第21話 私と彼女

「どう、ですか?」

彼女は恥ずかしそうに顔を赤らめながら尋ねてきたので、

私は素直に感想を述べることにした。

「とても綺麗で美しいですよ」

そう答えると、彼女は嬉しそうな表情を浮かべてくれました。

その後もしばらく見つめ合っていたのですが、

不意に彼女が私に抱きついてきてキスをしてきました。

そして、そのまま押し倒されてしまいましたが、

抵抗することなく受け入れました。

それからしばらくの間、彼女と愛し合い続けた結果、

最後には意識を失ってしまいましたが、それでも幸せでした。

目が覚めると、隣には素肌のまま眠っている彼女の姿があった。

まだ起きる気配は無いようなので、今のうちに朝食の準備をすることにしました。

と言っても、パンを焼いたりハムエッグを作ったりする程度なので簡単です。

しばらくすると彼女が起きてきたのですが、なぜか妙に視線を

感じるような気がしたので振り返ってみると、案の定彼女は私を見つめていました。

そこで私は彼女に問いかけてみたところ、昨日のことを覚えているかどうか尋ねられたので、

正直に答えることにしました。

そうすると、彼女は顔を真っ赤にして黙り込んでしまいましたが、

しばらくしてから小さな声で謝罪の言葉を口にしてきました。

その様子を見ていた私は思わず笑ってしまいそうになったのですが、

何とか堪えつつ彼女を宥めました。

その後は一緒に朝食を食べ始めたのですが、時折チラチラと

見られているような気がして落ち着きませんでした。

「あの、どうかしましたか?」

思い切って尋ねてみると、彼女は慌てたように否定してきましたが、

その後も何か言いたげな様子でこちらを見ていたので、

もう一度尋ねてみたところ、今度は素直に答えてくれました。

どうやら私の行動や言動に興味を持ってしまったようで、

色々と質問されてしまったのですが、

そんな中でも特に気になっていることがあったらしく、

それは私がどうしてメイドをしているのかと聞かれた時のことです。

その答えとして私は自分の過去を話すことにしました。

子供の頃から家事全般が得意で、将来は誰かの役に立つ仕事がしたいと思ったこと、

そして何より自分がやりたいと思ったことを叶えるため、

この道を選んだということを話すと彼女は感動してくれたようでした。

それからというもの、彼女は私に対して優しく接してくれるようになりましたので、私も嬉しくなりました。

その後しばらく雑談した後、仕事に戻るために部屋を出ようとすると彼女に引き止められました。

どうしたのかと尋ねると、まだ話したいことがあるというのです。

「実は、私もあなたに伝えたいことがあるのです」

彼女は真剣な眼差しでこちらを見つめながら言いました。

一体どんな内容なのかとドキドキしていると、彼女が口を開きました。

「あなたの事が好きです」

その言葉に一瞬ドキッとした私だったが、すぐに冷静さを取り戻し、

彼女に聞き返した。

「え? それってどういう意味でしょうか?」

そうすると、彼女は頬を赤く染めながらもはっきりとした口調で答えた。

「あなたが好きだということです」

その言葉を聞いた瞬間、心臓が大きく跳ね上がった気がした。

まさかそんなことを言われるとは夢にも思っていなかったからだ。

動揺を隠しきれないまま黙っていると、彼女は続けて言った。

「私とお付き合いしてくださいますか?」

その問いに即答できなかった私は黙って俯くことしかできなかった。

「だめ……ですか?」

悲しそうな声で聞いてくる彼女に罪悪感を覚えた私は意を決して顔を上げると、

真っ直ぐに彼女の目を見つめながら答えた。

「いえ、嬉しいです」

その言葉を聞いた瞬間、彼女の顔がパッと明るくなったのを

見てホッとしたと同時に愛おしさが込み上げてきて、気がついた時には彼女を抱き締めていた。

彼女もそれに応えるように背中に手を回してきてギュッと力を込めてきたため、

ますます離れられなくなってしまった。

そうして抱き合っているうちに段々と気持ちが昂ってきた私たちは

自然と唇を重ね合わせていたのだが、それに気付いた時には既に遅く、

何度も角度を変えながら激しく求め合った末に息が

苦しくなって口を離すまで続けていたのである。

お互いに荒い呼吸を繰り返しながら見つめ合っているうちに

恥ずかしくなって顔を背けてしまったのだが、不意に背後から抱きしめられたことで我に返ると、

今度は耳元で囁かれた言葉に心臓が止まるかと思った。

「ねぇ、もう一回しよ?」

その言葉を聞いた瞬間、背筋がゾクゾクとした感覚に襲われてしまい、

思わず身震いしてしまった。

しかし、それでもなお抵抗しようと試みたのだが、

結局押し切られる形で再び唇を重ね合わせることとなったのである。

「んっ、ちゅっ、はぁ、れろ、んんっ」

最初は軽いキスだったが、次第にエスカレートしていき最終的には

舌を絡めるような濃厚なものに変わっていった。

お互いの息遣いが激しくなり、頭がボーッとしてきた頃、不意に唇が離れた。

「起きてください」

私は目を覚ました。

どうやら昨夜はあのまま眠ってしまったらしい。

隣で寝息を立てている彼女を見て、思わず笑みがこぼれた。

彼女はまだ眠っているようだし、もう少し寝かせておいてあげようと思った私は、

朝食の準備をするために厨房へと向かったのだが、そこであるものを発見したのである。

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