第三章 神々の遊戯 12

【うん?何か視点の高さが変わったのじゃ】

猫恩が言うが、

俺たちから見た今の猫恩の見た目は、を着ていない。

身長は140cmぐらいで葉杜華さんよりちょっと小さいぐらいだ。

「お前、、服を着ろ」

【えっ、、、あっ、見るんじゃないのじゃ~!】

猫恩が言うがさっきまでボーッと立っていて、もうすでに全員に見られているから何の意味もなさない。

「あのさ、何で『テイム』したら、あの化け猫がこんなのになるんだ?」

園部に真顔で聞かれたので、

「俺も知らないよ。初めてテイムしたんだから」

猫恩が魔法で自分の毛を服にして着ていると、

物凄い速度で近づいてくる人影が二人感じれた。

俺は感知の精度を最大まで上げると、クリスとアルスが来ている人物だと分かった。

「クリスとアルスだから警戒しなくても大丈夫だぞ」

俺が報告すると、

「そうですかぁ」

葉杜華さんが返してきたが、その直後

【そこの妖怪!ここで打ち取る!】

と、怒っているような声でクリスが飛び出してきて、そのすぐ後にアルスが出てきた。

【なっなんでなのじゃ!?】

猫恩は驚きの声を出していて、警戒が薄れているところにクリスが容赦なく

『ブレイズ・デトネ』

炎の爆発が猫恩に襲い掛かるが、

「ガチャリッ」

錠前が閉まるような音がして、猫恩の周りに半径2mの結界が張られる。

【えっ何が起きたのじゃ?】

猫恩の声と、

【何をするのよ!氷室!】

とヒステリックに叫ぶクリスの声が聞こえる。

ちなみにアルスは何もしていない。

「この猫恩は俺の従魔だから危険なんかじゃない」

クリスに言うと、

【そんなわけないわ!】

「いや、でも事実だし、ほら】

俺はステータスに従魔 猫恩が書いているのを見せる。

【ほ、本当なのね】

【だから、何も害はなさそうって言ったのに、、、】

クリスが呆然としているところに、アルスが聞き取れるギリギリぐらいの声で言う。

「「「「何が起きてるんだ?」」」」

園部、道雄、小栗、葉杜華さんの四人が思ったことだった。




{夕方~}

「クリスは何であんなに妖怪に攻撃的だったんだ?」

俺はクリスに聞くと、

【神は妖怪と仲が悪くて、常に小競り合いが起きているからね】

さらっと言われたが、

それなら神は人間の方の世界じゃなくて妖怪の世界を攻めればいいのにな。

そう思ったが次のクリスの一言でそれも吹き飛んだ。

【まあ、妖精はどちらの味方でもなく、中立で人間を見ていることが多い種族だしね】

クリスが言った一言で俺の心はそっちの方に惹かれた。が既に、

「本当に妖精がいるんですか!」

と廚二心に火が付いた葉杜華さんが質問攻めにしていた。

「どんな見た目をしているんですか?」

【えっと~手のひらよりちょっと大きいぐらいのサイズに小さい羽根が生えてたかな】

「やっぱり、想像通りですねぇ。妖精はテイムできるの?」

【テイムはできないけど、加護は与えられることがあるらしいよ。

よほど妖精に好かれないといけないらしいけど】

「加護を貰えるとゆう事は、つながりができるということですねぇ。

夢が広がりますね!」

と等々大量に質問しているから、クリスが少し疲れているように見えたが、

服の裾をアルスに引っ張られて、

「何かあるのかい?」

と聞くと、ちょいちょいと手招きをされて別の部屋に行くと、

【私の声に応じて、ここに顕現して、風の妖精シルフ】

アルスがそう言うと、薄い透けている妖精が現れた。

「アルスって妖精に好かれていたんだ」

俺が聞くと、小さくアルスがうなずいた。

「私のこと忘れてないですか」

と、妖精がそう言ったがすぐに消えてしまった。

「あまり、呼び出せないんだね」

「うん」

そう話していると、やっぱりアルスって破壊神に思えないよな。

「何してるんですかぁ?」

葉杜華さんがいきなり言ってきて、一瞬心臓が跳ねた。

「ななな、何もしてないですよ」

「本当ですかぁ~、こっそり自分たちだけ妖精を見ていたわけないですよね」

「そんなわけないですよ」

「ならいいんですよ~」

そう言って葉杜華さんはどこかに行った。

「ふうっ、やっぱり微妙に鋭いんだよな、葉杜華さんて」

そう俺は思っていた。


神が攻めてくるといった時まであと、、、1日

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