第230話 スライムスレイヤー再び
俺は今は1階層に潜っている。
昨日は、ドリルもぐらを殲滅した時点で撤収したのだが、シルにハイコストのスキルを連発させた事もあり、魔核を貯める事が全く出来なかったので、今日から放課後はスライムの魔核を貯める事に専念する事にした。
今日も既に8匹を倒しているが、さすがに今のレベルでスライムを倒す事に余裕を感じているので、コストのかからない倒し方を色々研究している。
バルザードや『ウォーターボール』は魔石を消費してしまうので除外している。
ただし、タングステンロッドやノーマル状態のバルザードで切りつけてみたがレベルアップしたステータスを持ってしても倒せない。
通常の剣では斬っても斬っても直ぐに再生してしまい埒があかない。
次に試したのはパンチとキックだ。格闘経験も全く無いのでへっぴり腰だがレベルに任せて思いっきり蹴り上げて見る。
「グチュ、ボヨヨーン」
大きく弾け飛んで、一瞬いけそうな雰囲気はあったが残念ながら修復してしまった。
やって見た感じとしてはもう少し威力が有れば倒せそうな気がする。
その日はそれ以上成果を得られそうになかったので、殺虫剤ブレスに切り替えて合計35個の魔核を回収する事が出来た。
次の日に家からいくつか武器になりそうなものを持ち込んだ。
一つ目はフライパンを持ち込んだ。昨日は攻撃の威力と面積が問題のように思えたので硬くて面積の広いフライパンを試してみる事にしたのだ。
早速スライムを発見したので、近づいて思いっきりフライパンでぶっ叩いて見た。
ジェルっぽい抵抗感があり
「グニュ、ボヨヨーン」
可笑しな音と共にスライムが後方に吹き飛んだが、消失はしていない。続けて何度かフライパンでぶっ叩いて見たが、同じ事の繰り返しで消滅させる事は出来なかった。
フライパンの持ち手は残念ながら、ぶっ叩く時にそこまで力を込めれるように出来ていないようで、武器としての性能は今ひとつのようだ。おまけに手元の部分が少し曲がってしまったので、帰るまでに母親に怒られないよう、こっそり直しておかなければいけない。
次に試したのはテニスのラケットだ。家の倉庫に転がっていたものだが誰が使っていたものか分からない。
振った感じはスピードも出ていい感じなのでこれならいけるんじゃないか?
フライパンでは倒す事の出来なかったスライムに向けて、ラケットをフルスイングして攻撃して見た。
「グチュッ!」
ラケットにジェル状の強い抵抗感を感じだが、そのまま力任せに振り切ってやった。
結果スライムは消失したが
「うっ。いって〜」
軽いラケットの副作用とでも言えばいいのか、スライムへのインパクトの瞬間持っている手と手首に大きく負担がかかってしまったようで少し痛めてしまった。
1匹ならまだいいが、複数を倒すには向いてなさそうだ。
最後に試したのが大きめのショベルだ。
これも家の倉庫で発見したものだが、かなりの年代物のようで金属で出来たショベル部分が結構重い。
すぐに次のスライムを見つけてショベルを両手で持ってフルスイングした。
「グチュ、グニュ、ボヨヨーン」
インパクトの瞬間に結構抵抗感が生まれたが両手で持っているお陰で問題なく振り切れ、いつものスライムの消失音を発生する事が出来た。
「やった!」
「ご主人様も見事です。流石です」
「ああ、ありがとう」
「シル、甘やかしちゃダメだぞ。たかがスライム1匹倒しただけだろ。全然流石じゃない」
「ルシェ、そんな事、わざわざ言わなくても俺が一番わかってるよ」
たかがスライム1匹だが殺虫剤を使わずにコストゼロで倒せた事に意味がある。
その日はショベルを使ってスライムを倒して回ったが、22個の魔核を回収する事が出来た。
明日以降のペースアップに期待したい所だ。
あとがき
ついにモブから始まる探索英雄譚1が本日発売です。
今日から1週間の売り上げで次の出版が決まると他の作家さんが書いていたので是非HJ文庫の売り場を見つけて買ってください。今日買ってくれるとスキップするぐらい嬉しいです。今週買ってくれても飛び上がるぐらい嬉しいです。よろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます