操り人形たちの狂宴

俺は銀竜にみんなを連れ去られて、叫び散らして落ち着いた後この階層に降りてきた時からの状況を考え直していた。

俺が降りてきた時はみんなが倒れていた、あれはおそらく銀竜の咆哮のせいだろう、俺もさっき喰らったときに少し体が痺れて、意識が飛びかけたから頭の中が白紙になったんだろう。

じゃあなんで俺が降りてきた時にいきなり咆哮えおしなかったんだろうか。

しかも俺にはあまり効かなかった、、、


「考えるのがメンドクセェェェェェ!!!」


またも銀世界に響き渡る叫び声

俺が状況を考えて対策を立てようとしていた時に、何かが吹っ切れたというか今まで神と戦ったときもずっと頭を使ってきた反動か、そのどちらかによって頭が完全に考えることを放棄してしまった俺は、叫んだ後すぐに銀竜が飛んでいった方向に、飛行魔法を付与して飛んでいく。

すると、5〜7分ぐらい経った頃に氷でできた高さが50メートル以上ある洞穴を見つけた。


「これだろ。多分」

『火魔法 火の槍フレイムランス


俺はその洞穴を見つけてすぐ火魔法を撃ち込み確認する。ちなみに飛んでいる間に俺は冷静さを取り戻していた。

俺が打った火魔法は氷の恫喝をまっすぐ飛んでいき数十秒ほどたってから何かに当たった。

火の槍が何に当たったのかはすぐにわかった。

何故ならあの銀竜の怒りの含んだ咆哮が聞こえてきたからだ。


「ここにいるのか、てかさっきの火の槍、皆に当たってたらやばかったな」


今更だろ、と思うような一言を呟きながら俺は氷の洞穴に入っていく。

中は外と同じで氷が凝縮されたようなものでできていて、時折俺が戦った白熊の魔物が氷漬けにされた姿で見つかった。

でも、俺が戦ったのとは明らかに違う点があった。それはだ、ここで見る白熊たちはどれもあれほど大きくなく、色も違う。


「もしかしたら、、、そんなわけないか」


俺は万が一のことを考えるが、そんなことはないと頭の中で振り払って進むが、それでも小さなしこりが心の中に残った。


「にしても、さっき俺が打ち込んだ火の槍が飛んで行った距離よりも明らかに入ってるんだがな」


そう、火の槍が銀竜に当たったと思われる距離よりも俺は氷の洞穴の中を進んでいるのにも関わらず、いまだに銀竜が出てこないのだ。

しかも、この氷の洞穴が異様に静かなのだ、それがより俺に警戒心を強くする。


~数分後~


「うん?この先だけ妙に明るいな」


俺は何も起きない氷の洞穴を進んでいって数分経った後、かなり道よりも広い場所を見つけて、その場所が明らかに陽光は入ってるのではないかと思うぐらい明るいのだ。

俺はその場所に入ってみると、銀竜はいないがついに皆を見つけた。

その時の俺はみんなを見つけたから警戒心を解いていたのか、この後の出来事に反応できなかった。


「おい!道雄!どうした?あの銀竜はどこに行った?」


俺がその場に立っている道雄に聞くが、全く反応しない。


「おい!!聞いてるのか!?」


俺がより声を荒げて聞いたが、その質問に返ってきたのは、、、あの白熊と同じだった。


「なっ!?」


俺はずっと黙っていた道雄がいきなり巨大な白爪で攻撃してきたので、思考が一瞬停止して攻撃お喰らってしまった。俺は即座に道雄との距離をとって治癒魔法を使おうとするが、道雄は何かの力が働いているのか、額にが浮かんでいる。


「ちっ、この紋様のせいで操られていて、それでいて強化もされてるのか、、、じゃあ残りの皆はどこだ?」


俺が道雄を鑑定して今の状態を確認しようとしてるときにこぼれた独り言を自分で聞いて、最後の部分で疑問が浮かんだ時に後ろから小さな殺気を感じた。

その時、俺は脳で理解する前に反射でその場から離れていた。俺がその場を離れた数瞬後、俺がいた場所に大量のクナイが刺さっていた。


「まさか、園部もか!?じゃあ全員が操られているのか!?いや、猫恩は操られないはず!」


俺はクナイを見て思ったあと、最悪の想定が頭に浮かんだ。そしてクナイが飛んできた方向を見ると、当然のように園部が立っていた。額に道雄と同じ紋様を浮かべて。


「まじかよ、あの銀竜を早く見つけ出して倒さねえと俺が先に負ける!!」


俺は時間をすぐに停止させると、世界から色が失われた。

時間を止めると魔法が使えなくなり、スキルも攻撃などが使えなくなってしまうので『鑑定眼』を使って園部の状態を確認だけする。


鑑定結果


園部忍 18歳

レベル 99(高校生)26(忍者)

職業 高校生 忍者

力 1201 防御力 1184 魔力 1382 魔法耐久力 1290 素早さ 2049 運 621

スキル 千里眼 職業スキル クナイ生成 忍術

魔法 無し

称号 高校生 忍者 千里を見通す目を持つ者

状態異常 スキル『操り人形マリオネットの狂宴グラプシア』の支配下


「これか!」


俺は一人止まった世界の中で叫んだ。このスキルを銀竜が持っていて、咆哮で麻痺か気絶させて抵抗力を無くしてからスキルで操っているのか、、、銀竜は普通の大人ぐらいの知能は持っているのか。

俺は銀竜の場所を確認するスキルを創造魔法で作ればいいかとまで考えたところで、

その時俺が止まっていることを認識した園部はクナイを投擲し、道雄は巨大な爪を振りかぶりながら俺に詰めてくる。


「何で時間動いてんだよぉぉぉぉぉ!!!」


俺は突然のことで一瞬止まっていたことが悪手で、回避した時にはクナイを2本、脚に喰らっていた。


『クリエイティブ』

「スキル創造 索敵系 空間把握 強制探知 強力隠蔽」

『完成しました スキル 万物把握サーチグラプス

「よっしゃぁできたあ!!」


俺はとっさに創造魔法を使って索敵のスキルを創り、銀竜の位置を把握する。


「そこにいるのかぁぁ!」


俺は銀竜の位置を把握し、その場所に飛行魔法を使い全速力で向かう。


銀竜!待ってろよ!お前は俺が必ず殺してやるからな!

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