第20話:エリカの実家。

ここは、静岡県牧之原市にある、エリカの実家。

亜沙子たちは、仲良しグループで、エリカの実家へ遊びに来ている。


「みんなー、お待たせ~」


と、離れのみんなが宿泊する部屋にエリカが戻って来た。


「あ、エリカちゃんお帰り~」

「どう?この部屋、気に入ってくれた?」


「うん、すっごい和風で落ち着く~」と、佳奈。


「そう、それは良かったわ」


「ねぇねぇ、エリカちゃん」

「なぁに?木之川さん」

「この辺で観光するトコとかある?」

「うーん、海、くらいかなぁ」

「海っ!!見たい!!」

「なぁ、隼人!」

「なんにゃー?」

「にゃー、て……」


隼人が思わず、「にゃー」と言って、女子たちは爆笑した。


「藤原君かわいー」

「か、かわいいとか言うなや」

「またそうやって照れるとこがかわいい」


「あんまり言うと木之川さんに悪いわよ」と、佳奈が言う。


「そうね」と、ヒナ子。


「海、まだ今は入れないけど海岸まで行く?」


「行ってみたい!」と、亜沙子。


「じゃあみんな用意して?」


「はーい」


そう言ってみんなは外出する準備をした。

屋敷を出た一行は、海水浴場目指して歩いて行った。


エリカたちは、町の中心部まで出て来た。


「この通りがこの町のメインストリートかなぁ、なんにも無いけど」


「へぇー、なんか落ち着いた佇まいのある通りだね」


「まぁ、古い町並みだよ」


一行は、町のメインストリートを抜け、国道を渡り、広い砂浜のある海水浴場へ着いた。

亜沙子たちは、初めて見る太平洋の広さに感動して、砂浜ではしゃぎ出した。


「きゃー、水が冷たくて気持ちいいっ!!」


女子たちは波打ち際ではだしになって遊んでいる。


その様子を見ていたエリカがみんなに向かってこんなことを言った。


「みんな、帰ったら敷地の中に露天風呂あるから、汚れても大丈夫だよ!」


露天風呂と言うワードに反応したメンバーは、「お風呂ー!」と言ってはしゃいだ。


「亜沙子ちゃんは藤原君と入ったらー?」

「えー?みんなと入るわよー」

「藤原くーん」

「なんや?」

「亜沙子ちゃんとお風呂入りなさーい」

「な、なんでだよ」

「亜沙子ちゃんのおっぱいとか見たいんじゃないのー?」

「それはもう見られてるー」

「えー?」

「うん、見たな」

「なぁなぁ藤原くん!」

「なんや?」

「藤原君女の子としたことあるん?」

「したことって?」

「そやから、エッチ!」

「あるわけないやん」

「お前らはあるんか?」

「この中で男の子としたことあるひとー」


と、ヒナ子が言うと、芳子が手を挙げた。


「おー、さすが大人……他の人は?」

「普通そんなに居ないわよ」

「よっちゃんは彼氏とか前に居たもんね」と、佳奈が言う。

「ま、まぁ……」


そこへ、エリカを呼ぶ声が


「エリカお嬢様~」


「あ、はーい。みんな、ちょっと待って」


「はーい」


エリカは執事の元へ向かった。


「社長からお電話です」

「お父様から?」

「はい」


そして、エリカが電話を取る。


「もしもし?お父様?」

「やあ、エリカ、久しぶりだね。なんだって?今、静岡に戻ってるって?」

「えぇ、そうなの。学校のみんなとね」

「そうか、楽しむんだよ」

「ありがとう」


そう言って電話を切った。


「みんなー、そろそろ帰らない?また明日来ようよ」


と、エリカが言うと……。


「そうねー、お風呂楽しみ~」

「じゃあ帰りましょう」


そしてみんなはエリカに連られて屋敷へ戻って行った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る