第16話 嬉しい私
サナトスさんが素手でドラゴンを殴りつけたのです。
どうやら、彼女には秘められた力があったようで、
まさかあの巨大なドラゴンを相手に勝てるとは思いもしませんでした。
しかし、私達もただ傍観している訳にもいきませんから、少しでも役に立てるようにと頑張りました。
こうして無事に洞窟を出ることが出来たので、改めて感謝の気持ちを伝えておきました。
彼女は照れながらも受け入れてくれるのですが、その後で重大な事を告げてきたのです。
それは彼女が魔物であり、見た目は人間であっても本質的な部分は異なるということでした。
それを聞いた私達は衝撃を受けましたが、それでも変わらず接することを心がけています。
サナトスさんも、私達のことをとても信頼してくれているようで、
こちらもそれに応えるよう全力で応えたいと思います。
とにかく、これからも仲良くしていけることが分かり、とても嬉しく思っています。
今後の旅路についても、サナトスさんが協力してくれるようで安心しましたし、
何よりも心強いです。
洞窟から脱出した私達は次の目的地へと向かうため、出発することに決めました。
特に当てもなく進んでいる最中でしたが、道中で休憩をとっている時に、
ある問題が浮き彫りになってきました。
それは私とご主人様はまだまだ実力が足らず、サナトスさんに相談するのです。
「私達、もっと強くならなければなりませんね」
そう口に出すと、サナトスさんも深く頷いていました。
しかし、現状の自分達では難しいかもしれませんし、
何をすれば良いのかわからない状況なのです。
それでもやるしかありませんから、新しいスキルを習得することに成功しました。
その名も【慧眼】というものらしいです。
簡単に説明しますと、相手のステータスを見ることが出来る優れものです。
この能力を使いこなせるようになれば戦力アップに繋がると思いますので、
これからは積極的に鍛えていこうと思うのです。
ちなみにご主人様は【召喚魔法】というスキルを手に入れたようですが、
まだよく理解できていないみたいです。
ですが、すぐに使いこなしてみせると意気込んでおりました。
そんな時だった、私達の前に現れた人物がいました。
「おやおや、あなた方は一体どちら様でしょうか?」
そう言ったのは一人の女性でした。
年の頃は20代後半くらいでしょうか?
彼女はとても綺麗な顔立ちをしていましたが、どこか怪しげな雰囲気を漂わせているように感じました。
でも、悪い人ではないようですし、話し方も丁寧だったので安心しました。
しかし、彼女から感じた魔力はなかなかのものでした。
これは只者ではありません。
そう感じるとワクワクしてきます。
そんなことを思いながら質問してみたのですが、返ってきた答えは予想外のものでした。
なんと彼女も魔法やスキルなどを使うことが出来るのだそうです。
しかも、その中でも特にお気に入りなのが【全属性魔法】だそうで、
その実力はかなりのものだそうです。
私は、目を輝かせながら話しを聞いてしまいました。
そうすると、彼女はクスクスと笑いながらこう言いました。
「あらあら、そんなに食いついて来るなんて珍しいですね」
私は恥ずかしくなってしまいましたが、それでも興味津々なのを抑えられず、彼女の話を聞きました。
とても興味深い内容ばかりで、もっと話を聞いていたかったのですが、残念ながら時間が来てしまいました。
もう少し彼女と話がしたかったので残念ではありましたが、また会えることを期待して別れたのです。
それから私達は、更に次の町まで歩こうとしていたところだったんですが、
突然サナトスさんがこんなことを言い出したのです。
「ねぇ、この町で一休みしない?」
それで納得しましたが、どうして急にそんなことを思ったのでしょうか?
それになぜなのかは分かりませんが、私と一緒の部屋が良いと言って来たのです。
でも不思議と嫌ではなかったし、寧ろ嬉しかったくらいです。
なので了承することにしました。
そして、そのまま宿屋へと向かった私達は、
部屋でくつろぎながらこれからどうするか話し合ったりしていました。
そして、ふと気になって聞いてみたのですが、何故私と一緒に寝たいのかが分からなかったからです。
そうすると、サナトスさんはこう答えてくれました。
「だってあなたのことが好きなんだもの」
まさかの告白だったようです。
私は動揺しつつも彼女の気持ちを受け入れました。
今度は彼女の方からキスをしてきました。
しかも舌を入れてくるものですから、驚いてしまい、硬直してしまいましたが、
それでも受け入れることにしました。
私もそろそろそういう年頃ですし、興味はあったのですけれど、いざとなると勇気が出ませんでしたから……。
でも、今は違います。もう大人ですから!
そんなこんなで彼女との初夜を迎えることになりましたので、私は緊張しつつも覚悟を決めて臨むことにしました。
私にはご主人様がいるのにサナトスさんと愛し合ってしまい、本当に喜びました。
それも、彼女に沢山可愛がられ、幸せいっぱいな一日を過ごしたのです。
しかし、このことがきっかけでご主人様に嫉妬されてしまい、
この後大変なことになることは知る由もなかったのですが……。
こうして私はサナトスさんと付き合うことになったのです。
彼女のことを本気で愛していますし、これからは二人で幸せに過ごしていきたいと思っていますから、
彼女との時間を大事にしていこうと思います。
もちろん、ご主人様とも仲良く過ごしていくつもりです。
これからも二人との思い出をたくさん作っていきたいですし、
それにしても、サナトスさんって本当に凄い人なんです。
戦闘の実力も高く、知識にも富んでいる上に料理や家事全般を完璧にこなせるという完璧な女性です。
そんな女性が私を選んでくれたことを嬉しく思いますし、愛情を感じる今日この頃です。
彼女のことも沢山愛してあげなければいけません。
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