第25話 私と彼女②
それは彼女のことです、 というのも最近やたらと甘えてくるようになったのですが、
それが少し度を過ぎているような気がするんです。
例えば今だって、私の膝の上に座って本を読んでいますし、
時折私の方を見上げて微笑んできたりもします。
正直言って可愛すぎるんですよ!
そんなことを考えているうちに段々と変な気分になってきてしまった私は、思い切って彼女に迫ってみることにしました。そうすると最初は、抵抗していた彼女も次第に受け入れてくれるようになり最終的には完全に堕ちてしまいました。
「もっとしてください、ご主人様」
と言ってくる始末で、もう我慢できません! ということで、その後は思う存分に楽しみました。
「ああ、幸せ!」
恍惚とした表情を浮かべながらベッドの上で眠りにつく彼女を見ているだけで、
自然と笑みが溢れてくるほどでしたが、 まあとりあえず一件落着ということで良しとしましょう。そんなこんなで、結局私は彼女と一緒に暮らすことに決めました。
ああ、良かったですね。これから毎日一緒に楽しい時間を過ごせると思うと本当に幸せです、感謝してもしきれないくらいですよ。
本当にありがとうございます、これからも末永くよろしくお願いいたしますね。
それでは、失礼いたします。
「え、えっと、その、あの、その」
と、そんなことを考えているうちにいつの間にか彼女はいなくなっていました。
どうやら私が眠っている間に帰ってしまったようですが、
それにしても一体なんだったんでしょうか?
まあ、考えても仕方ないですしとりあえず寝直すことにしましょうかね? おやすみなさい。
翌朝目が覚めると隣に下着姿の女性が寝ているではありませんか!?
一体どういうことなんでしょうかこれは、まさかまた夢でも見ているのでしょうか?
いや違う、これは現実だ、だってこの温もりを感じることができるのだから間違いありません。
では何故彼女がここに居るのかということについてですが、
おそらく私が昨日何かしてしまったのかもしれませんし、
あるいはただ単に寝ぼけていただけなのかも分かりませんけど、
とりあえずまずはこの状況を何とかしないといけません。
というわけで、まずは起こしてみようと思うのですがなかなか起きてくれませんし
どうしたものかと思っていたところ突然彼女が目を覚ましてしまったようでした。
目が合うと同時に彼女の顔がみるみる赤くなっていくのが分かるほどです。
どうやら相当恥ずかしかったようです。
しかし、だからといってこのまま黙っているわけにはいきませんので
思い切って話しかけてみることにしました。
そうすると彼女は少し間を置いてから返事をしてくれたのですが、
その声は震えていて聞き取りづらいものでした。
まあ、無理もないでしょうけど、それでもなんとか
頑張って聞き取ることができたのは以下の内容でした。
「あの、その、えっと、これは違うんです、
ただちょっと興味があっただけで決してやましい気持ちがあったわけではないんですよ」
と必死に言い訳をしている姿がとても可愛らしく思えた私は、つい微笑んでしまいました。
そうするとそれが気に入らなかったのか頬を膨らませて、
そっぽを向いてしまいましたがそんなところもまた可愛らしいと思ってしまう自分がいることに気づきました。
どうやら完全に虜になってしまったようです、まあそれも仕方ないですよね?
だってこんなにも魅力的なのですから。
ですから、嫌われないようにするためにも優しく接するように心がけたいと思います。
そう心に誓った翌朝のことでした。
目を覚ますと同時に何やら違和感を感じるのです。
その正体を探ってみるとどうやら誰かに抱きつかれているようでした。
一体誰だろうと思い見てみるとそこにはなんとメイド姿の女性がいるではありませんか!
そして彼女は、私の顔を見るなり笑顔でこう言ったのです、
「おはようございます、ご主人様」
その瞬間、私は全てを悟りました。
「あ、ああ、おはよう」
それからというものの、彼女が甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる度に
ドキドキしてしまう自分がいて恥ずかしかったのですが、それと同時に嬉しさも感じていたんです。
だからでしょうか、いつしか私は彼女に惹かれ始めていたのです。
そして、そんなある日のこと彼女は私にある提案をしてきました。
その内容というのは驚くべきもので、なんと彼女も異世界から来た人間だと言うではありませんか!
しかも更に驚くことに私と全く同じ境遇だと聞かされてとても驚きました。
でも、よくよく考えてみれば納得できる部分もあるんので、
だって同じような経験をしているわけですから話が合うのは当然ですよね?
そうしてしばらくの間彼女と話をしているうちに段々と
打ち解けることができたような気がしてきてすごく楽しいひと時を過ごすことができたんですが、
そんな中でふとあることを思い立ちました。
それは彼女の名前についてです。
いつまでもメイドさんと呼ぶわけにもいかないですし、
何か良い呼び方はないかと考えていましたがなかなか思い浮かびませんで思い切って尋ねてみることにしました。
そうすると彼女は少し考えた後でこう答えてくれました。
「えっとですね、私の名前についてはですね、
実は特にないんです。ですからお好きな名前を 付けて下さって構いませんよ?」
そう言われた私は悩みましたが、結局そのまま彼女の名前を呼ぶことにしました。
「じゃあ、これからは君の事をリリアナと呼ぶことにするね」
と言うと彼女は喜んでくれましたが、それでもやはり何か不満があるようです。
なので改めて尋ねてみると意外な答えが返ってきました。
それは、私のご主人様になって欲しいという願いでした。
その話を聞いた瞬間、私は戸惑いましたけど、でも同時に嬉しくもありました。
だってそれは彼女が私を信頼してくれている証でもあるからです。
だから私も覚悟を決めて彼女を受け入れることにしたんです。
そしてそれからというものの、私たち二人はいつも一緒に過ごすようになりましたし、
お互いに助け合う関係になったのです。
そんなある日のこと私が部屋で仕事をしていると突然ドアが開いて誰かが入って来ました。
誰だろうと思って見てみるとなんとリリアナではありませんか!?
一体どうしたんだろうと思っているうちに彼女が近づいてきていきなりキスしてきたのですが、
しかも舌まで入れてきてもう完全に蕩けてしまいそうです。
「ご主人様、愛しています」
そう言いながら抱きついてくる彼女に対して私もお返しとばかりに抱きしめ返すと
今度は首筋に吸い付いてきたじゃありませんか!
それがくすぐったくて変な声が出てしまうのを我慢しながらなんとか耐えていましたが、
しばらくすると満足したのか離れてくれたのでホッと胸を撫で下ろしました。
しかし、これで終わりではなかったのです。
なんと今度は私の服を脱がせ始めたではありませんか!?
これには流石に抵抗しようとしたのですが、何故か力が入らずされるがままになってしまいました。
そして、ついに下着一枚の姿になってしまったところで彼女は再びキスをしてきました。
それも先程のような軽いものではなく濃厚なディープキスです。
歯茎の裏や上顎などを舐められたり舌を吸われたりする度にゾクッとしてしまいますし、
何より気持ち良いんです。
もう何も考えられないくらいに頭がボーッとしてきて何も考えられなくなるほどでした。
そうしてしばらくの間キスをしていたのですが、
ようやく解放された時にはすっかり蕩けきってしまい、
思考回路が完全にショートしてしまったような状態になってしまいました。
そんな私を見下ろしながら彼女が言った一言は今でも忘れられません。
「可愛いですよ、私のご主人様♡」
という言葉でした。
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