淫らな夢
ミカの耳元でクロードは甘い言葉を囁き、とろける口づけをした。
その口づけが深くなり、首へと移り、それから、より下へと··········
「ミカ、いつまで寝てるウサ!」
「うわっ!ダル!?·····へ!?あ·····夢か!」
「なんだか、変な声出して、うなされてるみたいだったから、起こしたウサ。ミカ、顔が真っ赤ウサ!また、熱でもあるウサか?」
「え!?いや!大丈夫!ちょっと暑いだけだよ·····ハハハハ」
「そうなのかウサ?なんか、ミカここの所、様子が変だから、気をつけるウサ!さぁ、早く朝ごはん食べに行こうウサ!お腹すいたウサ!」
着替えてダルを抱っこして食堂に行くと、ジェスがすでに席についていた。
「おー!ミカ!珍しく遅かったな!クロはもう朝早くに、船上葬式の準備で出発したらしいぜ!」
「そうなんだ·····。」
ミカはクロードにちょっと朝会えないという事実だけで、非常にガッカリしている自分に気づいた。
「おいおい!そんなあからさまに落ち込むなよ!クロも夕方には葬式を終えて帰ってくんだからよ!」
「べ、別に落ち込んでなんかいないよ!」
ミカはジェスに図星を言われ、慌てて言った。
「ジェスは今日、どんな予定なの?」
「俺は今日、親父から王宮に呼び出されてるんだ。何か用があるらしくて。昼頃に王宮へ行ってくるぜ。ミカは今日、何か用があんのか?」
ミカはソフィアに呼び出されてる事を、ジェスに言うか迷ったが、説明が難しいので特には言わないことにした。
「·····んー。私は今日は特に用がないから、気分転換に厩舎の馬の世話の手伝いをさせてもらいに行こうかな·····。」
「ミカは、本当に馬が好きだよなぁ!クロがそのうち、馬に嫉妬しそうだよなっ!じゃあな、俺は食い終わったから、先に行くぜ!」
ダルは今日はゆっくり人参を味わいたい日だったらしい。いつもはポリポリポリポリ高速で食べつくすのに、ポォリポォリ、むしゃむしゃとゆっくり味わっている。
ダルが食べ終える頃には、食堂に生徒は誰もいなくなっていた。
ミカはその後、綺麗に食べ終えた食器を食堂のアニタさんに渡しながら言った。
「今日もとても美味しかったです!感謝の気持ちに、たまにはお皿洗いくらい私にさせてください!そこの流しに溜まってる分、やっていいですか?」
「ええ!気持ちは嬉しいけど、悪いわよ!そんなの!」
「お願いします!今日だけなので!食堂に今、他の生徒もいないですし·····お皿洗い結構、好きなんです!私今、邪念が多いのでお皿洗いして清めたいんです!」
「あら!そう?じゃあ、そこまで言うなら、お願いしようかしら。助かるわ、ありがとう。じゃあ、代わりにお昼ご飯、腕をふるうわね!·····それにしても、邪念って·····ミカエルくん何かあったの?」
アニタさんが心配そうに聞いてくれたので、ミカはお皿洗いをしながら答えた。
「えーっと、その·····好きな人の事ばかり、考えてしまうんです·····」
その答えを聞き、アニタさんが豪快に笑った。
「あっはははは!·····あー。ゴメンね、笑って!だって、そりゃ邪念って言わないわよ!人を好きになるって、そういう事だもの!ミカエルくんは、初恋なんだねぇ!」
「·····はい。初恋·····ですね。」
ミカは赤くなりながら、答えたのに対し、アニタさんが楽しそうに言った。
「はぁー!初恋!初々しいわぁ!応援したくなっちゃうわねぇ!·····あ!お皿洗い、もう終わったの?手際いいわねぇ!どのお皿もピカピカだし!ありがとうね!あなたの恋、全力で応援するから、何かオバチャンに出来ることがあったら言ってね!媚薬とかは作れないけど、彼女が喜ぶプレゼントのお菓子くらいなら作れるわよ!」
「ありがとうございます!明るいアニタさんと話したら、元気になりました。また、何かあったら相談させてください!」
「いつでも大歓迎よー!」
ミカはアニタさんに元気をもらい、足どり軽く部屋に戻り、馬場着に着替えて厩舎に向かった。
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