第12話 ファンタジー:種族-妖精-クー・シー
▼妖精丘を守る番犬:
クー・シー(Cu Sith カーシー)は、スコットランドのハイランド地方に伝わるケルト神話に登場する妖精犬。
[イギリスの妖精]
Cu-Sìth(クー・シー)《妖精犬》【ゲール語】
Cir-Sìth(カー・シー),Ce-Sìth(ケー・シー)
アイルランドやスコットランドでは妖精の歴史も古いのです。
アイルランドのそれはシー (Sidhe)、
スコットランドのそれはディナ・シー (Daoine Sith) と総称されています。
実はアイルランドのシー (Sidhe)やスコットランドのディナ・シー (Daoine Sith) は当事者の感覚だと森の奥というより「古塚の中にいる存在」なのです。
実際「地下世界に追放された」事になってる訳ですし。
この妖精の家畜、妖精達の番犬とされている犬の妖精クー・フーリン(クランの猛犬)……もといクー・シー(クー=犬、シー=妖精)は
妖精丘に棲む妖精達の妖精たちの守り手/番犬とされているスコットランドのゲール語で意味するところはそのものずばり《妖精犬》。
名前に同様の由来を持つ「ケット・シー」に比べると割と普通に犬の姿である。
普通、妖精犬というのは白い色をしていて、耳や目が赤いというのが一般的だが、どうもクー・シーは違っているようだ。
シープドッグやグレートピレニーズのような身体中が暗い緑色のふわふわもこもこした毛並みを持っていて長い尾をグルグルと渦巻き状に丸めて背中のうえに巻いている、もしくは平たく編んで垂らしている。
そしてなにより毛の色除けば見た目は、その大きさが「満一歳の雄牛」とほぼ同じ『牛並みに大きな犬』と言う外見以外は通常の犬に近い性質を持つ……普通に犬の姿とは一体……。
また人間を襲う事もあると言いい、これが夜間に路上で遭遇すると非常に恐ろしい。
なぜならその巨体からは想像もつかない程静かに音を立てずに滑るように移動移動する妖怪犬であるからなのだが、しばしば泥や雪の中でその足跡が見られるという。
実はクー・シーは足が大きいのも特徴の1つで、これが人間の足と同じくらいのサイズなのだ。
このように泥や雪の上で足跡をしっかり残すのだが、しかし足音は立てないのだ。
ただし、威嚇するときは吠えずにかなり大きなうなり声を三度たてるそうだ。
クー・シーは妖精丘を守る番犬として妖精たちが飼っているとも言われ普段は妖精の番犬として、妖精の丘で妖精達の家に繋がれているとされているが、時折妖精の女性に連れられ散歩している姿が目撃されたり、
一人だけで歩き回っている「はぐれカーシー」を見かけられたりもする。
また、普段は妖精丘の内部につながれているが、妖精と一緒に人間界にやってくることもある。
あるいはだれか侵入者がいると妖精たちによって解き放たれるという。
クー・シーはほとんど吼えないというが、獲物を追うときだけは3度吠えるというのだ。
この吠え声は遠くまでよく響くようで、遠い沖合いの船にまで届くほどだったという。
これに関しては次のような伝承がある。
背後にこの獣の声を聞いた旅人は、
クー・シーが3度唸る前に宿を探さなければならないというのだ。
というのも、3度目の吠え声は獲物の死を知らせる合図なのだ。
このように、妖精たちに連れられていることが多いクー・シーだが、
単独で出歩くこともあって、こういう場合は人間にとっては非常に危険だ。
イングランドに伝わる黒妖犬の伝承などと同様、災厄の前兆として恐れられ特に夜間、路上で遭遇すると恐ろしい妖怪だった。
けれどもJ.F.キャンベルの『サントライ島』という物語では、妖精丘に侵入した人間を追って追いかけてきたクー・シーが、人間たちが飼っている犬によって追い返されるという描写があるというから、恐ろしい妖精犬も案外普通の犬には弱いのかもしれない。
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