第94話 リブート


俺は今ダンジョンマーケットに来ている。

月曜日を休んだおかげで疲れも抜けダンジョンに潜れる状態にはなったが、先週1週間でかなり、消耗品が消えてしまったので再補充に来ている。

まずは1個使ってしまった低級ポーションを買わなければならない。

10万円の出費は痛いが、低級ポーションの有り難みを知った今、これだけはケチれない。

今まで使用したのは2回だけだが、常習性がないのか店員さんに確認したが、毎日のように飲まなければ大丈夫との事だった。流石に10万円を毎日飲む奴がいるとは思えない。

次にいつものおっさんのところにやってきた。


「すいません。魔核銃のパレットを300個お願いします。」


「おお。坊主、結構使ってるな。今、何回層潜ってるんだ?」


「8階層ですよ。魚群に結構使っちゃって。」


「もう8階層なのか?そういえば坊主ソロじゃなかったか?8階層をソロじゃきついだろ」


「いや、この前パーティ組んだんですよ。」


「おお、ついにお一人様卒業か。けどな、最初のパーティは結構上手く行かずにすぐ解散する奴らも多いから注意しろよ。」


「不吉なこと言わないでください。僕らは大丈夫ですよ。たぶん」


「まあ、頑張れや。」


「それともう一丁魔核銃を買うといくらぐらいしますか?」


「あ?もう一丁?2丁拳銃にでもするつもりか。そうだなまあ稼がせてもらってるから特別価格で195万だな。」


「あんまり安くなってないような。」


「は?なんか文句あんのか?200万円でもいいんだぜ。」


「いえ。今はお金がないので貯まったらまたお願いします。ちなみに装填用のマガジンって1個いくらですか?」


「1個3万だな。」


「じゃあ2個お願いします。」


「ああ、わかった。それにしても魔核銃なんか滅多に売れねーのに昨日も坊主ぐらいの年の女の子が、即金で買っていったんだよな。珍しいこともあるもんだな。」


俺は代金を支払ってそのまま、ダンジョンに向かい1階層に潜った。

パーティ戦はシルとルシェに魔核がいらない代わりに、魔核銃による消費がバカにならない。その上魔核は4等分なので全く儲けはないが、その分1階層でのスライム狩りに一層励まなければならない。

今日から木曜日まではスライムスレイヤーとして1階層の住人となるつもりだ。


「シル、ルシェ、昨日はすまなかったな。本当はダンジョンに潜るつもりだったんだけど疲労が抜けなくて休んでしまったんだ」


「ご主人様お疲れなんですか?大丈夫でしょうか?私がスライムを倒して回りましょうか?」


「いや気持ちは嬉しいんだけど、シルが倒すとマイナスになるから探知だけお願いな。」


「おい、疲労って珍しいな。エリアボス以来じゃないのか?なんかあったのか?」


「いや、日曜日にマグロ型の魚群に遭遇してな、魔力が尽きて倒れんだよ。」


「は?魔力切れで倒れた?お前何やってるんだよ。大丈夫だったのか?なんで私たち喚ばなかったんだよ。バカじゃないのか。また死にたいのか。地獄に落ちたいのか?」


「いや、またってまだ一度も死んだ事ないんだけど。」


「ご主人様。シルは悲しいです。そんなに危ない場面でも喚んでいただけないなんて。サーバント失格ですね。もう用済みという事ですね。うぅっ」


「いや何を言ってるんだ。そんなわけないだろ。咄嗟に喚ぶ事が出来なかっただけだよ。今度は何かあったらすぐ喚ぶから、その時は助けてくれるか?頼りにしてるんだ。」


「本当でしょうか?」


「当たり前だろ2人とも必ず喚ぶから、その時は頼むな。」


「はい、もちろんです」「しょうがないな助けてやるよ」


それから3日間、合計7時間の探索で95個の魔核を手に入れることが出来た。あとちょっとで100個だったが明日は久しぶりの8階層なので、時間通りで切り上げて備えることにした。

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