第11話  日々日常  野外活動 Ⅱ

 今日もお天気快晴だね。

 お空も澄んでめっちゃ青いし雲は一つもない。

 街は活気に満ち溢れ、新鮮で美味しい物が沢山売ってるやん。


 前世でも余り遊び回った事がなかったけれど、それでもよくスーパーや市場で新鮮な物や美味しそうな物、それに「試食にどうぞ」って所謂新製品(食べ物限定)はめっちゃ楽しかったなぁ。


 それにさ、新鮮で美味しい物が安価で並び、それを楽しくお買い物が出来る。

 安心して生活が営めるって事はとても尊い事だもん。


 そして前世同様この世界でも戦争はなくはない。


 この世界の大国の一つエイズヴァ―ン帝国は色々と各国に手を伸ばせば次々と属国へと加えているらしい。

 然もセディーと同じとしの皇帝が即位した途端、彼の国は益々以って強大で厄介な国となったんよ。

 その厄介な国はなんと我がラインフェルトのお隣さんだったりする。

 そして誰しもが思うのは……ラインフェルトここもヤバいんじゃないかって思うでしょ?


 確かに……だけれども今の所は大丈夫。


 何でも数代前のラインフェルト大公の許へ、まだそこそこに中くらいの国だったエイズヴァ―ンから皇女が嫁入りしたの。


 所謂政略結婚って奴よね。


 その婚姻による同盟なのだけれど、元々ラインフェルトうちは戦争向きの国じゃあなく、癒しを主とする白魔導と農業で成り立ってる平和な国だからしてエイズヴァ―ンより属国でなく永久に対等でいられるとして交流しましょうと言う事になったらしい。


 まぁエイズヴァ―ンあちらさんにしてみてもよ。

 戦争ばっかりしているからね、医療に特化したラインフェルトうちと仲良くしておくのは何かとお得なのでしょうから……ね。


 セディーだって父様が倒れられる少し前までエイズヴァ―ンへ留学していたんだもん。

 んでもって現皇帝とお友達になったらしい。

 色々話をしてくるんだけれどイケメンって聞いた途端――――興味は完全になくなったわ。

 だからどんな人かはわからない。


 知りたくもないし、第一知る必要もないからね。


 それに私はだからっ!!


 まぁそんなこんなと考えてる間に一軒の小さなお家の前へと到着する。

 豪華なお家じゃないけれど、でもこざっぱりとしていて私としてはこっちの方が何とも落ち着くんだけれどさ。


 コンコンコンコン


 扉をノックすれば……。


「はい、どなたですか?」


 木製の扉がゆっくりと開いていく。

 ひょこんと最初に見えたのは頭一つ遠慮がちに出し、長い亜麻色の髪を三つ編み一つ。

 その三つ編みをくるくると巻いて後頭部でパチンと綺麗に纏めていた。

 実に清潔そうで好印象だ。

 茶色の瞳をオドオドさせながら出てきたのは、この家の一人娘であるエイミーだ。


「わぁ、フェティー様っ、フェティー様だぁっ」


 ぱああぁぁぁと私を見た瞬間一気に表情が明るくなる。

 めっちゃ可愛い笑顔だよ。


「こんにちわエイミー、マリエンヌはどぉ?」


 つられて私達三人も笑顔になるのはご愛敬。


「はい、大分元気になりました。食事もちゃんと食べられるし顔色も良くなって、本当にフェティー様のお陰です。何時も有難う御座います」


 そう言ってエイミーは深々とお辞儀をしてくれる。

 そんな事どうでもいいのに……。


 これでも、いや失礼ですねすみません。

 エイミーは魔法学院マグナ・スコラの中等科で白魔術を学んでいる。


 魔法学院で学ぶのは様々な学問もだし白魔法は当然。

 小等科、中等科と高等科に大学院と、少し日本と似たシステムだけれど内容は全く違う。


 年齢によって何処かに決まるのでなく、より多くを学びそうして単位を得た者だけが次へと進級出来るのだ。

 だからエイミーは現在12歳、日本だったら小学六年生だけれど実際に彼女は中等科でも上位のランクで学んでいる。


 将来楽しみな学生だよ。


 そして小等科に大人がいたり、大学院に子供がいてもである。

 それは何も不思議じゃあないワケ。


 何故ならその人個人に応じた教育をなされるのが魔法学院何だから。

 因みにサムは中等科の真ん中辺り……だね。


「さてとエイミー、マリエンヌを診せて貰うね」


 そう言って私達は家の中へと入って行った。

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