに苦しめた。どのみち、いつかこうなるって解っていたのに……エアリス、すまない……」

「なんで謝るの? あたし……エドガーの苦しみを全然わかってなかったのに」

「おまえが俺の苦しみを解る必要なんてないよ。俺はおまえが幸せだって言ってくれて、幸せになれた。それで充分なんだ……」


 エドガーは泣いてる。子どもの時みたいに。


「なんで泣くの? あたしは……エドガーがどんな状態だって、エドガーを愛してるよ。あたしの所為で泣かないで」

「愛してる? 本当に? 俺は、おまえをいまも、幸せに出来てる……?」


 エドガーにとって、『愛される』という事は、『愛して相手を幸せにする』という事。

 贄の運命を知ったエドガーは、この天空の世界の全ての住民は、自分の運命を知っていて、憐れんでいるから……近い将来に死に別れると分かっているから、愛しても幸せにしてあげられない、と思い込んでた。だから、自分は誰も愛してはいけないと決めてた。だけどそこに、なんにも知らないあたしがやって来て、少しも気の毒がらずに接した。それが、みんなが言ってた、エドガーの癒し……。

 誰かを愛するのに、資格なんか要らないのに、エドガーは優しすぎる。


「いまここにエドガーがいるだけで、あたしは幸せだよ。こんなに愛する事が出来て、あたしは幸せだよ。だから、エドガーも、あたしだけでなく、みんなを愛して? そうしたら、もっと、幸せになれるかも……」


 どんなに言葉を紡いでも、運命は変わらないのかも知れない。でもあたしはそう言わずにいられない。もう、結婚の事とかどうでもいい。生きているエドガーと一緒にいる、いまの幸せ。それは、いつかなくなるとしても、永遠になくならない……あたしの心の中からは。

 どうするかは、これから考えよう。ないかも知れない希望の光を探すんだ。でもいま、あたしはエドガーの腕のなかにいる。いまは、その事だけを、考えていたい……。

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