第2話 登校して保健室へ

「久しぶり!お・は・よ・う〜!」

「ぐあぁぁぁびぶぁぁーーー!

        いでぇだもうがよ〜!」


 登校できるようになった初日、俺が今挨拶?とは言えるような挨拶ではなかったが、同じクラスの真志鳴強華ましなきょうかと、この時久しぶりに会った。


「おっと、ごめん!強すぎた?」

「そりゃ強いよ!空手やってるんだから!

 おかげで死にかけたわ!」

「ごめんごめんって。で、元気だった?少し背伸びたんじゃない?」

「気のせいだろ?そっちだって、む……じゃなかった!そっちだって、その……元気ないんじゃ……」


 空手部に所属する強華きょうかは、モロナのせいでせっかく大会の為の練習をしてきたというのに、それ自体が中止、おまけに自宅待機で、体は動かせるが部活の仲間が心配でトレーニングも集中できなかったらしい。心配しているのも、携帯の連絡先を交換していたので、俺によく不安をぶちまけていたからだ。


「……」

「大会の為にあれだけ練習してたんだもんな。やっぱ悔しいよな……」

「そう……だね……。悔しくないっていったら……嘘になるけど……。でも……」

「?なんだよ?」


 なんか俺の方をチラチラ見ながら、強華がモジモジしている。


(なんだ?トイレ?トイレか!トイレだ!トイレ!絶対トイレだ!)


 なぜかトイレに絶対の自信がある俺は、真面目な顔で話す。


「お前……」

「ち、違うの!私は……」

「学校着くまでトイレが待てないなんて高校生でそんな……」

「あぁん?今、なんつった?」

「だからトイレに……う・ん?」

「歯を食いしばれーーーーーーー!」


 やっと登校できると思った矢先、保健室で俺は目を覚ますのだった。














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