やっと三階層に行くぞぉ~!

「この本は、何か見たことがある、よな?」

俺はオークキングがドロップした宝箱から出てきた革のカバーで包まれている本を見てそう言った。

「どこで見たことがあるのじゃ~?」

俺のつぶやきに反応して、猫恩が聞いてくる。

「う~ん、どっかで、いや読んだことが、、、あっ!」

「なんじゃ?」

俺は記憶を掘り起こしていると、あの古本屋で買った本がこんな見た目をしていたことを思い出した。

「と言うことは、読めば何かを獲得できるのか?」

俺はそんなことを思って、本の表紙を見た。

『闇魔法を記した本』

書いてある表紙を見て、

「俺は獲得しているし、誰に呼んでもらうべきかな?」

俺はまず園部が思いついたが、それよりも攻撃魔法を持っていない小栗に読ませるべきだと思ったが、今ここに小栗がいないので

「まあ、後にするか。それよりもこのは何だろう?」

とりあえず、鑑定すればわかるので金属塊を先に鑑定することにした。

『鑑定』

【鑑定結果 ミスリルの塊(4kg)高純度99,3%

      魔法金属の一種であるミスリルの塊】

「おおっ、純度が高いな、この直径30cmぐらいの珠は何なんだろう?」

『鑑定』

【鑑定結果 聖核 天使の核エンジェルズコア

      座天使『オカジノイシェル』の魂が込められた聖核。

      魔力を貯蔵することができ、その魔力を付与することで武器を

      『聖武器ホーリーウェポン』にすることができる】

「、、、?」

俺は鑑定結果を見たが、正直何を言ってんのこれ?状態になって呆然としていたので、

『検索 聖武器』

【検索結果 聖武器 聖なる魔力が付与されている武器。

          不死者やアンデッドに非常に強力な武器。

          作るには普通に『聖光魔法』を付与するのではできないので『聖核』が必要になる。

「この階層で出てくるってことは、次はアンデッドかな?」

俺は、アンデッドに特効があるのを見てそう思った、が俺は大切なことを見落としていることに気が付いた。

「座天使の魂が込められたってどうゆう事だ?」

『検索』

『検索結果 聖核を触媒として召喚魔法を使うことで込められた魂を顕現させることが可能』

「召喚できるのか、、、と言うか天使はどんな位置にいるんだよ。神の下なのかな?」

『検索』

『検索結果 天使 神に作られ神に従う存在、しかし召喚された者はその限りではない。

         階級 《第1階級 熾天使セラフィム

            《第2階級 智天使ケルビム

            《第3階級 座天使スローン

            《第4階級 主天使ドミニオン

            《第5階級 力天使ヴァーチュー

            《第6階級 能天使パワー

            《第7階級 権天使プリンシパリティ

            《第8階級 大天使アークエンジェル

            《第9階級 守護天使ガーディエンジェル

            の階級からなり、人間の神話などに出てくる、

            ミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエル

            などは大天使である』

「へぇ~天使ってそんな階級が定まってるんだな」

俺は天使についての検索結果を見た後に、聖核に込められた天使が『座天使』と言うことは上から三番目に強いのか。

俺がそう考えてるとき、

「おーい、帰ってきたぜぇ」

と道雄が小栗と一緒にこちらに向かってきている。

「、、、それはなんだ?」

「うぉっ、園部後ろに居るなら言ってくれよ、ビビるだろ」

園部にいきなり後ろから声がかけられて、反射的にその場から離れてしまった。

「気づかないお前も悪い」

「、、そうかよ」

すると、葉杜華さんが、

「これって3階層に行くための螺旋階段ですよね?」

「そうだが」

「じゃあ、行ってきまーす!」

ガシッ「ちょっと待ってください!」

意気揚々と葉杜華さんが階段を降りて行こうとするので、無理やり捕まえて止める。

「何で行かないんですかぁ?」

「次の階層はおそらくアンデッドが出てくるからですよ」

俺が言ったことに園部が、

「アンデッドが出てくる確証は、その珠の鑑定結果からか」

園部は相変わらず鋭いなあ

「そうだ、この珠は魔力を込めることができてその魔力を付与した武器はアンデッドや不死者に特効があるらしいから、さすがに次の階層はアンデッドだろう」

俺が考えを言っておく。

「じゃあ、この斧に魔力を付与してくれよ」

道雄が言ってきたのでとりあえず鑑定する。

【ミスリルの斧 氷室令がミスリルで制作した斧 耐久値54/1804】

「これもう、壊れる寸前だから新しいミスリルと合わせて錬成しなおすぞ」

「マジか!まあ、ずっと振り続けてたからな!」

と言いながらサムズアップしてきたので、へし折りたい。

「ついでに魔紅玉も少し付けるか、『火魔法』を付与したいからな」

「火魔法!ついに魔法が使えるのか!」

「いや、斧に魔力を注ぐと、刃が火に包まれるだけだけどな」

「それでもいいんだよ!まあ、魔法自分で使いたいけどな」

俺が話している間、葉杜華さんと小栗と猫恩が三人で喋っていた。

「ほんと、ロマンが分かってないですねぇ~」

「でも、そのまま三階層に行って死にかけたらどうするつもりなんですか!一番年長者がそんなのでいいんですか!」

「あの、、、そこまで言わなくても」

「でも、我が主が居るなら何も問題なかったのじゃ!」

猫恩が言うが、小栗は疑わしいらしく

「本当にそうですか?いくら強くても不死者ですよ、不死者!勝てないでしょ!」

「でも、アンデッドなら高火力の火魔法なら効くし、

光魔法の上位互換を使えばいいだけなのじゃがな」

「本当に勝てるの氷室君!」

「うおっ、いきなり叫ぶなよ、、、錬成が失敗するだろ」

「それはごめんなさい、でも氷室君が居れば勝てるって猫恩ちゃんが言ってるから、本当なのかなって」

「う~ん、やろうと思えばできるかな?」

「本当に!?」

「おっ錬成が終わったな。はい、道雄だいぶ強くなったぞ」

「うお~ありがとな!」

俺が道雄に渡した斧は戦斧の形で刃の真ん中に魔紅玉の小さい球がはまってあり、火魔法が付与されている。

「ちょっと!聞いてるの!」

「何のことだっけ?」

「お前が一人で、三階層をクリアできるのかって話だ」

「サンキュー、園部。索敵能力は無いけど、戦闘なら負けはしないと思う」

「そう、私ってまったく使えないからね、この杖を使わないと戦闘できないし、、、」

その言葉を聞いて、俺は『闇魔法を記した本』があることを思い出した。

「あっ!そうだ、小栗!」

「何よ」

「この本を読んでくれ」

俺は『闇魔法を記した本』を手渡す。

「何よこの本、え~っと闇魔法を記した本?これを読んだら、闇魔法でも獲得できるのかしら」

「そうだ、読んだら獲得できるらしい」

「本当に!嘘じゃないわよね!?」

「読んでみろよ」

小栗が本を開く、そして読んでいくと

「うっ、頭が少し痛くなったけど読み切ったわ。これで闇魔法を獲得したはずだけど、、、」

『ステータスオープン』

「うそっほんとに闇魔法が増えてる、後派生形の血魔法と上位互換の暗黒魔法も獲得してる。こんなにいい本を読んでよかったの?」

「小栗だけ、戦闘に杖を使わないといけないのは不便だろ?魔力効率も悪いし」

「そうね」

俺と小栗が喋っていると、

「俺たちのこと忘れてないか?あと三階層のことも」

園部に言われたので、

「あっ、じゃあ全員の武器に魔力を付与していくか」

そうして、全員の武器に聖なる魔力を付与して

「さあ、三階層に行くか」



俺は忘れていたのだ、聖核に使が込められていることに、、、





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