第17話 愛していて、大好き
「愛しています、サナトスさん!」
そう伝えると、嬉しそうに微笑んでくれました。
それからというもの、 毎日のように彼女と一緒に過ごす日々を送っていました。
時には冒険をしたり、デートをしたりもしていましたが、
基本的にはいつも一緒でしたから、寂しさを感じることはありませんでした。
それでも、たまには一人で過ごす時間も必要だと思いますから、
その時だけは別行動を取ってもらうことがありますが、基本的にはいつも一緒に過ごしています。
「サナトスさん、ちょっとお買い物に行きたいんですけど、ついてきてくれませんか?」
そう声を掛けると、すぐに頷いてくれます。
そんな彼女に対して、私が何かプレゼントをしたいと思っていたのですが、
何を贈れば良いのかがわからず困っていました。
そこで、彼女に聞いてみればわかると思ったのですが、なかなか切り出せなくて困っています。
そんな時です。
「ねぇ、私に相談してくれれば何でも教えてあげるわ!」
そう言ってくれる彼女に甘えて相談することにしたのですが、
結局何も思い浮かばずに終わってしまってがっかりしました。
そんな私を心配しながらも励ましてくれるのでとても助かりましたし、心が癒されました。
その後、彼女は優しくキスをしてくれました。
それが嬉しかった私はもっと甘えてしまいました。
彼女の胸に飛び込むようにして抱き着いた私に対して、彼女はしっかりと受け止めてくれたのです。
「よしよし、いい子ね」
と言ってくれながら頭を撫でてくれるのでとても幸せな気分になりました。
その瞬間、私はとあることを思いつきました。
それは彼女へのプレゼントを思いついたのです。
それは私自身であるということ。
だから思い切って言ってみました。
そうすると、 サナトスさんは驚いた顔をしましたが、すぐに了承してくれました。
なので、さっそく実行に移すことにしました。
「キスして」
「え、ええ、いいわよ」
そう言って、彼女は私に口づけをしました。
「もっと、もっとちょうだい」
と私がお願いすると、彼女は嫌がりませんでした。
それどころか、積極的に求めてきたんです。
それが嬉しくて、私も彼女に応えられるように頑張りました。
それからしばらくして、満足することができた頃でした。
「それじゃあ、始めるわね」
そう言うと、彼女は私の首筋に顔を近づけてきました。
そして、そのまま噛み付かれてしまったのです。
痛くて、悲鳴をあげてしまいましたが、それと同時に快感を覚えていました。
「もう大丈夫ですから」
「そう、で、これから何処かへ行くの?」
「はい、ちょっと買い物へ行きたいのですが、
付き合ってもらってもいいですか?」
「もちろんよ、どこへだってついていくわ、
だってあなたの事が好きだもの」
といって抱きしめてきました。
そんな可愛い仕草に思わずキュンとなってしまいますが、
何とか平静を装って返事を返すことにします。
「ありがとうございます、嬉しいです」
そう言って、早速出かけることになりました。
行き先は、以前訪れたお店になります。
店内に入って商品を眺めていると、ふと目に付いたものがあったのです。
それは、下着のコーナーでした。
私はその品を手に取ると、まじまじと見つめながら考え事をしていました。
これを着たらサナトスさんが喜んでくれるだろうか?
「どうしたの、何か欲しいものでもあった?」
と聞かれたので、正直に答えることにしました。
「サナトスさん、実はあなたに喜んでもらえるような物を探していたんです」
と伝えたところ、彼女は少し恥ずかしそうにしながら、それでも嬉しそうな表情を浮かべて、
「ありがとう、嬉しい」
と言いながら、優しく抱きしめました。
私も、彼女を抱きしめる腕に力を込めて、しばらく抱き合っていたのです。
そうして、お互いに満足したところで、店を出て、次の目的地へ向かうことになりましたが、
その前に、サナトスさんから一つ提案がありました。
「ねえ、せっかくだし、お揃いの物を買わない?」
そう言われて、私は頷きます。
確かに、その方がより親密になれるような気がして、とても魅力的だったからです。
というわけで、私達は同じデザインのものを購入することにしたのです。
その後、再び歩き出して、次に向かった先は、アクセサリーショップでした。
ここでも、色々見て回りましたが、やはりピンと来るものは見つかりませんでした。
しかし、そんな中で一つだけ気になるものが目に留まりました。
それは、ペアリングと呼ばれるものでした。
二つ合わせることで一つの模様が完成する仕組みになっているらしく、
見た目にも綺麗だったので、これを買うことに決めました。
値段はそれなりに高かったですが、それでも後悔はありませんし、
むしろ買って良かったと思えるほど気に入っていますから、全く問題ありません。
その後は、宿に戻って、夕食を済ませた後、早めに寝ることにしました。
翌朝、目が覚めると、隣には素肌のまま眠っているサナトスさんがいました。
その姿を見ていると、昨日のことを思い出し、ドキドキしてしまいますが、今は我慢です。
とりあえず、着替えをして、朝食を摂った後、出発の準備をしてから、町を出ました。
そして、旅を続ける中で、サナトスさんに尋ねます。
「あの、サナトスさん、私のこと好きですか?」
と聞くと、即答で、
「大好きに決まってるじゃない」
そう言ってくれて、とても嬉しくなりました。
その後も、彼女と一緒に過ごし、楽しい日々を過ごしていますが、
ある日、思わぬ事態に見舞われることになったのです。
いつものように、依頼をこなして帰路についた私達の前に、謎の少女が現れました。
その少女は、不思議な雰囲気を漂わせており、何だか近寄り難い感じがします。
それでも、私は話しかけようと試みたのですが、上手く言葉が出てきません。
そんな時だった、突然、目の前の少女が、魔法を放ったのです。
咄嗟に、サナトスさんが守ってくれたので、怪我はありませんでしたが、
一体、彼女は何者なのでしょうか?
とにかく、警戒しつつ様子を伺っていると、今度は、彼女がゆっくりと近づいて来ました。
「こんにちは、私は魔法の女神、アルテミアと申します、以後、お見知りおきを」
彼女は丁寧な口調で自己紹介を終えると、丁寧にお辞儀をしました。
その様子を見る限り、悪い人ではなさそうですが、信用しても良いものか悩んでいます。
そんなことを考えているうちに、向こうから話しかけてきました。
「貴方達、最近、随分と活躍されているみたいですね、すごいことです、感心いたしました」
いきなり褒められて困惑していると、さらに続けて、こう言いました。
「そこで、私からちょっとしたプレゼントをご用意させていただきました、
受け取ってください」
そう言うと、彼女は、小さな箱を取り出し、それをこちらに差し出しました。
最初は断ろうかと思ったのですが、
「遠慮なさらずにどうぞ、中身はネックレスになっていますので、
身につければ、きっと役に立つはずですから、それに、私は貴方に期待しているのです、
是非とも頑張って欲しいと思います、それでは、またお会いしましょうね、さようなら〜」
と言って、姿を消してしまいました。
残された私達は、呆然と立ち尽くしていましたが、サナトスさんが言いました。
「取り敢えず、開けてみる?」
彼女の言葉に頷いて、箱を開けると、そこには、綺麗な宝石の付いたペンダントが入っていました。
試しに着けてみると、サイズもぴったりで、とても気に入りました。
それからは、道中、肌身離さず持ち歩くようにしていました。
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