第三章 神々の遊戯 6
俺がそう詠唱すると、体の奥底から得体のしれない力がはい出てきて、
一瞬にして俺の意識が落ちた。
「はあ、また神と戦うことになるとはな」
今の俺は、黒と白の混ざったローブを着ていたようだ。
その理由は俺はその時意識がなかったからだ。
「この体だと、どれくらいの魔法が使えるのかなっと」
『クルージーン・カサド・ファン』
凄まじい力がこもっている光の剣が顕現する。
菅原道真が反射的に光の剣を見た瞬間、
【貴様!今までの神々の侵攻を食い止めてきた奴ら共の子孫か!】
「えっ」
葉杜華に憑依している存在の、気が抜ける声が聞こえた。
「そうだが、何か問題があるのか?」
そう言いながら、俺に憑依している奴は光の剣を振るい、道真に切りつける。
【ぐっ、ぬうー】
かなりきつそうな声を出し、道真は剣を受け止める。
「死にたくなければ、頑張れよ。若き神よ」
『暗黒魔法』
『深淵の捕食者』
深く漆黒の闇が道真を食い尽くそうとする。
【時空転移 (神界)】
そう、道真がつぶやいた後、闇がその場を飲み込んだ。
闇が消えるころには道真は消えていた。
『スキル解除』
光の剣もその場から消える。
「倒したのか!?神を!」
葉杜華に憑依している存在が聞く。
「倒してはいない。転移魔法で逃げたんだよ」
そう言った後、
「くっ、もう憑依が終わるか。二回連続はさすがに無理か」
葉杜華に憑依している存在がそう言い、その場に倒れる。
「俺もそろそろ憑依が終わるな、久々の世界だったなぁ」
俺もその場に結界を張った後、倒れていった。
次に目が覚めて最初に見たのは、建物の天井だった。
「あの神はどうなったんだ!?」
俺は起きてすぐにそれについて聞いた。
すると、どたどたと走る音が聞こえてきて保健室のドアが一気に開いた。
「大丈夫か!?」
園部が聞いてきた。
「大丈夫だけど」
「よかったー。神と戦ったであろう場所に葉杜華さんと一緒に倒れているから
何が起きたんだ?と思ったんだよ」
「そうか」
そう言うと、小栗が
「お前は何で神と戦える力を持っていながら何も言ってなかったんだ」
とあきれながら言われた。
「俺もよく知らないんだよ。魔法を使ったら意識がそのまま無くなって、
気が付いたらこうなってたんだよ」
俺がぶっきらぼうにそう言うと、
「葉杜華さんも同じことを言っていたよな」
そう言われて、
「そういえば、葉杜華さんが詠唱した後、性格や口調が豹変していたよな」
俺は、そう思っていたけど葉杜華さんに迷惑をかける可能性があるから言わなかった。
「そうだ!忘れてたけど裂け目が無くなった後、あの場の大地が脈動したと
思ったら魔物らしきものが出てきたんだ!」
そう言われて、俺は前に検索した時に魔物も出現することが
書いてあったことを思い出した。
「ここ以外に、神の人形が攻めてきたところはあるのか?」
「学校はここ以外なくて、各県に一か所ずつ攻めてきているそうだ。
他の場所も強い職業の人たちが倒したそうだ。 死者も出たらしいけど、、、」
「そうか、他の場所には神は来なかったんだな」
小栗が
「なぜここには神が自ら攻めてきたのかな?」
「おそらく、俺や葉杜華さんのような特異なスキルを
持っている人がいたからだろう。なんなら、神もいるしな」
と俺は結論付けたがそれをここで言うと、何を言及されるかわからない。
仕方なく俺は、
「俺たちみたいな、強力な職業が7人もいたからだろう」
「やっぱりそうなるよね」
そう話した後、
「道雄はどこに行ったんだ?」
「あ~魔物を見て目を輝かせて倒しに行ったよ」
「マジかよ、、」
そしてその後、魔物を倒すことの重要な意味が分かった。
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