第477話ラブコメ?

3体の鬼を無事退ける事が出来たものの3体それぞれに特徴があり苦戦してしまったが特に1番小さい鬼に思いの外手こずってしまい、結局俺だけでは倒す事が出来なかった。

今後も出現するであろうあの小鬼には何らかの対策が必須だろう。

この階層に来てから戦闘の度にかなり集中しているせいで目に見えて消耗していっているのが分かる。


「みんなそろそろお昼にしようか」

「そうね、適当な場所で食べましょうか」


余り根を詰めて探索を進めても良い結果にはならない事が多いので昼食を取る事にする。

ちなみに俺の今日のメニューはコーンマヨネーズパンとツナマヨのおにぎりだ。

どちらもマヨネーズベースだがマヨネーズは何にでも合う。マヨネーズは最高だ。

食べた事は無いがツナマヨのおにぎりが美味しいと言う事はご飯にマヨネーズをかけただけのマヨネーズご飯も案外いけるのかもしれない。


「海斗、両方マヨネーズじゃない?美味しいの?」

「ミクは食べた事ないのか?かなり美味しいけど」

「ふ〜ん。それにいつも思うんだけど少なくないの?」

「え?そうかな。こんなもんじゃないかな」

「海斗私達よりも少ないとおもうけど」

「私もそう思うのです。どう考えても私達のお弁当の方がカロリーも栄養もありそうなのです」

「ダンジョンでこれだけ動いてるんだからもっと食べた方がいいぞ」

「そうですかね。自分ではこんなもんだと思ってたんですけど」


俺のダンジョン飯はおかずパン1個におにぎり1個でずっとこの組み合わせで来ているので、今更増やす気もないのだが、確かに彼女達のお弁当に比べると圧倒的に劣っている感は否めない。


「良かったらおかずを1個あげるわよ」

「いや、いいよ悪いし」

「私のもあげるのです」

「私のもよかったら食べてくれ」」


気持ちは嬉しいがそんなにひもじく見えたのだろうか?


「気持ちだけで十分です。ありがとうございます」

「気持ちだけじゃ栄養にならないのよ。どれが良い?卵焼きとかどう?男の子ってみんな卵焼きが好きなんでしょ?」

「別に嫌いではないけど、特別卵焼きが好きってわけでもないよ。多分ラブコメとかの知識だと思うけど男がみんな卵焼き大好きって言うのは多分間違いだよ」

「へ〜そうなんだ。よくお弁当とかのシーンで卵焼き最高!みたいなのよくみる気がするんだけど」

「それはイメージじゃないかな。肉じゃががお袋の味だから作って欲しいとかってのもよく聞くけど俺の母親は肉じゃが作ってるのなんかほとんど見た事ないから俺のお袋の味は肉じゃがでは無いし、どっちかと言うとじゃがいも無しの肉だけの方が嬉しいぐらいだよ」

「そうなのですか?私も男の子は卵焼きと肉じゃがだと思ってました。海斗さんが特殊とかでは無いのですか?」

「いや普通だと思うけどな〜」


やはり女の子のイメージは卵焼きと肉じゃがのイメージなのか〜。でも俺の周りでもそんなに卵焼きを毎日食べてる人って見た事ないな。


「それじゃあウィンナーあげるわよ」

「あげると言われても俺お箸が無いんだけど」

「別にお箸ぐらいいいわよ。はいど〜ぞ」


はいど〜ぞって、これって言い方が違うだけで所謂あ〜んじゃないのか?


「いや無理無理!手で食べるって」

「手はダメでしょ。はいど〜ぞ」

「……………」

「海斗さん私はミートボールあげるのです。はい、あ〜ん」

「……………」

「それじゃあ私はこのアスパラベーコンを。ほら口を開けてくれ」

「……………」


なんだこの状況は?

弁当のおかずをくれるのは正直嬉しいがこの状況は何だ?

普通に無理。

みんな何も感じないのか?3人から同時にあ〜んって一体どこのラブコメ主人公なんだ。

自慢じゃないが俺はただのモブだぞ?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る