第35話 告白!?
俺は今度5階層に挑む。
以前から5階層に潜ることになったら、告白する事に決めていた。
ずっと先延ばしにしてきたが、ついに覚悟を決めた。
明日、俺は葛城 春香さんに告白する。
朝、目が覚めてからずっと落ち着かない。
学校に行くのだが、期待感と共に足が重い。
教室につき、いつも通り
大山 真司 と 水谷 隼人に
「おう」
と声をかけるといつも通り
「「おう」」
と返ってきた。
その後授業を受けているが、内容がほとんど頭に入らない。
告白の事で頭いっぱいで、葛城さんのことをチラチラ見てしまう。
昼休みに真司 と隼人と、たわいも無い話をしていたが、突然隼人が
「なんかあったの?」
「海斗、今日変じゃないか?」
鋭い・・・
「いや別に・・・」
「絶対なんかあっただろ」
「いや特に・・・」
「葛城さんか?」
「え。は?い、いや。ん、な、何言ってんの」
「やっぱりそうか」
「い、いや、やっぱりって。」
「全然違うし」
「振られたのか?」
「いや振られてない。」
「そうか。これからか。」
「これからって。どういう意味だよ。」
「そういう意味だよ。」
「いや、俺は葛城さんと付き合えるって」
「頭大丈夫か?」
「大丈夫に決まってるだろ。」
「これから告白か?」
「な、なんでわかった?」
「いや、バレバレでしょ。なあ真司」
「ああ、朝からずっと葛城さんの方見てぼーっとしたり、そわそわして、気持ち悪かったぞ」
「いや、気持ち悪いってどういうことだよ」
「それだけ態度に出てたらなー。普通気づくだろ。」
「チキンの海斗くんが一体どういう心境の変化だ?」
「チキンじゃないって。俺は今日英雄になる。」
「英雄って柄かよ。どっちかっていうとストーカーだろ」
「なっ!?」
「クラスの結構な人数がストーカーはいってると思ってるぞ。」
「え、マジで!?」
「マジで」
「てことはクラスの奴らは俺が葛城さんの事好きなの知っているって事か?」
「そんなの当たり前だろ。気付いてないのは葛城さんぐらいじゃないの」
「え・・・」
「普段から葛城さんのこと見過ぎなんだよ。」
「あー。」
「それで今日告白するのか?」
「そうだよ。悪いか」
「いや、悪くない。早く次の恋を見つけろよ。」
「なんで振られる前提なんだよ。」
「え。いけると思ってるの?」
「当たり前だろ」
「はー。まーいいんじゃないか。海斗らしいよ。まー頑張れ。」
お決まりパターンではあるが、放課後 葛城さんを呼び出した。
「急に呼び出してごめん」
「別にいいよ。暇だったし。」
「あ、あの葛城さん」
「はい」
「あ、あの。ぼ、ぼくは葛城さんが、い、いや葛城さんと、お、お、おつ、おつ、
おつかいしたいです。」
「え?おつかい?」
「い、いや、ち、ちがっ」
「あー 、 一緒に買いもの行きたいの?」
「えっ。あ、ああ、うん、そうそう。一緒に買い物行かないかと思って。」
「別にそのくらい良いけど。」
「えっ?いいの」
「別にいいよ。何か買いたいものがあるの?」
「あ、ああ。探索者用のアイテムを買いたくて。」
「そういえば高木くんは探索者頑張ってるんだったね。でも私全然詳しくないんだけど。」
「あ。全く問題ない。むしろ詳しくない方がいいぐらい。」
「えー。詳しくない方がいいぐらいって。なにそれ」
「あと服も買いたいし。葛城さん、センスよさそうだから。」
「別に普通だと思うけど。 じゃあ、いつにする?」
「今週の日曜日にお願いします。」
「わかった。場所は? 」
「駅前集合9時でお願いします。」
「うん。じゃあそれで。日曜日にね」
そのまま葛城さんは去っていった。
これは何だ?
俺は何をやったんだ?
告白は・・・
日和って失敗した。
よりにもよって、おつかいってなんなんだ。
自分で自分が信じられない。
しかし、なぜかおつかいの約束をしてしまった。
2人で おつかい いや おかいもの。
これってデートではないのか?
???
誘っておいてなんだが、なんできてくれるんだろう。
教室に戻ると隼人と真司が待ち構えており
「頑張ったな。残念会開こうぜ」
「いや、振られてないし」
「は?どういう意味?」
「いや言葉通りだけど。」
「ま、ま、まさか。OKもらえたのか?」
「いや、ちょっと違う」
仕方がないので先程のおつかいの件を教えた。
2人は腹を抱えて大爆笑した。
大爆笑のあと、
「なんでおつかい 一緒にしてくれるんだ?」
「さあ?」
と曖昧な返事しかできなかった。
日曜日は、葛城さんと初めてのおつかい、いやおかいもの。
いやが上にもテンションが上がってきた。
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