第2話 僕は独りになりました
お父さんのお葬式は、漁業組合の組合長が取り仕切ってあげてくれました。
その後少しの間、組合長が僕を引き取ってお世話してくれていました。組合長には子供がいなかったのでそれはそれは優しくしてくれました。
しばらくすると、お母さんの妹のおばさんを村役場の人が連れきて、僕は元の一軒家でそのおばさんと暮らすことになりましたが、おばさんはお父さんの貯金が入った僕の通帳と印鑑を力ずくで預かると、僕には1着も新しい服を買ってくれないくせに、自分はブランド品のいい服を次から次へと買って、いつも隣り町の繁華街へ遊びに行ったんです。
だから、僕はぼろぼろの服を着て毎日学校に行きました。小学校の先生たちも組合長もそんな僕を心配して、家まで来てくれましたが、おばさんはいつも朝早くから、夜遅くまで遊び歩いているので誰も忠告できませんでした。
それに、たまに誰かが外で見かけて声をかけても、おばさんは睨むか、怒鳴るか、殴りかかったこともありました。だから、先生や組合長や、近所の人たちですら僕の家に寄り付かなくなりました。
おばさんは毎日千円だけ僕に渡して家を出るので、朝と夜は、昼は学校のある時は給食だったので、隣村の外れにあるコンビニまで歩いて行って、買ってきた弁当を、家のレンジで温めて食べていました。
だから、土曜日と日曜日は嫌いでした、お腹が減ってたまりませんでした。
でも、お弁当を買った時に、コンビニのお姉さんが笑顔で「ありがとうございました」と言ってくれる瞬間が、涙が出るほど嬉しかったです。
そして中学生になると、村の中学校は廃校になっていたので、隣村の少し離れた中学校に通学しました。
僕は中学生になると、イジメられるようになりました。体も小さいし、陰気で、いつも汚い格好をしていたからでしょうね、最初は中田くんと、坂下くんと、もみじちゃんは、少しかばってくれていましたが、そのうち率先して僕をいじめるように、なりました。
同じ村の出身だということが、嫌だったみたいです。
僕と同じと見れらるのがたまらなく嫌だったのでしょう。
どんないじめがあったのかは、ここでは言わないようにしましょう、長くなりますから…とにかく先生に隠れて、酷い事をたくさんされました。
でも、ほんとうに先生がいじめを知らなかったかは、疑問です。身体中あざだらけでしたから。僕は今思うんですが、中学校の先生達は関わるのが、面倒くさかったのだと思います。
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