「やり直しなんていらねえんだよ!」とパーティを追放されたけど、もうセーブもロードもないんだよ? ~崩壊したってもう遅い。俺を拾ってくれた美少女パーティと宿屋にいく~
34話 国王陛下が殺されたのでやり直します
34話 国王陛下が殺されたのでやり直します
「事の発端は二日前の夜です」
そうルーティアは話し始めた。
ルーティアの話の要点を纏めるとこうだ。
・二日前の夜に何者かによって貴族が殺され金銭を奪われた。
・そして昨日王族城に、ある脅迫状が届いた。その内容は国王陛下暗殺の内容だった。
・それで慌てた国王陛下は宰相ルーティアに命令して自身を守護する冒険者を募った。
「それで本来Sランクパーティーを望んでいたのか」
「そうです。ですがこの国にSランクはいなく、そもそもAランクすらどれくらいいるか」
「お互い大変だな」
「ご理解頂き感謝します」
このルーティアとか言う女性、鋭い目つきをしているが性格は王族とは違い心優しいように思える。
心中お察しだな。
あんな王に仕えているなんて人生の無駄でしかない。
「どうやって魔法結界をすり抜けたんだ?」
「それが誰にも分からないのです。魔法結界が張られているのは国全体と貴族街と王族城で、三重構造になっております」
「王族城が一番強いのか?」
「はい国王の命令によりリソースをかなり割いております」
「破られた形跡は?」
「それがないのです」
破られた形跡が無いという事は、すり抜けたのか。
特殊な魔法を持った奴か特殊な体質かのどちらかだろうな。
或いは何か特殊なアイテムか?
「まあ俺達が国王陛下の寝室を警備する」
「お願いします」
取り敢えず寝室の前で警備するか。
セーブだけしておこう。
「セーブ」
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スロット1 王族城
スロット2 ランシード王国武器屋
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俺はスロット1に上書きセーブをした。
「どうするの? 出方を待つの?」
「この国から犯人を特定するのは不可能に近い。なら相手が来るのを待つのが得策だと思う」
「じゃあ私達は今日徹夜ね」
「そうなるな」
何故俺があんな傲慢な別に死んでもいい国王の為に徹夜をしなければならないのか。
金貨二十枚という莫大な報酬が無ければ絶対にやってない。
「じゃあルーティアさん。俺達は寝室に行きます」
「お願いします。寝室まで御案内します」
「宜しくお願いします」
俺達は豪華な飾られた廊下を歩いて王の寝室前まで来る。
そして王に改めて挨拶をする。
「本当に私を守れるんだろうな。ゴミくずが」
「何だその言い方は。あんたの命は俺達に掛かってるんだぞ」
「国王に向かってその言葉遣いは何だ!!」
「お前こそ状況を考えろよ」
俺の鋭い殺気の籠った目に国王陛下はビビり寝室のベッドへ一人潜り込む。
そして震えている。
「じゃあルーティアさん。俺達は寝室の前で待っています」
「宜しくお願いします」
ルーティアが頭を俺達に深々と下げて執務室へと戻る。
俺はここで一旦セーブする。
「セーブ」
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スロット1 王族城寝室前
スロット2 ランシード王国武器屋
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俺はスロット1に上書きセーブをした。
数時間が経過した頃、俺達は眠気と戦いながらぼーっとしていた。
仲間と軽い雑談を繰り広げながら。
そんな時、寝室から苦しみの悲鳴が聞こえた。
「ぐわあああああああああああああああああ。た、助けてくれえええええええええええええ」
「何!?」
俺達は急いで悲鳴が聞こえた寝室の中に入ると剣で突き刺された悲惨な国王陛下の死体があった。
そして誰かがフードを被っている。
「誰だ?」
「ちっ」
フードを被った人物は謎の飲み物を飲んで壁をすり抜けた。
あれは透明ドリンク。
一時的に物体を透明化させる薬。
透明魔法を飲み物にした代物だ。
透明魔法と違う所は効果が一時的で三十秒程度という所だ。
透明魔法は魔力に依存するからな。
「どうしますか?」
「まあ一旦ロード」
俺はスロット1をロードする。
しかしざまぁないな。
あの国王陛下が惨めな叫び声を上げて殺されるなんて。
クエストじゃなければロードなんてしないのに。
「あれって何?」
「透明ドリンクっていう飲み物で、簡単に言えば三十秒だけどんな物でもすり抜けられるんだ」
「じゃあそれを使って魔法結界を」
「ああ間違いない。寝室の中で国王陛下を守護するしかない」
「傲慢な国王陛下が許すかしら」
「俺に考えがある」
俺達は寝室の中に勝手に入る。
国王陛下は怒り俺達に声を荒げる。
「何を勝手に入って来ておる。ここは神聖な私の寝室だぞ」
「よく聞け。これからお前は数分後に殺される。それを回避したければ俺達から離れるな」
「何を言いおって。ここは寝室だぞ。どうやって犯人が侵入するとでも」
「じゃあ俺達が物陰に隠れているから確かめてみるんだな」
「ふんっ」
俺達は寝室の物陰に隠れる。
何故狭い物陰に四人全員がくっついて隠れているのだろうか。
胸が顔に当たる。
「これだからCランクは約立たずなのだ」
そんな文句を言っていると壁をすり抜けたフードを被った人物が太い剣を持って現れる。
「な、何だ!? お、お前は。や、やめろおおおおおおおおおおお」
「しねえええええええええええええええええええええええ」
国王陛下は再び剣で殺された。
「ロード」
俺はスロット1へロードした。
その際国王陛下も一緒にロードする為一時的に俺は国王陛下を仲間だと認識する。
何故俺がこんなゴミを一時的とは言え仲間だと認識しなくては。
「い、今のは何だ!? わ、私は殺されたではないか」
「だから言っただろ。数分後に殺されるって」
「な、何故私は今生きている?」
「生き残りたかったら俺達から離れるな。死んでもいいなら自由に離れろ」
「わ、分かった。は、離れない」
国王陛下は自分の命最優先である。
惨めな姿で俺に縋りつく。
そして数分後――
「い、いない!? ど、どこだ!?」
「こっちだ」
「誰だお前は!?」
「冒険者だ」
俺達は犯人と戦う。
「セーブ」
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スロット1 王族城寝室
スロット2 ランシード王国武器屋
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俺はスロット1へ上書きセーブした。
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