第71話 告白②

「ッッツ!!」


 目の前にいる灯が息を呑んだのが分かる。


 周りには人がいなくて、波の音が妙に大きく聞こえた。


「俺は灯が大好きだ。 笑ってる顔を見ると元気になるし、一緒にいると幸せなんだ」


「……っ」


「少し抜けてるところも堪らなく可愛いし、そんな灯が可愛くて一人占めしたくなる」


「うん、うんっ……!!」


「こんなに待たせて何言ってんだって思うかもしれないけど、俺はもう、今の関係以上になりたいんだ。 恋人に、なりたいんだ……!!」


「ゔんっっっ!!!」


「だから俺と付き合ってください!! 絶対、絶対に幸せにしてみせるから!!!」


 俺は声を震わせながらもしっかりと告白することができた。


 途中から灯が泣いてるのを見て、少し俺も泣きそうになったけど、なんとか耐えることができた。


 ………待たせたけど、しっかり自分の思いを伝えることはできたな。


 俺たちの間に沈黙が流れる。


 しかし、その沈黙は長くは続かなかった。


「泉っっっ!!!」


 灯が俺の名前を呼びながら抱きついてくる。


 胸の辺りにトンッと衝撃がきて、俺は無意識の内に灯の頭を優しく撫でていた。


「私っ! 私も泉のことが大好き!! 面倒見が良くて、優しいところが好き!! 話していて楽しいし、泉が笑ってくれると心がポカポカするの!!」


「うんうん」


「私も泉のこと一人占めしたい。 今以上の関係になりたい!!! だから、だから私を泉の彼女にしてくださいっ!!!!」


 灯は涙を流しながらぎゅーと俺のことを抱きしめる。


 それに対して俺も、灯のことをぎゅっと抱きしめるのだった。


「なら俺の彼女になってください!!」


「ゔん、私、泉の彼女になるっ!!」


 それを聞いて俺は心の底から笑みを浮かべる。


 すると、俺の笑みを見たからか、灯は更に泣き始めた。


「ちょっとなんで更に泣き始めるの」


「だって嬉しくてぇぇぇぇ!!」


「そんなの俺だって嬉しいよ!!」


「うぇぇぇぇん!! じあわせだよーーーー!!」


 灯がとにかく泣く。 それに合わせてか、どんどん抱きしめる力が強くなってきた。


 しかし、俺の方も抱きしめる力が強くなる。


 なぜなら、俺の彼女が可愛いすぎるからだ!!


「もうほんとっっっっうに灯は可愛いなぁ!! 俺だって灯と付き合えて幸せだよ!!」


「これからは恋人としてよろしくねっ!!」


「こっちこそよろしく!!」


 俺たちは抱き合って見つめ合う。


 灯の瞳はキラキラと輝いていた。


「灯……」


「泉……」


 俺たちは数秒見つめ合った後、お互いに顔を近づけていく。


 そしてーーーーーーーー


「んっ…………」


「っぅ……」


 ーーーーーーーー俺たちは唇を重ねたのだった。

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