第7章


スターライト・ファンタジー、SENDAI光のページェントは、毎年12月に実施され、仙台市中心部の定禅寺通じょうぜんじどおりの高さがビルの5階にも達する大きな欅並木けやきなみきに、60万個のオレンジ色のイルミネーションを点灯する幻想的な冬の風物詩です。

その枝々に張りめぐらされる豆電球は、スターライトリーフ(光の葉)と呼ばれ、夏の仙台七夕祭りと関連して「地上に舞い降りた天の川」とも言われています。



そしてこのような幻想的な大きなイベントが毎年開催されるようになってしばらくつと、人々の間である噂が持ち上がるようになりました。

定禅寺通りの中央よりやや西に、結婚式専用の白い教会のような建物があり、その建物の手前のイルミネーションの中に、通常のオレンジ色ではなく、ひとつだけピンク色の電球がともっていると…

しかもそのピンク色の電球を見つけると、幸せが訪れるという…


おれは、定禅寺通りの中央付近の機械式時計専門店の女性店長から、その話しを教えてもらって以来、毎年欅並木のイルミネーションを見上げて来ましたが、いまだにそのピンク色の電球を見つけることができません。

恋人たちは、見つけると大きな歓声を上げて指をさします、でももういいや、そんな心境でした。





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