天使(男)、、、はい?
~三階層~
「うわぁ~やっぱり真っ暗だな」
俺は何となく予想していたことが当たって渋々光魔法を使う。
俺が渋々使う理由は、並列起動できる魔法が3つが限界だからだ。
光魔法を使っていたら、他に2つしか魔法が使えなくなって『複合魔法』の使用ができなくなる。
俺がそんなことで悩んでいると、園部に
「氷室、魔石に光魔法を付与して渡してくれ。自分たちで持っておいた方がいいからな」
と俺に青天の霹靂のようなことを言ってくれたので
「ナイス!ありがとな、園部」
「何のことかは知らないがな」
園部はそう言っているが、俺は考えていることをわかっていたなと思っていた。
「そうだ、魔鉱で持ち手を付けて松明みたいにしてと、出来たぞ」
俺は錬成魔法をとても使いこなしている。
俺が全員に手渡した後、階層の造りを見て思ったことは
「これって、道が四方にあるってことは迷路だよな?」
「そうっぽいですねぇ。いかにもダンジョンって感じでワクワクしますね」
そんなことを喋っていると、肉が地面を這ってくるような音がたくさん前の道から聞こえてきた。
「これって、、、たぶんアンデッドだよね」
小栗が震えながら聞いてきたので、
「確認するか、よっと」
俺は前の道に、光魔法を付与した魔石を放り投げた。
そして浮かび上がったのは骨の周りに腐りきった肉がへばりつき、目は片方落ちかけている、いかにもアンデッドみたいなやつが7体ほど来ていた。
「うわっやっぱりグロテスクだよな」
俺は何となく予想していたから、落ち着いているが小栗は
「嫌ぁぁぁぁぁ!!!!、グロいよぉ、助けてお母さんぅぅぅ」
と言う風に慌てふためいている。
「落ち着け、騒ぐな」
「ぎゃふっ」
園部が小栗にデコピンをしながら、クナイを投擲してアンデッドの眉間を貫く。
「まあ、火力は任せろ。試してみたかったことがあるんだよな」
『火から生み出されし光よ、原初の火と合わさりて、我の望みし者となり、穢れし魂を浄化せよ』
『複合魔法 ピュアファイレイ』
浄化の光が極太のレーザーとなって発射されるのを見て俺は、
「魔法の名前違うな、マ〇タース〇ークだぜ」
ゴンッ ガンッ
「やめとけ、氷室、、、著作権的に」
「い、痛ってえな、俺はちょっとロマンを求めて、某弾幕系ゲームの某魔法使いの技っぽかったから言っただけだ!」
「お前はその廚二をどうにかしろ」
「うっ、、、まあちゃんと倒したからそれでいいだろ」
俺が言った通り、アンデッドは浄化されている。
「ねぇ、は、早く進もうよ。この階層に長くいたら精神が」
小栗がフルフル震えながら言ってきたので、
「そうだな。急いで階層を抜けよう」
俺は小栗にそう返してダンジョンの奥へと向かっていた。
しかし、一つの問題が浮上してきた。
「腹が減ってきたな、氷室何か食べ物あるか?」
道雄がごく自然に聞いてきたが、俺は何かに気が付いた。
「そういえばこのダンジョン一回入ったら、クリアするまで出れないんだよな、、、ご飯どうしよう」
俺はそのことを考えていると一つの
「そうだ、創造魔法で食べ物を作り出せばいいのか」
俺は早速創造することにした。
「最初はパンかな」
俺は米粉パンを創造して少しかじった。
「味は変わらないと、これでオッケーだ。道雄、これ食べろよ」
道雄の方に俺は振り向いて口にパンを突き刺した。
「むぐっ、ゲホッ、、、なにすんだよ」
「え、パンを食べろよってことだけど」
「だからと言っていきなり口に突っ込むやつはいないだろ!」
「いや、食べたかったんだろ」
と道雄と俺が言い合いながら道を歩いていくと、またもや肉が地面を這う音が聞こえてきた。
「また来るのか、頼んだ!」
俺は今まで7回アンデッドを殲滅してきたから、皆に任せることにした。
「まあ、お前がいなくても問題ない」
園部が冷淡にそう言った直後、千里眼で見ていたのかクナイを投擲してアンデッドを一体倒す。
「私も」
『
小栗が2階層をクリアして手に入れた『暗黒魔法』でアンデッドを濃縮された闇の弾を操作して倒す。
ちなみに小栗は7回もアンデッドを見ていたら慣れたようだ。
「私の植物魔法の出番がなかったですねぇ」
葉杜華さんが一体もアンデッドを倒せなかったので、(´・ω・`)とした表情をしながら言う。
「さあ、進もうぜ」
俺はみんなを率いて迷路のような3階層を進んでいく。
そして、いかにもこの後ボス戦ですよ、と言うしかないような部屋を見つける。
「意外と早かったな!行ってくるぜ!」
道雄が部屋を見つけてすぐに突入しようとしていたから、俺は無理やり止める。
「いや、毎回すぐに突入しようとするんじゃねえよ」
呆れた感じの声で道雄を説教する。
「そこまでにしとけ、部屋の中にはボスであろうアンデッドとその周りに大量に普通のアンデッドがいる。部屋は800㎡ぐらいだ」
説教している間に園部が千里眼で部屋の中を見ていたようだ。
「周りの取り巻きを全員で倒してから、ボスを倒す?」
小栗が聞いてきたので、
「そうしようか」
と答えた直後に俺は頭にうっすらと響く声に気が付いた。
俺はこのことを皆に気が付かれないように、自分だけを加速させる。(俺の1時間がみんなの1日ぐらいまで)そうして、
『おい、おい!!』
『うん、誰だ?』
俺は頭の中でそう思ったら、
『お前が持っている
『・・・あっ、完全に忘れてた』
『そうだとは思っていたけど、あんなに鑑定してから何だろうとか考えていたくせに忘れるとかお前バカなのか?』
『黙れよただの魂で実体を持っていないのに、で何で話しかけてきたんだ?』
『さっさと俺を召喚しろ!』
『どうすればいいんだよ!?』
『召喚魔法で聖核を触媒にして使用すれば召喚できる。早くしろ!』
『いちいち上から目線だな、お前天使じゃないのか?』
『俺を作った奴に似たんだよ』
俺は天使の魂と喋った後、すぐに時間の流れを戻して召喚魔法を使う。
『
俺が手に持っている聖核がまばゆい光を出し、床に六芒星魔法陣が浮かび上がる。
「氷室、お前何しようとしてるんだ?」
と、園部が聞くが遅い。
六芒星魔法陣から白のブラウスを着て、背に純白の翼が一対と漆黒の翼が一対生え、髪は黒で天使とは見えない青年っぽい見た目の天使が出てきた。
「よっ、俺が座天使オカジノイシェルだ。オカジって呼んでいいぜ!」
と召喚早々そんなことを言ってきてみんなが硬直する。
スパンッ
と、とてもいい音で俺が天使の頭を叩く。
「痛ってぇ、何で叩いた方の俺の手が痛たいんだよ」
叩いたはずのオカジノイシェルは爽やかな表情を崩しもしていない。
「何かした?」
「うぜえなお前、さっき念話してた時も思ってたけどよ」
俺はオカジノイシェルにマジレスする。
こんな変な奴だが仲間になったおかげで、
この後の階層ボス戦が楽勝になったのは事実だったのだ。
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