第3章


ふたつの顔が融合するかのように重ねられたまま、シーのスースーという寝息が、薄暗くわずかに琥珀色にいろどられた部屋で、シャボン玉のように飛んで消えます。


すると、わたしたちの布団の下にいつの間にか鉄の車輪が設けられ、先日、青みを帯びた夜空を白い満月に向かって走行したように、あの燻んだ赤ワイン色の垣根付きの灰色の舗道の、黄色の障害者誘導用ブロックの線路を走り始めました。

シーの寝息を合図に、わたしたちの《銀河鉄道布団電車》は、ふたたび青みを帯びた澄んだ夜空を走り出します。


「宇宙の果て」行き切符を持って、宇宙の照明をさがす旅へと…





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