第508話 撮影会

俺は今1階層でスライムを狩っている。


「なあ、シル写真とってもいいかな」

「ご主人様、写真というのは……」

「写真ていうのはこんな感じのだ」


俺はシルにスマホの画面に映る写真を見せて見た。


「これはずっとご主人様のところに私がいるという事でしょうか?」

「まあ、そうとも言えるけど、この中に写真として姿を残すって事だな」

「はい!もちろん大丈夫です。是非お願いします。いくらでもお撮り下さい。シルは嬉しいです」

「ああ、それじゃあポーズとかとってもらっていいか?」

「はい!これでいかかでしょうか」

「ああ、いいんじゃ無いか?」

「おい!ちょっと待て!なんでシルだけ写真とやらを撮るんだよ。わたしにはなんで頼まないんだよ。おかしい!」

「おかしいって………いやだってルシェは嫌がるかと思って」

「あ、ああ、もちろん嫌だぞ。だけど海斗がどうしてもって言うなら考えてやらない事も無いぞ。どうしてもって言うならな」

「いや、流石に嫌がる事を強要は出来ないから、俺には無理にとは言えないけどな」

「は?わたしがどうしてもって言うなら良いって言ってるんだぞ!」

「だから無理強いはしないって」

「くっ………お願いするなら考えてやるぞ」


これはあれか?シルを撮るならルシェも撮ってくれって事か?

まあ、そんなに撮って欲しいなら撮ってやろうかな。

絶対嫌がると思ってたのに反応が思ってたのとちょっと違うな。


「分かったよ。じゃあルシェにもお願いするよ。写真撮らせてくれ」

「ふんっ!そんなにどうしてもって言うなら仕方が無いな。海斗がどうしてもっていうからだからな。勘違いするなよ」

「ああ、そうだな」

「それじゃあルシェもポージングしてみてくれ」

「こ、こんな感じか?どうだ?」

「ああ、いいと思うぞ。グッドじゃないか?」

「マイロード私はいかが致しましょうか?」


これはあれか?ベルリアも撮って欲しいのか。

だけど春香はベルリアの写真が欲しいとは一言も言って無かったな。

ただ、ここで1人だけ仲間外れにするのもな〜。


「それじゃあ、ベルリアの写真も撮らせてくれるか?」

「はい、もちろんです」

「それじゃあ一応ポージングしてくれ」

「はい、お任せください。これでいかがでしょうか」

「まあ、いいんじゃないか」

結局3人の写真を撮ることになったので、それぞれにポージングさせてスマホのシャッターをきった。ついでにペアや集合写真も撮っておいたが結局15分近く撮影していたのでかなりの枚数が撮れた。

画面を確認すると3人共流石の写りで、正直、テレビに出ている子役など比較にならな程輝いている。

シルとルシェも、もちろんの事ベルリアも画面で見るとかなりの物だと思う。

次の日学校で春香にスマホを見せて欲しい写真を選んでもらったが、ベルリアの写真は2枚だけ選びシルとルシェの写真は全部欲しいとの事で全部送る事になった。

ベルリア済まない。

やはりシルとルシェは別格だったようだ。

「海斗、3人の写真をこんなに貰えると思ってなかったから嬉しいよ。待ち受け画面にするね」

「ああ、そんなに喜んでもらえると撮った甲斐があるよ」


後で設定した画面を見せてもらうと、そこにはシルとルシェが並んでポージングしている画像が表示されていた。

俺は一応ベルリアとシル、ルシェの3人で写っている画像を待ち受けに設定しておいた。

これほど反応が良いのであれば、シルとルシェの写真はネット販売とかすれば滅茶苦茶売れたりしないだろうか?

まあ、色々と問題も起こりそうなのでそんな事はしないけど、ダンジョンライフの1つの可能性を見た気がした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る