97話 ドラゴンとの対話

 俺達は現在観光大国レンガルの宿屋で待機している。


 いつドラゴンが襲ってくるか分からないからな。



 「スカーレットドラゴンより強かったらきつそうね」

 「まあな。でもやり直せるから大丈夫だ」

 「心強いわね。スカーレットソードの威力も気になるわ」

 「ああ。どんな切れ味なのか」



 ネールがスカーレットソードを大事そうに撫でている。


 よっぽど気に入ったようだ。



 「眠い」

 「寝ていいぞ。起こしてやる」

 「ありがとう」



 ラフレアは俺の膝枕で寝る。


 相変わらず可愛いな。


 よくよく考えたら沢山の美少女に囲まれて過ごしている人生は凄く幸せだ。



 一応セーブしておくか。



 「セーブ」



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 スロット1 観光大国レンガル宿屋


 スロット2 豪華馬車の中


 スロット3 ファイシード国宿屋


 スロット4 フレッディーノ国宿屋


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 俺はスロット1に上書きセーブをした。


 そしてドラゴンが来るまで待つ。



 「今のうちに魔力回復剤飲んだほうがいい」

 「分かりました」



 俺達は魔力回復剤を飲む。


 ラフレアには寝る前に飲ませていた。


 味は悪くない。甘くておいしい。



 「最初に危害を加えたのは人間かドラゴンどっちかしらね?」

 「さあな。だけど和解は難しいだろうな。現に人間の生活を脅かすドラゴンもいるわけだし」

 「そうよね。今回上手く和解できればいいんだけどね」

 「そうだな。難しいが対話はしよう」



 そんな雑談を繰り広げていると、窓の外に黒い大きな影が見えた。


 まさかドラゴンか?


 俺達は急いで宿屋を出る。



 「きゃあああああああああああああ」

 「またドラゴンが現れたぞ」

 「殺さないでくれえええええ」



 国民たちが怯え逃げ出す。


 俺達は急いでドラゴンの下へと駆け出す。



 「おい話がある!!」

 「何だ人間。ダームはどうした?」

 「ダーム?」

 「スカーレットドラゴンの事だ」

 「俺達が討伐した」

 「何だと貴様!!」

 「あいつから襲って来たんだ。正当防衛だ」

 「何をぬけぬけと」

 「お前とは戦いたくない。戦えば殺すことになる!!」

 「舐められたものだ!!」

 「ちっ」



 俺達に向かって炎のブレスを吐く。


 国が燃えさかる。


 セーブデータの共有で後で元に戻すしかない。


 今は戦うしかないのか。



 「聞け。何故人間を憎む。人間に危害を加えられたからか?」

 「そうだ。昔から人間はドラゴンの住処を荒し奪ってきた」

 「今回は和解しないか。俺は戦いたくない!!」

 「私の仲間を殺しておいて良く言うな」

 「都合がいいのは分かっている。だが戦ってお互いに今は利益があるとは思えない」

 「戯言を」



 再び炎のブレスを吐く。


 緑の巨体のドラゴンは口から炎のブレスを連発して吐く。


 もう観光大国レンガルは焼け野原だ。



 戦うしかないのか。


 仕方が無い。


 俺達が戦闘態勢に入ったその時だった。


 俺達の目の前にいる巨体のドラゴンが炎のブレスを吐くのを止めてどこかへ飛び去ろうとする。



 「命拾いしたなガキ共が」

 「戦わないのか!?」

 「用事が出来た」

 「そうか。今回は痛み分けだな」

 「ぬかせ戯言を」



 そう言って緑色の巨体のドラゴンはどこかへ翼をはためかせ飛び立っていく。


 俺達はそれを下から眺める事しかできなかった。



 「助かったわね」

 「ああ。戦わなくてすんだ。だが和解は無理だな」

 「そうね」



 俺はその後セーブデータ共有で観光大国レンガルを元に戻すことにした。



 「スロット1にスロット2の一部を共有したい」

 『畏まりました。観光大国レンガルが焼かれる前のデータを共有ですね』

 「ああ、頼む」

 『畏まりました。動作が完了いたしました』



 こうして観光大国レンガルは無事に元に戻った。


 しかしドラゴンは一体どこに行ったんだ?


 まあいいか。


 無事にクエストは達成できたし。


 さあ観光でもするか。



 「セーブ」



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 スロット1 観光大国レンガル市街


 スロット2 豪華馬車の中


 スロット3 ファイシード国宿屋


 スロット4 フレッディーノ国宿屋


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 俺はスロット1に上書きセーブをした。


 帰ったら冒険者ギルドで報酬受け取ろう。

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