天使=強い、、、けどなんか違う!?
3階層のボス部屋の前~
「ところでボスには挑まないのか?」
「あっ、、、」
俺はオカジノイシェルに説教をしていて今ここにいるのがボスの部屋の前と言うことを忘れていた。
「ナイス、忘れてたぜ園部。どうやってあのアンデッドを倒すか?」
俺がみんなに聞くとオカジノイシェルが、
「なんだ、あんなのすぐ倒せるだろ」
と言ってきたが小栗が、
「本当に?」
と少し睨みつけながら問答する。
「なんなら今から倒しに行ってくるぜ」
『天使に宿りし聖なる魔力よ、我が双手に宿れ』
『聖光魔法
と詠唱してすぐにボス部屋に走り込んでいく。
「「「「は?」」」」
俺たちが驚いたが、それはまだ序の口だった。
「おいしょっと」
とオカジノイシェルがそう言いながらアンデッドたちを素晴らしい拳闘で殴り倒していく。
「何かの拳術を極めているような動きだな」
園部が言うので俺はオカジノイシェルの動きをじっと見る。
オカジノイシェルはアンデッドの波を自分の間合いに入った奴を確実に倒し、何かの歩法でじわじわとアンデッドのボスとの距離を詰めていく。
「これ俺たちの出番いらなくね」
そう言わせるほどオカジノイシェルが強すぎたのである。
オカジノイシェル目線~
「ふっ」
呼気を吐きながらアンデッドを殴って砕く。
アンデッドの波を1秒で約10体ほど倒し続けて自分のいるスペースを確保しているが、ボスが無限にアンデッドを生み出し続けていることを数分の戦闘で分かり、
「先にボスを倒さないといけないな」
『天翔ける猛き翼よ、我が背の翼に、力を与えろ』
『聖光魔法
オカジノイシェルの背に生える、2対の翼が光々と輝き大きくなる。
「さっさと行くか」
近くにいるアンデッドたちに手に宿った聖なる魔力を放出して、一気に倒して飛翔する。
アンデッドのボスを目視で確認してその頭上に高速で飛ぶ。
「この魔法も得意なんだ,、よっと」
『穢れなき結界よ』
『聖光魔法
オカジノイシェルを中心として、直径4mの結界が張られる。
見た目はブリリアントカットされた巨大なダイヤモンドのようだ。
結界の中に入ったアンデッドは全てが一瞬にして消えてしまった。
「これで一旦休めるな」
オカジノイシェルが少し休もうとすると、アンデッドのボスが口から腐食液のようなものが吐き出され結界にかかった。
すると、煙を立てて腐りながら結界が溶けていく。
「マジかよ、この結界俺の一番得意な魔法なのに!?」
一番得意な魔法を破られかけているからか、狼狽えながら魔法を詠唱して構える。
かなりの速度で結界が溶かされアンデッドたちが腐食部分に群がっていく。
アンデッドに腐食は効かないらしい、腐食液に触れても何も起きていないからだ。
「攻撃魔法が苦手だが、使えないわけではないぜ!」
『我は聖なるもの、不浄のものたちを浄化せし者、浄化の力よ我が眼前のものを、浄化せよ』
『聖光魔法
結界が溶かされ魔法が解除されたとき、オカジノイシェルが魔法を詠唱し終わり浄化の光線が放たれる。アンデッドたちが一気に浄化されるが、ボスは知能があるからか回避する。
「避けるのかよ、一応知能はあるんだな」
余裕のある口調で言っているが実際は、浄化の光が放たれたボスのいる方向だけアンデッドが浄化されているだけなので他の方向のアンデッドは残っている。
「また、肉弾戦か」
時間は少し飛び、数分後~
「あとボスだけだな」
そう、まだ大量のアンデッドが居たのにわずか数分でボス以外全てを殲滅したのだ。
今はボスにアンデッドを創り出す時間を与えないように接近戦で戦っているが、以外にボスが腐食液をうまく利用して少しだけだが間隔をあけ、戦闘が長引いている。
「ああああああ!うぜえええええ!!!」
オカジノイシェルがついにキレた。さすがに10分以上もボスだけなのに戦闘が長引き続けたら皆キレる。怒ったからなのかわからないが動きにキレが出てボスとの間隔が短くなる。
「不浄のアンデッドおおおおおお!消え失せろ!!!」
オカジノイシェルがボスの動きを先読みして殴り飛ばす。
吹き飛んで行ったボスは光となって消えていく。
「やっと終わったぜ!」
オカジノイシェルが清々しい爽やかな笑顔で言う。
大量の魔石に囲まれた状況で
「お、おう」
俺はあまりにもその光景が凄すぎて呆然としていた。
「とりあえず、この散らばった魔石を皆で集めるか」
俺がみんなに言って、魔石の回収を始める。
集め終わって数を確認すると1895個もあった。
「お前、こんなに大量のアンデッドたちを数十分で倒したんだな」
「そうだぜ、だってあんな雑魚一回殴るだけだしな」
と俺が引き気味に聞いたのだが、さも当然のように言われたので天使ってやっぱり強いんだなぁ。と思っていた。
しかし、あえて俺が聞かなかったことをストレートに聞くやつがいた。
「ところで、何で天使なのに魔法で倒さずに肉弾戦で倒したんですか?」
そう、葉杜華さんである。
天然と言うか、大人にしては馬鹿なのかわからないが、とりあえずこの人は自分が気になったことをすぐに聞いてしまう人だ。
俺は、オカジノイシェルが攻撃魔法を天使にしては苦手だからじゃないか。と思っていたのでいちいち迷惑を起こすわけにはいかないと思っていたから聞かなかったのだ。
そして葉杜華さんに聞かれたオカジノイシェルはどう答えるのか?
「俺、とにかく攻撃魔法が苦手で付与魔法とかの支援系魔法は得意だったから、自分に
自らの弱点を克服していることを自慢のように言った。
「へぇ~そうなんですねぇ」
葉杜華さんは興味がなくなったのか、冷めた声で応答した。
「ねえ氷室、あのドロップどうするつもり?」
「うん?あのドロップ?、、、階層ボスのドロップか!」
俺は大量に転がっている魔石のことだけを見ていて、階層ボスがアイテムをドロップすることを忘れていた。
俺はおそらくドロップであろう魔石と、何かの石そしてまたもや
「え~と、何々『腐食魔法を記した本』?」
俺は本の表紙を読もうとしたが、少し爛れていたりちぎれているので読みにくい。
「腐食魔法?何かを腐らせたりする魔法か?さっきボスが使っていた。俺には読めないが」
園部が俺に聞いてきたが、それよりも
「えっ、園部には読めないのか?」
俺が驚いた口調で聞くと、
「読めない、こんな見たことのない
「どんな字だ?」
園部が本に書いてある字を俺が創造した紙に書いていく。
書かれた字は、楔形文字のような字だが明らかに文法らしき配列があるからだ。
「何かの文字なのか、神が使ってる文字かもな」
俺は笑いながら言っていたが、その間に考えてその可能性もあるかもしれないと思ったので、
「オカジノイシェル~!」
俺は天使であるオカジノイシェルが前、天使は神に作られるといっていたので確認することに咲いた。
「なんだ?」
飛翔してこっちに向かってきた。
「この字お前読める?」
「お前っていうな!オカジって呼べ!」
「いやそんなことより、この字が読めるのかって聞いてるんだが」
「うん、ああこの時か読めるぜ」
オカジノイシェルが本の表紙の字を見て、当然読めるという表情をして答える。
「何で読めるんだ?」
「俺たちを作っている、神が使っているからだぜ」
「あ~やっぱりそうか、じゃあ何で俺は読めるんだ?」
俺が素朴な疑問をぼそっと言うと園部が、
「氷室、お前神を殺したからじゃないか」
「そうか!」
俺はやっと自分がこの字を読めることが分かったが、小栗がなぜ読めるのか?
と言うことはわかってない。
しかし、小栗がこの字を読める原因によって、俺が神を殺したことで字が読めるようになったわけではないと気付かされた。
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