第2話

?!


彼女の持つ段ボール箱にいたのは

小さな息絶えだえな子猫だった。


この雪の中昨夜からずっと何もなく

ただ段ボール箱に捨てられていたのか?


子猫は小さな身体で

右目にくっきりと傷痕がひとつ。

人間を、、、恨んでいるのか?

子猫は今にも閉じてしまいそうな目で

僕を必死に左目で

睨みつけているように見えた。


僕は困り果てた彼女をみてというよりは

今にも息絶え絶えな子猫を見て

つい言葉を発した。


その子猫、どうしたんですか?!


彼女は僕が話しかけた事に一瞬

戸惑った様子だったが

すぐにこう答えた。


この子、今来たらこんな状態で、、、

どうしよう、、死んじゃう、、、

彼女の声は明らかに今でも泣いてしまいそうな

か弱い声だった。


僕は抵抗できない子猫をサッと優しく自分のマフラーに包みこみ彼女にこういった。


大丈夫です、まだ間に合います。

すぐに病院へ連れていきましょう。

近くに知り合いの獣医がいます。


彼女は僕のとっさの行動に驚いたようだが

ハッキリと私も行かせてください!

と答えた。


内心ドキッ!としたが

今はそんなことは言っていられない。


僕はスマホを手に取り

彼女に手渡す。


僕の名前はつきかげあきとき!

時間がない!

遥先生に僕の名前と今の状況を伝えて!

君は後からハルカゼキ病院を調べてきてほしい!

漢字はこれ!陽香関! 

じゃあ僕は先に走っていくから!

足元に気をつけて!  


彼女はただはっはい!とだけ頷いた。


そう残して僕は境内を駆け降りた。

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