第36話 4階層突破
ブレスレットにより、『ウォーターボール』が強化された翌日から、また4階層に潜り始めた。
「だいぶん、体の調子も戻ってきた感じがするな。」
「シル、ルシェリア 今日も一日打ち合わせ通り頼むぞ。」
「はい。」 「ああ。」
すぐ『Gちゃん』5匹に遭遇した。
今までで、最大数のモンスターだ。
相変わらず、シルとルシェリアは顔を引きつらせている。
無言でシルの方に顔を向けると
『鉄壁の乙女』
シルはすぐにスキルを発動した。
この辺りは連戦で連携がかなり取れてきて、いちいち指示しなくても、阿吽の呼吸で意思疎通が取れるようになってきた。 ルシェリアについても、今のところ4階層限定ではあるものの意思疎通が取れてきている。
いつものように『鉄壁の乙女』に群がってきた5匹の『Gちゃん』怒涛の迫力があり、生命本能が悲鳴をあげる。
それを押さえつけ、殺虫剤両手持ち、殺虫剤ダブルブレスで手早く2匹を狩った。
その瞬間残りの3匹が離散したが、そのうち1匹に向けて
『ウォーターボール』
拘束感とともにブレスレットで強化された氷玉が一直線に飛んでいき
『グシャ』
問題なく狩れたが、拘束感も着弾と共に無くなった。
残りの2匹は シルの『神の雷撃』とルシェリアの 『破滅の獄炎』であっさり片付いた。
2人を見ると、若干顔色が悪い気はするがしっかりと立っていた。
先日の話し合いが効いたようだ。
この調子だと、なんとか4階層を探索できる目処がたったようだ。
その後1ヶ月に渡って、昆虫系のモンスターを狩り続けレベルも上がらなくなってしまった。
この階層でのレベル限界を迎えたようだ。
現在のレベルは
LV 14
HP 42
MP 27
BP 47
スキル
スライムスレイヤー
ゴブリンスレイヤー(仮)
神の祝福
ウォーターボール
レベルは14に達していたが驚くべきはステータスの上昇幅だ。
なんとBP47になっていた。
どうやら、4階層補正とでも言えばいいのか、この階層ではシルが俺に依存しているといっても過言ではない特殊な状況にある。
その依存度がダイレクトにステータス補正に影響したようなのだ。
ある意味頑張ったのが報われたようで、とにかく嬉しい。
そして最近になって気づいたことがある。
だぶんLV2にレベルアップした影響かシルが少しだけ成長した気がする。
ほんのすこしだけだったので、女性慣れしてない俺がすぐに気がつくことはなかったが、
しばらく一緒にいてなんか、違和感があるなと思ったら。本当に少しだけ背が伸びた気がする。
これはもしかしたら、サーバントのレベルを上げていけば、カードの通り絶世の美女が現れるかもしれない。
そう思ったら、モチベーションとテンションが一気に上がってしまった。
そんな理由もあって、そろそろ4階層からの卒業を考えている。
4階層では、ほぼ全部俺が前衛をやった。
魔法も覚えて、さらにアイテムのおかげではあるが強化もできた。
レベルもステータスもアップした。
前衛に立った所為で、スライム狩りとまではいかないが、モンスターを倒す技術も少しは上がった。
シルとルシェリアと3人ならきっと、5階層でもやっていける。
ただし、4階層のように殺虫剤はそれほど活躍しないと思われるので、今まで通りにはいかないかもしれない。
「シル。ルシェリア。 ちょっといいか?」
「はい。」 「なに?」
「そろそろ5階層へ進もうと思ってるんだけど、どう思う?俺はいけると思ってるんだけど。」
「一つ質問があります。」
「ん?なんだ?」
「5階層にも虫は、いるのでしょうか?」
「いや5階層は虫のモンスターエリアではないから、多分いないと思うけど。」
「是非行きましょう!今すぐ行きましょう!!さあ早く!!!」
「それを早く言えよ。バカなんじゃないの!? 何が悲しくて4階層にいないといけないんだよ。バーカ!!」
「えー・・・」
2人の虫嫌いは理解しているが、5階層だぞ。
そんなにさっさと進んで大丈夫か?
提案したのは俺だけど。
こうして次の日から俺たちは5階層に潜ることが決まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます