第653話 オークション?

俺達は急いでギルドへ向かった。

急げば、まだ窓口も開いているはずだ。

ギルドに着くと、すぐに日番谷さんの元へと向かった。

流石にこのカードを馴染みのないギルド職員に相談は出来ない。


「日番谷さん、ちょっといいですか?」

「高木様、今日はどうされましたか?」

「あの、これなんですけど」


俺はフェアリークイーンのサーバントカードを取り出して日番谷さんへと渡した。


「これは……サーバントカードですか? 少し失礼します」

「はい、どうぞ」


日番谷さんが渡したカードを確認しはじめる。


「高木様、このカードは普段高木様が使用されているカードとは違うようですが」

「そうです。今日手に入れた新しいカードです」

「まさか、四枚目……。しかもフェアリークイーン? レア中のレアカードですよ。いったいどうやって……」

「すいません。入手方法は秘密です」

「そうですよね。失礼しました。それでこのカードは、どうされるおつもりでしょうか?」


口が裂けても一階層で手に入れたなどとは言えるはずがない。


「それなんですけど、俺達どうしても霊薬が欲しいんです。だからこのカードを売ってその代金に充てたいんですけど、いくらぐらいになりそうですか?」

「そうですね。はっきりした事は言えませんが、オークションであればスタート価格が一億円からといったところでしょうか? 実際にそこからどの程度上がるかはその時次第なのでなんとも言えませんが、この風貌であれば数倍に跳ね上がっても不思議は無いかと」


日番谷さんの口ぶりから、思った通りこの感じが好きな層がいるのは間違い無さそうだ。

やっぱりこのサーバントカードは当たりだ。


「そうですか!、それなら霊薬も買えますよね。それじゃあ、すぐにこれをオークションにお願いします」

「かしこまりました。それではオークションの手数料は販売代金の五パーセントとなりますがよろしいでしょうか?」

「はい、大丈夫です」

「それでは、次のオークション開催は七月二十日となりますので、それまでこのカードをお預かりしてもよろしいでしょうか?」

「え? 今なんて……」

「はい。オークションまでカードをお預かりさせていただきます」

「いや、それじゃなくて次のオークションが……」

「はい、次のオークションは七月二十日になります」

「…………」

「なっ……」

「嘘でしょ!」


次のオークションの開催が七月二十日? 後二ヶ月以上先じゃないか。それじゃあ、カオリンが間に合うかどうか……そんなバカな。


「それって、もっと早くはならないんですか?」

「オークション自体が年四回のみなので、こればかりは……」


年四回という事は三ヶ月に一度。もしかして今ってオークションが開催された直後なのか。

こんな事って……


「ちなみに、次のオークションで霊薬はいくらぐらいで出品されるんでしょうか?」

「そうですね。霊薬の種類にもよりますが二億円からぐらいでしょうか。ただ次のオークションに霊薬が出品されるかは、今の段階ではわかりかねます」

「え!?」


次のオークションに霊薬が出品されるかどうかわからない? そんな事あるのか?

俺は今の今までオークションでは必ず霊薬が取引されていると思い込んでしまっていた。

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