第三章 神々の遊戯 15

世界を飲み込んだ光が消え去って、

「倒したのか!氷室!」

と道雄が聞いてくるが俺は内心、(そんなことを言うんじゃねえ!フラグが立ったじゃねえか!)

俺がそう思いながら、道真のいたところを見ると、

ボロボロに焼き尽くされた人らしき物体を見つけて、

「勝った、、、勝ったのか!」

そう言って俺が喜んでいると、

「まて!動いてないか?」

園部がそう叫んだから、俺は道真の残骸(肉片になって焦げ焦げに焼き尽くされている)を見ると、

確かに動いて治癒し始めていた。

「まだ生きてるのか!」

(道雄がフラグを立てたからこうなったじゃねえか!)

そして、道真の残骸が集まりだして、元通りになった。

【貴様!何をしても我を滅ぼすことはできないのだ!】

道真が叫んだ。

「ならば、それを超えてお前を殺す!」

俺はそう宣言した後、時間を止める。

「よし!時間を止めて無限に切り続ければ、殺せるはずだ」

そうして大体、10000回ほど斬りつけたが、とてつもなく硬い。

魔鉱で作った刀がひび割れて壊れたのが大体10000回だったからそうして、時間を動かした。

【ぐっ、貴様ら何をした!完全に把握することができなかった。

しかし、どれだけ斬っても貴様らの武器では傷つけることすらできないのだ】

言ったとおりに、道真は体に傷一つついていない。

「もしかして、こいつは物理攻撃には最強だが、魔法には弱い可能性が高いな」

園部が状況解析をして呟いていたので、

「ナイス!じゃあ、魔法を試すわ」

『極雷』 『トライ・レイ』 『黒球こくきゅう

激しい雷と三本の光線、飲み込まれそうな黒色をした直径2cmほどしかない球(40球)ぐらいが、道真をめがけて飛んでいく。

しかし、道真は落ち着いて、

【神二刀流 魔法断絶斬まほうだんぜつざん

で全ての魔法を斬っていく。

「またその剣術か。魔法に不利だからそれを編み出したのか?」

俺が煽り口調で言うと、

【そうだ。魔法の得意な神仲間と協力して作った。だから、貴様らには負けん!】

道真が宣言したから、俺はみんなに

「園部と道雄と小栗!3人だけ避難してくれ。切り札を使う」

「了解」 「わかったぜ」 「OK」

そう言った後、3人は走っていく。

【ふっ、切り札だとそんなもので倒せるわけないから、逃がしたのは悪手じゃないか?】

【ちょっと黙ってて!アルス!やるよ!】

こくんとアルスがうなずいた直後、

【双生児の融合】

クリスが詠唱した後、二人が光に飲まれ消えるころには一人になっていた。

『光よ、己が作り出し闇と合わさりて、彼の者を飲み込め』

光と闇の協奏曲シェイルズデュエット

光と闇が混ざり合った波が道真を飲み込む。

その隙に俺と葉杜華さんは、

「憑依を使いますよ、葉杜華さん!」

「ひゃっ、ひゃい~」

びくびく怯えている葉杜華さんにそう言い、俺は、

『禁忌を秘めし、魔法よ、我の奥底の力により、我に祝福と呪詛を』

【極式魔法】 【全てを滅ぼし祝福する者】

葉杜華さんは、

『数多の植物よ、生命の起源の芽よ、私の声に導かれ、ここに神木よ顕現せよ』

【神木 磐座いわくら

二人をクリスとアルスが飲み込まれた光よりも強く神々しい光が飲み込む。

光が晴れると、俺は黒と白の混ざったローブを着ていて、

葉杜華さんは髪の毛が深緑と黒のアッシュになり、瞳が翡翠色になった。

そして口調が変わる。

「おっ、また呼び出されたのか。やっと前に使った力が戻ったんだよな~」

俺に憑依している存在がそう言うと、葉杜華さんに憑依している存在も、

「お前ほどの力を持っている存在がそんなことを言うか」

「仕方ないだろ、結構使ったんだから、てかお前見てただろ」

サッ、と風の音が聞こえる速度で顔をそらした。

【貴様は前に我を退かせたものか!絶対に貴様は殺してやるわ!

今までの極式魔法使用者に殺されていった神の仲間たちの仇!】

道真が叫び、居合の構えをとる。

「前は手を抜いていたって気が付かなかったのか?」

【何だとっ!】

道真が叫び、隙ができたところに、

『神木の操枝』

葉杜華さんに憑依している存在が、神木の枝を操り道長を吹き飛ばし、

飛んだ来た道長をクルス(クリスとアルスを合わせた名前)

が詠唱を終わらしていた魔法で、さらに吹き飛ばす。

そして猫恩が、

【妖魔の顎】

を使い道長を食いちぎる。

【ぐっ貴様ら!神に抗うとはな、我を殺すことはできないのに頑張るものだな】

俺に憑依している存在はニヤリと口を吊り上げ、

「できないと思うか?」

『クルージーン・カサド・ファン』

詠唱すると、前と同じ凄まじい力がこもっている光の剣が出現する。

【なっ、そうだ今まで神は殺されていたにやられてきたんだ】

道真の顔色が一気に青白くなる。

「じゃあな、そうゆう事だ」

俺に憑依している存在は無慈悲に光の剣を振り下ろし道真の首を斬り落とす。

「ふう、神を殺したからかなこの体に変化が起きている。もう憑依は保てねえな」

そう言った直後、俺はその場に倒れる。

「我もか、全然何もしていなかったのだがな、そこの二人!」

葉とかに憑依している存在がクルスと猫恩に命令する。

「我たちが目覚めるまで守っていてくれ」

「わかったよ~」 「御意なのじゃ、主じゃないのが残念なのじゃがな」

そうして、葉杜華さんもその場に倒れた。

こうして神に勝ったのだ。



しかし、まだ各地方ごとに神は準備している。

でも、俺たちは勝つよ。


【攻めてきている神 残り7体】

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