第三章 神々の遊戯 3

時は少し戻って、

{後藤葉杜華 目線~}

「あわわわ、危ない~」と緊張感ゼロのような声で、神の人形の鋭い突きを躱している。

「わたしは、戦闘要員じゃないんですよ~」と神の人形相手に説得を試みるが、

【貴方達は、神に敵対している存在です。まとめて排除せよとの神の命令です】

と言ってくるだけで、執拗に急所を貫こうとしている。しかし、三人がかりでも当たらない葉杜華に感情がないはずだがイライラしているようだ。

「どうにかして、倒さないと」と、葉杜華は考えていると職業に植物使いがあることを思い出して、使おうとすると、詠唱が頭に浮かんだ。

『数多の植物よ、生命の起源の芽よ、私の声に導かれ、ここに神木よ顕現せよ』

【神木 磐座いわくら】






今ここに、葉杜華の神木の巫女の血が覚醒した。

直径100メートル、高さ200メートルはありそうな大樹(神木)が出現し、辺りに草木が咲き乱れる!

「あれっ、何か見たことある木ですねぇ~」と言った直後、

「うっ、頭が痛い」と苦しみ始めた。それをチャンスと思ったのか、神の人形が一人葉杜華に突きを繰り出していた。

その直後、髪の毛が深緑と黒のアッシュになり、瞳が翡翠色になった。すると、

「我に何をするこの愚者」いきなりそう言うと、突きを避けて、

「さっさとくたばれ」と言うと思うがままに、神木の枝を操り、神の人形を一人倒していた。

【イレギュラーが発生しました!対処に来てください】

と人形が言うや否や、葉杜華の死角から、レイピアの影が見える。

しかし、レイピアは葉杜華に届かない。なぜなら、神木の力により葉杜華の周りに結界が張られているからだ。

「我が結界に触れるな、人形」と口調まで変わっている。そのまま神木を操り、駆けつけてきた神の人形を鎧袖一触にした。

「ふうっ、もう終わりか、次はもっと長く出ていたいな」と言った後、神の色が黒に戻り、目の色も黒に戻った。

そして、その場に倒れ植物に囲まれながら寝た。


後藤 葉杜華 年齢21歳 職業 念話師 植物使い 神木の巫女

レベル32 (念話師のみ)

スキル 念話 植物操作 憑依(?) 加護 神木の加護 魔法 治癒魔法 

力 373 防御力 473 魔力 1637 魔法抵抗力 1937 素早さ 164 運 1003

称号 植物に愛されし者 コミュ症 神木の巫女


{園部忍&小栗美癒 目線~}

「俺たちで、チームを組むのは初めてだな」園部が軽口を言いながら、レイピアを躱してクナイを執拗に投擲していた。

「そんなことを言う暇があるなら、倒してよ!」小栗がそう指摘する。

「クナイじゃ、有効打にならないんだよ」そう。クナイが神の人形に刺さってもすぐに抜いて元通りになる。それを知りながら園部は喋っている。

【そうです。このまま、無駄な抵抗をやめて降伏しなさい】神の人形が言ってくる。

「いやだね、それに俺の攻撃がクナイだけだと、何時から錯覚していた?小栗!魔力回復魔法を頼んだ!」そう言いながら、園部は直径1メートルはある手裏剣を作り出し、神の人形に投げる。

神の人形はそれを容易く躱し三人同時に園部に神速の突きを繰り出す!

「ははっ、うまく引っかかったね」園部がそう言うと、三人の神の人形が後ろから腹を切り裂かれ、鮮血とともに魔力の塊らしき物が切られて消える。

【くっ、このイレギュラー達が!】と捨て台詞をはいて消える。

「よし!うまく決まった!」そう園部が手を握りしめると、

「おいっ、そっちが終わったなら助けてくれ!」小栗がそう言って、レイピアがわき腹を掠る。

「はいはい」そう言って、クナイを人形の認識外から投擲して、一人倒す。

「あれっ、クナイの速度が上がった?レベルが上がったからかな」

【そっちが本命ですか】と言って、残りの二人で園部を神速の突きが襲う。

「今獲得した派生魔法を見せてあげるよ」小栗が『私に注目!』と魔法を使うと、神の人形たちが小栗の方を見てしまう。

その隙を、園部は見逃さず『火遁 火球の術』と初めて忍術を使う。

1メートルぐらいの火球が神の人形を襲う。

ひるんだ時に、小太刀を作り首を刎ねる。人形とは思わないような鮮血が飛び散り消えた。

「これで、勝ったか。かなり、ぎりぎりだったな」

「特に、私は攻撃ができないのが辛いね。チームとしての相性はかなり良かったね」

「そうだな」園部は走りながら、双子は大丈夫か?と思っていた。

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