第三章 神々の遊戯 11
魔物を倒していると、歪なオーラが漂い始めた。
「何か、変な雰囲気を感じないか?」
俺が何かを感じて言った直後、
魔物が出現していたところから、そのいびつなオーラを放つ魔物が現れた。
その魔物は猫のような姿をしていたが、尻尾が二つに割れていた。
「この魔物は、猫又だ!!」
俺が警告を発するが、その前に園部がクナイを12本投擲していた。
【何だこのチクチクするものは?この程度では傷すらつかぬぞよ】
猫又が声を発して、体に刺さったと思ったクナイはバラバラと落ち消えた。
【さっきは、神が我らの暮らす『妖魔界』に攻めてきたと思ったら、すぐに消えたし何なのじゃ?】
猫又が疑問を口にしていたが、それよりも
「神が妖怪の暮らす世界を攻めた?」
そう、それに俺は疑問を感じた。
【そうじゃ。一人だったから、すぐに追い返したのじゃ】
意外と普通に話が通じたからちょっと驚いたけど、
「何でここにいるんですか?本来別世界にいますよね?」
みんなの疑問をぶつけると、
【最後に転移魔法で飛ばされたんじゃ。あの忌々しき『菅原道真』にな】
猫又が『菅原道真』と言ったとき凄まじい殺気を感じた。
そこで、俺は閃いた、明日の戦い一緒にすればいいんじゃ?
「猫又さん」
【うん?なんじゃ】
「明日ここに菅原道真が攻めてくるんですが、一緒に戦ってくれませんか?」
【いいのじゃが、それ相応の実力を見せてくれるのじゃな?】
とニヤリと笑った猫又の顔がかなり怖く感じた。
「おい!戦って大丈夫なの?勝てるかもわからないのに」
小栗にそう言われたが、
「大丈夫。絶対に勝つから」
断言してすぐに俺は『デル・フリス』を右手で持つ。
「じゃあ、私が審判を務めますね」
葉杜華さんが言ったら、
【ルールは気絶か戦闘不能、殺しはダメ。でよいかの?】
「それでお願いします。俺が勝ったら『テイム』していいかい?」
【よいぞ、勝てたのならばだがな】
と嗜虐的な笑みを浮かべた。
「よーい、始めっ!!」
始まりの合図がされた直後、猫又の姿が消えたように見えた。
途轍もない速度で爪を振り上げて切ろうとしてくるのを、俺は【デル・フリス】で受け止める。
【ほう、我の爪撃を耐えるか】
「まあ、特別性だしな」
そう言いながらも、高速の三連射(雷魔法付与)を打ち込む。
弾丸をたやすく切り刻んだ猫又は切った瞬間に紫電が半径1m範囲に吹き荒れ、
それに巻き込まれた猫又は、少しだけ苦悶の表情を浮かべた。
【何なのじゃ!その金属塊は!】
猫又が怒りを帯びた声で叫んだ。
「教えるわけないだろ、戦ってるのに」
と俺は言いながらも、銃を撃つ。
流石に警戒しているのか、銃弾は躱す。
てか、躱せること自体がおかしいんだよなぁ~。
まあ、妖怪だからだろうけど。
そう思っていると、
【
猫又が何かつぶやいたと思ったら、
「痛って!」
俺の腕に3筋の切り傷が付いていた。
「風の爪を繰り出したってわけか」
【よくわかったの!素晴らしい洞察眼なのじゃ!】
となぜかわからないが猫又がほめてきた。
「これはどうかな?」
銃が躱されると分かった俺は魔法で攻撃する。
『フレイムウォール』
『極雷』
猫又を炎の壁で包囲した後、その場に極大の雷を落とす。
【なかなかの威力のある魔法じゃが、我には効かぬぞ】
猫又は雷に焼かれているはずだが、焦げ目すらついていない。
俺は唖然としてしまった。
【うん?何故魔法が効いていないかわからない様じゃな。
効かないのは魔法に対する
と自らの隠すべきことを堂々と言ってくるあたり必ず勝てる自信があるんだろう。
しかし、俺には【複合魔法】がある。
これならスキルによる魔法だからおそらくスキルも通じないだろう。
そうして確実に【複合魔法】を当てるための仕込みをする。
銃を撃ちながら、魔法を使って当てるために確実に居てもらわないといけない場所に誘導する。
それは、裂け目の近くにある木と木の間だ!
そこにうまく誘導して俺は言う。
「これで終わりにしようぜ。だから全力の攻撃を打ち込む」
俺が宣言すると、猫又は
【そうか、ならば我も全力で行く】
そう言うが、
【妖魔の顎】
猫又の口の周りに、最初に現れたときと同じような歪なオーラを纏う魔法?を詠唱して全力らしき攻撃をしてきた。
俺は落ち着いて、
『白く気高き焔よ、雷を纏いて、我の敵を打ち滅ぼせ』
『複合魔法 雷の焔』
俺の今使えるおそらく最高火力の魔法を放つ。
「うぉぉぉぉぉぉ」
【なっ、なんじゃと!?我の最高攻撃と同等じゃと!】
猫又の驚く声が聞こえてきたが、それを気にせず込める魔力の量をさらに増やす。
【なっ、押し切られるっ。ぐにゃぁぁぁぁぁ!!!!】
と猫又が吹き飛ばされる。
「ふうっ、これ以上魔力を注がないといけなかったら俺が負けてたかもな」
俺がそう言うと、
「「「「凄すぎるだろ、、、」」」」
俺と猫又の戦いを見ていた園部、小栗、道雄、葉杜華さんの4人が呆然としていた。
【し、死ぬかと思ったのじゃ】
ボロボロになりながらも歩いてきた猫又が言った。
「約束通り、俺にテイムさせてくれるよな」
俺が聞くと、
【負けたのじゃ、潔くされるのじゃ】
『テイム』
俺が詠唱すると、猫又が光に包まれ俺の目の前に、
【テイムします。テイムする妖怪(猫又)に名前を付けてください】
「名前か。うーん、よしこれからお前の名前は『
そうして、俺の従魔が増えたのだが、
なんと、猫又に名前を付けたら、人型になった!!
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