48話 リーシテン卿命乞いをする

 リーシテン卿を気絶させ拘束した後路地裏まで連れて行く。


 その後俺はセーブをする。



 「セーブ」



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 スロット1 リンリン卿の家


 スロット2 ダンデル国路地裏


 スロット3 空き


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 俺はスロット2に上書きセーブをした。


 そして路地裏で気絶していたリーシテン卿が目覚める。



 「うっ……な、何だここは!?」

 「お目覚めかしら。久しぶりねリーシテン卿」

 「貴様、リンリンか!?」

 「ええ。この子たちに依頼したのは私よ」

 「ぐっ、この糞女が。身の程を弁えろ」

 「貴族の位が高ければ何をしてもいいと思っているのかしら」

 「ああ、そうだ。俺は伯爵だぞ。下民に何をしても許される!!」

 「そう。反省の意はないのね」

 「反省だと!? 何に対してだ?」

 


 リーシテン卿は反省する様子がまるで見られない。


 それどころかこんな状況でなお俺達を見下している。



 「私の妹ルールーを殺したのは覚えている?」

 「ああ覚えているさ。あの可愛さ泣き顔は最高だったな。犯し甲斐があったものだ」

 「つっ。私の唯一の大切な物を貴方は奪ったのよ」

 「だから何だというのだ。俺は伯爵だぞ。お前は男爵、格が違うわ」

 


 リンリン卿が苛立ちを復讐心を顔に出す。


 冷静さを失っている。


 

 「おいガキ。早く拘束を解け。お金なら大量にやる」

 「一つ聞かせろ。お前はルールー以外にもこのような事を?」

 「はっ、当然だろ。俺は伯爵だ。下民に何をしても許される存在だ。男の最高の喜びは屈辱に塗れた女の顔を見る事だ」

 「そうして沢山犯し殺し揉み消してきたのか?」

 「何が言いたい。さっさと拘束を外せ。俺がお前たちを雇ってやる」

 「悪いが雇われる気は無い。まだお前は助かると思っているのか?」

 


 俺は鉄の剣をリーシテン卿の眼前に突き付けた。


 リーシテン卿は急に慌てだす。



 「何をしている!? 俺は伯爵だぞ!!」

 「だから何だ? お前みたいな屑は死んで当然だ。それに俺達は今リンリン卿に雇われている」

 「だから俺が更に金を出す。何なら女もくれてやる。どうだいい条件だろ、な?」

 


 この期に及んでまだ助かる気でいるのか。


 反省の意どころか自分自身が絶対的に正しいと思い込んでいやがる。



 「リンリン卿どうすればいい?」

 「屈辱を味わわせようと思ったけどもういいわ。殺してちょうだい」

 「了解した」



 俺とリンリン卿の言葉にリーシテン卿は慌てだす。


 顔を青ざめ口を開く。



 「ま、待て。お、俺を殺せば問題になるぞ。俺はディルデック家の長男だぞ!!」

 「関係ないわ。ディルディック家には事故だと伝えるわ」

 「そんな理屈が通るものか。ふざけているのか貴様は!!」

 「死体をバラバラにして埋めれば問題ないわ」

 「な!? 貴様正気か!?」

 「私は絶対あなたを許さない。妹を食い物にして殺したことを」

 「ま、待て。わ、悪かった。は、話し合おうではないか!! な?」

 


 俺は一応セーブをする。



 「セーブ」



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 スロット1 リンリン卿の家


 スロット2 ダンデル国路地裏


 スロット3 空き


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 俺はスロット2に上書きセーブをした。



 「じゃあ誠心誠意土下座でもして謝れ」

 「ぐっ。この俺に土下座だと!?」

 「お前が犯した罪に比べれば土下座なんて軽すぎるだろ」

 「黙れ俺は伯爵だ!!」



 そうやって言い、拘束具を付けながら必死で逃げる。


 哀れな奴だ。


 俺の前から逃げられる訳ないだろうが。



 「ロード」

 「な、何が起きた!?」

 「俺の能力だ。お前は絶対この場所から逃げられない!!」

 「ふ、ふざけるなああああああああ。そんな能力があるものか!!」



 再びリーシテン卿は逃げる。


 事前にリンリン卿には俺の能力セーブ&ロードについて伝えてある。


 その為リンリン卿も冷静に憐れんで見ていた。


 リーシテン卿を仲間だと認識しないと成り立たないのが唯一のこの能力の欠点だな。


 こんな屑を仲間だと認識しないといけないなんて。



 「ロード」

 「な!? 俺を本当に殺す気なのか!?」

 「そうだ。死ね屑が」

 「ま、待ってくれ!? 俺が悪かった。もう二度とこんな事はしない。だから許してくれ。な? リンリン。やり直そう。な?」

 


 リンリン卿に泣きじゃくり縋りつく。


 だがリンリン卿も俺達もこいつの本意が透けて見える。


 こいつは絶対反省していない。


 今だけ助かればどうとでもなると思っている屑だ。



 「地獄で反省しなさいリーシテン卿」

 「いやだあああああああああああ!! 死にたくなあああああああああいいいい!!」



 リーシテン卿は顔を涙で濡らし、失禁して地面を這いつくばる。


 どこかで自分が伯爵だから助かると思っていたようだ。


 だが助からないと分かると途端に子供のように泣きじゃくり駄々をこね始める。


 こんな屑に多数の女性が犠牲になったと思うと腸が煮え繰り返る。



 「地獄で反省と後悔をするんだな」

 「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 「じゃあなリーシテン卿」



 俺は鉄の剣でリーシテン卿の首を刎ねた。


 リーシテン卿はこの日を持って命を落とす。


 惨めで哀れな最後だった。



 「ありがとう。私の願いを叶えてくれて。嫌な思いをさせたでしょう。ごめんなさい」

 「いやそんなことは無い。少しでもリンリン卿が前を向いて生きれるのなら俺達は嬉しい」

 「そう、ありがとう。死体は私が処理するわ」

 「分かった。俺達は先に外で待っている」

 「ええ」



 俺達はリーシテン卿を殺した後、ダンデル国を出国する。



 「ねえあんな貴族ばかりなの?」 

 「中にはいい人もいるが、大抵は下民を見下しているよ」

 「最悪ね。益々貴族が嫌いになったわ」

 「ああ俺もだ」



 俺とリアの言葉にヴィクトリカ、ラフレア、アリス、ネールも同調した。


 リンリン卿は貴族としてはまともだったのだろう。


 だからこそ同じ貴族のリーシテン卿が余計許せなかったかもしれない。


 貴族の品位を下げてほしくなかったのかもしれないな。



 デイルに帰ると、リンリン卿の妹のルールーの墓に手を合わせた。


 そして同時に天国で幸せになっているようにと願った。



 「ありがとう。報酬は冒険者ギルドに渡してあるから受け取って」

 「もう大丈夫か? 前を見て進めるか?」

 「ええ。大丈夫。いつまでもくよくよしてたらルールーに怒られちゃう」

 「そっか。じゃあまたいつか。何かあれば頼ってくれ」

 「本当にありがとう。Sランクに上がれるといいわね」

 


 リンリン卿が深く深く頭を下げてお礼をする。


 貴族が冒険者、それもBランクに頭を下げるなんて普通はあり得ない。


 いい貴族もいるんだな。


 俺達はこの日無事に貴族からの直々の依頼を完遂した。


 金貨合計50枚を手に入れた。


 それとダイヤモンドの剣を。


 さあセーブしよう。



 「セーブ」



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 スロット1 デイル国冒険者ギルド


 スロット2 ダンデル国路地裏


 スロット3 空き


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 俺はスロット1に上書きセーブをした。


 さあ明日からまた頑張るぞ。


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