第三章 神々の遊戯 5

俺は飛行魔法で飛んで、園部&小栗のところまで飛んで行った。

「そっちの三体の中に『神の加護は我にあり』って詠唱した神の人形はいた?」

「そんな奴はいなかったけど、何かあったのか?」

園部に聞かれたので、

「道雄と戦った三体の中に一体その魔法を使って、道雄の狂戦士化を追い詰めて倒しかけたんだ」

「それは、氷室がそいつに勝ったのか?」

と、園部による疑問が出た。それを、小栗が

「氷室は勝ったからここにいるんだよ。な?氷室」

そう言われて、俺は謎の者の存在を皆に言うか迷ったが、

言ってややこしくしてはいけないと思って言わないとして、

「そうだ、俺が倒した」

「そうか、で道雄は何で寝ているんだ?」

園部の鋭いツッコミが走り、

「あっ、忘れてた」 俺は睡眠解除の魔法を詠唱する。

『強制起床』

道雄が目覚めいきなり、

「あの神の人形はどうなった!?」

「俺が倒したよ」 そう言うと、

「そうか、死んだかと思ったわ」

まあ、こうして喋っていたらふと俺は思い出した。

「葉杜華さんのこと忘れてる!」

「「「あっ」」」 全員が顔を見合わせて、血の気が引いていった。

「ちょっと、探してくる!」

そう言って、すぐに飛行魔法をかけて俺は探しに行った。

「う~ん、そういえば戦闘中にとてつもなくでかい木が生えていたよな」

俺は、その木が葉杜華さんの植物魔法によって生まれたものだと思い、

木が生えていたところに向かった。

「ここか」

降り立った後、俺はすぐに不自然な植物に囲まれた場所があることに気が付いた。

「普通に考えれば、ここだよなあ」

魔法で破壊するのは危なそうだったから、しぶしぶ手でちぎっていく。

そして、空洞が見えたその中に気持ちよさそうに寝ている葉杜華さんを見つけた。

「さすがに起こせないし、このまま運ぶか!」

飛行魔法をかけて、一緒に空を飛んで小栗や道雄、園部のところまで飛んでいると、

空の無くなったはずの裂け目が出現し、神の人形が攻めてきた時の約2倍のサイズの裂け目が、

空間が軋むどころではない、空間が割れる音がして、、、神が攻めてきた。

その瞬間、葉杜華が目覚めて即座に、

『あまたの植物よ、生命の起源の芽よ、私の声に導かれ、ここに神木よ顕現せよ』

『神木 磐座』

と詠唱し、神木を召喚しながら自らに何者かを憑依させる。

「えっ何が起きた?葉杜華さんなんですか?」 そう見た目が格段に変わった葉杜華に聞く。

「今の我は、葉杜華でもあり■■■でもある」

「今なんて言った?」 俺がそう聞くと、

「そんなことを言っている暇は無い!来るぞ!神が!」

空気を切り裂くような音がして、凄まじいエネルギーを感じる存在が空から降ってきた。

「なんだ?この凄まじい存在は!」

【私の名は、菅原道真 学問の神である!】

「神、だと」 俺は、凄まじい威圧感を感じ体が震えている。

「神など関係ない!神木磐座!」

葉杜華は怯えを感じない勢いで、神木を操り菅原道真に叩きつける。

【ただの児戯!】

道真は気が付くと手に刀を二本持って神木の枝を切り刻んでいる。

後から知ったのだが、その刀は『宝剣「天國」 宝剣「神息」』というそうだ。

葉杜華が戦っているのに、俺は見ているだけなのか?

俺にもできることがあるはずだ!

そう思って、必死にスキルや魔法を探すと【極式魔法】とゆうのがあった。

「これを使ったら、神にも戦えるのか?」

そう考えて【極式魔法】を発動しようとすると、俺の内側から声が聞こえてきた。

【お前はそれを使う覚悟があるのか?】

「あるさ!」

俺はそう言った。

【じゃあ、確認させてもらう】

そう聞こえた直後、俺は見知らぬ大地に立っていた。

下は何も見えない空間で、上は雲一つない空が広がっている。

【本当に覚悟があるんだな?】

黒と白のローブを纏って顔は見えない何者かに聞かれた。

「お前は誰なんだ?」

俺は反射的に聞いていた。

【俺は、今までの『魔道王』の職業保持者の一人さ】

「そうか何で出てきた?」

【使ったらこれに頼り切ってしまうかもしれないからだ】

「俺はもうこんな魔法に頼り切ったりしない!」

【そうか、でも後悔しても知らないぞ。これは最後の警告だ】

「それでもいい。みんなを守りたいんだ!」

【ああ、俺たちはそんな奴だったな】

そう言われ、俺は現実に戻ってきていた。


『禁忌を秘めし、魔法よ、我の奥底の力により、我に祝福と呪詛を』


【極式魔法】 【全てを滅ぼし祝福する者】

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